“ずとまよ”の愛称で親しまれる日本の音楽ユニット「ずっと真夜中でいいのに」。
2ndフルアルバム『ぐされ』に収録された「お勉強しといてよ」の歌詞に描かれた女子像がとても現代的でキュートだと感じます。
今回はその歌詞を徹底的に考察します。

お勉強しといてよ 歌詞考察
「お勉強しといてよ」って誰が誰に言っているの?
「お勉強しといてよ」ってタイトルはちょっと不思議です。
いったい誰が誰に何を勉強しといてと言っているのか。
それがこの歌の歌詞を読み解く鍵になります。

“質のいい病み感情”と最初から独特の歌詞です。
まずこの病み感情とは何か?
つきあったりしていても彼氏にほっとかれている女子は精神的に不安定になりがちなことがあります。
だからこの病み感情とは、相手にほっておかれている女子のひとりぼっちの夜の感情なのかもしれません。
でもその想いの感情が質がいいわけです。
この質の良さはこの病み感情がしんどすぎて、純粋で質がいいという解釈です。
そしてそういう気持ちが溢れているわけです。
たぶん眠る前の真夜中に。そしてそういう気持ちに対して、自分で自分に「しょうがない」と言っている。
だって相手のことが好きだから。自分にはこの病んだ感情が相手を想う気持ちから生まれていることがわかっているから、照れくさい。
相手を想う女子の心の機微がものすごく深く描かれている冒頭です。
そして想像力がある女の子なので、相手のちょっとした言葉からいろんなことを想像しています。

昨日は好きな相手と何かちょっとしたことがあったのだと思います。
そんな記憶を思い出して噛みしめる行為を洗濯と表現しているのでしょう。
でもその記憶(=洗濯物)は乾かない。
つまり相手を思う気持ちが乾いてしまわないのです。
季節は寒い冬でしょうか。
ひょっとするとまだ告白もされていないのかもしれません。
だから勿体ぶっていいから、このままの関係でもいいと思っています。
そしていつも自分の気持ちに押しつぶされているのです。
たぶん相手と仲は良いのでしょう。
だからお互いのことを褒め合うような言葉は交わします。
でも自分から告白して関係を変えてしまうことは怖い。
だから自分のことを”現状維持の無敵”だと自己を皮肉っています。

この歌詞を書いているのは「ずっと真夜中でいいのに。」で作詞・作曲を手掛けるACAね。
彼女がそのまま自分のことを等身大に歌っているとするなら、いつも作詞・作曲をしていることも伺えます。
そして曲や歌を作っていると、どんどん内容が変わっていきます。
そんなふうに直感で変わる歌みたいに、勢いで相手に飛びこんでみたい。
でもそういうことができずにいる。
だからここで描かれた女子の気持ち=歌は、彼女の気持ちそのもの。
その気持ちを勉強してほしい。その想いの謎を解いて欲しい。
そう彼女は歌っています。
だからこの歌のタイトル「お勉強しといてよ」は、誰かを想う女子が好きな相手に対して歌うラブソングなんです。

場面は変わって、ひょっとするとふたりは付き合っているのかもしれません。
だから今日のデートをどうするか、何時まで一緒にいられるのかという言葉にも簡単には返事ができません。それは危険だからです。
相手とずっと一緒にいたいという気持ちはありますが、相手に飛びこんでいいかどうかわからない。
そういう状態では健康に悪く、精神を病みます。
相手を信じていいのか、まだわからないのです。
だから健康でいたいけれど、そういうふうにはいられません。
こんなふうに病んだ気持ちになってしまうくらい、相手への気持ちを育てられてしまったことが、彼女にとってはこの恋のすべてです。
だから相手が自分のことを愛していると信じられる言葉を聴いて、この気持ちを成就させたい。
心を病むほどの相手への気持ちは、愛情と裏腹の気持ちなのです。

この箇所では、昨日の思い出ではなく去年の思い出を思い返しています。
でも気持ちが乾いてしまわない。
このままという意味だけでは足りず、個のまま、つまりひとりのまま自分の感情に押しつぶされています。
そしてまだ若いのでしょう。子どものままという意味もふくまれた子のまんまでもあります。
でもその気持ちをどうにかしたい。

だから「お勉強しといてよ」という歌を歌っている。
自分の気持ちや想いを理解してほしい。
そういう女の子たちの気持ちをこめて。
そしてその気持ちの謎を解いて欲しい。
せつないけれど、とても現代的な恋の歌です。
現代の恋に悩む女の子の等身大の歌

この歌の主人公は、自分が相手を想う気持ちに苦しんでいる程度には、相手も同じように私への想いで苦しんでいて欲しい。
それは自分がそれだけ相手を想って苦しんでいるから。すべては相手に理解してほしいという気持ちの顕れです。
そして苦しんでいるのと同じくらい私への想いに浸っていてほしい。
そういう少し病んだ、でも、ものすごくわかる感情が描かれています。
その私の気持ちという答えを犠牲にしたり、傷つけたりしても、相手は特に気にしていません。
私の気持ちになんて気づかずに明るく生きています。
だから、答えである「私の気持ち」を犠牲にしたって、傷つけたってしょうがないって男に勉強してほしいわけです。

だから私の想いを勉強しておいてほしい。私の気持ちを解いておいてほしい。
そして恋による苦しみではなく、喜びを感じたい。
すべての女性の気持ちを代弁して、恋による傷つきではなく喜びを願う歌なのではないでしょうか?

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さいごに
ずっと真夜中でいいのに。はACAねを中心としたユニットのようです。
なかでもこの「お勉強しといてよ」はひょっとするとACAね自身の等身大の思いをのせたラブソング。
歌詞の深さから現代を生きる女の子たちの気持ちについて考えてしまいました。
これからの活動からも目が離せませんね。