今回はマルチクリエイターとして活躍するVaundyさんが11月28日にリリースする新曲「置き手紙」の歌詞を考察していきたいと思います。
14日にマクドナルドのCM曲「忘れ物」をリリースしたばかりのVaundyさん。
今回リリースされる「置き手紙」には、どんなメッセージが込められているのでしょうか？
早速見ていきましょう！
置き手紙 歌詞考察
あれは
何年前の話だ
ずいぶん
前の長い話だ話そう
Vaundyさんはインタビューで、「置き手紙」という曲は元々ワンコーラス分作っていたけど、今回のオファーを受けて完成させた、と答えています。
最初に考えていたストーリーとは全く違うものになり、「不老不死の二人の話」に落ち着いたそうです。
今回の考察では、不老不死の二人を主人公として見ていきます。
“あれは 何年前の話だ ずいぶん 前の長い話だ”
遠い昔を思い出すように語り始める主人公。
二人の古い思い出について話しているのでしょう。
「
これで
やめる腹積りだったんだ
会いに行くつもりは
別になかったさ今日は
天気がいいみたいだ
雲一つない夜だ
星を見にいこう
話の冒頭を見ると、主人公は “君” に会いに行くのをやめようとしていたようです。
もうやめようと思っていたけれど、天気が良いことを理由に君を誘って星を見に行ってしまった。
君への想いが強すぎて、諦めきれない心が歌われているように感じます。
では、そもそも何故、主人公は君と会うのをやめようとしたのでしょうか？
君も主人公の事が好きなのであれば、ずっと一緒にいても良いはずです。
その1つの答えとして、この時点では主人公だけが不老不死だったのではないかと考えました。
愛する人と時間を共有できず、君だけ老いが進んでしまう。
そしていつかは、君の最後を見送らなくてはいけない。
そんな辛い思いをするなら、今別れてしまったほうが良いのではないだろうか、という葛藤を抱えていたと考えられます。
君は何も知らない顔で笑ってくれたよね
だから僕らの日々が、壊れ、崩れていこうとも言っちゃいな
君はまだ、主人公が不老不死であることを知りません。
同じ時を生きる人として、何も知らない顔で笑ってくれた君。
このまま過ごしていては、大切な君の時間まで奪ってしまう、だからこそ “僕らの日々が、壊れ、崩れていこうとも” 事実を伝えなくてはならないのです。
今伝えたいことが
僕たちが僕たちを思い合えるような
魔法の言葉
今伝えたいことが
無愛想な愛情もかき消すような
魔法の言葉
明日こそ君に伝えにいこう
主人公が “今” 君に伝えたいこと、”僕たちが僕たちを思い合えるような 魔法の言葉” は、相手を想うがゆえの別れの言葉なのではないでしょうか？
永遠に生き続ける自分と、いつかは死んでしまう君。
時間という壁に阻まれた恋なら、きちんと伝えて別れるほうがお互いのためなんだ。
この部分での “魔法の言葉” は、主人公から君への切なすぎる別れの言葉であるように感じます。
『未練がここで消えずに
もしも私が不死の病にかかったら』なんてそれは
ゆるい、金縛りみたいに絡み
暖かい、君の方に潮は
変わってた
『未練がここで消えずに もしも私が不死の病にかかったら』
これは、自分が不老不死であること、君と一緒の時間で生きていくことは出来ないことを伝えた後の君の言葉ではないでしょうか？
私も同じように不死の病にかかったらいいのに。
そんな君の言葉は、少しの希望として主人公の心に残り続けます。
“暖かい、君の方に潮は 変わってた”
ここで歌われている潮は、「潮時、潮目」など、いいタイミングを意味しています。
君が自分も不死の病にかかれたらいいのに、と口に出したことで、何かが変わったことが示唆されています。
今日も何も知らない顔で笑ってくれよね
たとえ息が詰まり、悶え、震えていようとも言っちゃうわ
MVを見ると、このシーンでは主人公の呼びかけに対し、カーテンを閉めて拒絶している君の姿が描かれています。
不老不死の事実を伝えた後、話してくれた主人公の想いを汲み取った君は、自ら距離を置くことを選んだのでしょう。
“たとえ息が詰まり、悶え、震えていようとも”
自分から話したにも関わらず、最愛の君に会えず苦しんでいる主人公の姿が浮かんできます。
ここから主人公は、自分の未練を断ち切るためにも君へ宛てた「置き手紙」を書こうと決意します。
今伝えたいことが
僕たちが僕たちを思い合えるような
魔法の言葉
今伝えたいことが
無愛想な愛情もかき消すような
魔法の言葉
明日までに唱えきるよ
どうすることも出来ない理由で引き裂かれてしまった二人。
突然別れを告げる申し訳無さと、君に幸せになってほしい気持ち、それでも君を諦めきれない想いが交錯し、なかなかまとまらない様子が浮かんできますね。
主人公の想いを表す “魔法の言葉” は現れるのでしょうか？
綴りきれない
呼吸の数だけ生えた思いは
溢れ育ってた
不死の病がもしあるなら
あぁ、もうやめよう
口に出さずに
『腐りきるまで、別てぬ二人で』
“綴りきれない 呼吸の数だけ生えた思いは 溢れ育ってた”
この部分について、Vaundyさんはインタビューで「思いを置き手紙にしてるんだけど、結局呼吸するたびに君に伝えたいことがある、それほど伝えたい文字が多くて、置き手紙くらいじゃ収まらないわ、という気持ちを歌っています。」と答えています。
文字では書ききれないほど、君への想いが溢れ出す主人公。
“不死の病がもしあるなら” 君と一緒に過ごせたのに…
結局思いがまとまらず、手紙には『腐りきるまで、別てぬ二人で』と書き記しました。
その伝えたいことは
僕たちが僕たちを思い合えるような
魔法の言葉
この伝えたいことが
無愛想な愛情もかき消すような
魔法の言葉」
結果的に、『腐りきるまで、別てぬ二人で』という言葉が、二人にとっての魔法の言葉だったようです。
MVでも描かれていますが、一度は離れてしまった二人が再び手を繋ぐシーンですね。
この魔法の言葉によって、君も不老不死になれたのではないでしょうか？
腐りきるまで、この愛が続きますように。
不老不死の主人公の優しさと、君の愛が起こした奇跡。
二人は、これからもずっと愛を深め続けることでしょう。
なんて腐りきった二人の話
この話のオチはMVで見ることが出来ます。
「」で囲まれた部分が二人の物語。
この話を語っているのは腐りきった主人公かもしれませんし、その物語を聞いた第三者かもしれません。
不老不死の二人が物理的に腐ってしまうのかは分かりませんが、最後の最後までずっとお互いを思い続けていたことでしょう。
この二人の恋愛物語こそ、不老不死でずっと語り継がれていくものなのかもしれません。
メルヘンな要素もありながら、深く考えさせられる素敵な楽曲でした。
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さいごに
いかがでしたか？
モリサワフォントとコラボしたこの楽曲。
3日間かけて撮影された見応え抜群のMVにも注目です！
