今回は、RADWIMPSの新曲「人間ごっこ」の歌詞を考察していきたいと思います。
7月8日から公開されるドラマ『石子と羽男~そんなコトで訴えます?~』の主題歌として書き下ろされた本楽曲。
連続ドラマへの主題歌書き下ろしは、今回が初めてとなるRADWIMPS。
ドラマの演出担当・塚原あゆ子さんとの打ち合わせを重ねて作った楽曲に、どんなストーリーが込められているのか楽しみです!
ドラマの内容、楽曲コメントと合わせて見ていきましょう!
ドラマ『石子と羽男~そんなコトで訴えます?~』
有村架純さんと中村倫也さんがW主演する異色のリーガルエンターテインメント。
「カフェでスマホを充電したら訴えられた!」など、現在の人々の生活の中に潜んだ珍トラブルを、石子と羽男のコンビが解決します。
やがて数多くのトラブルを通して多彩な人々と出会ううち、石子と羽男も自分自身と向き合うことに。
果たして彼らは、自分の抱えるコンプレックスを乗り越え、成長していくことができるのでしょうか。
7月8日の初回放送が楽しみです!
楽曲コメント
作詞・作曲を担当したRADWIMPSの野田洋次郎さんのコメントをご紹介します。
コメントを見る限り、ドラマの内容も歌詞に反映されているようですね。
頭をブンブン振りながら気持ちよく聴ける曲とコメントされているので、曲の公開が楽しみです!

人間ごっこ 歌詞考察
誰も知らない 誰も知ることのない
気持ちでこの身体は日々満たされてく例えばこの孤独がこのすべての宇宙
出典:人間ごっこ / 作詞・作曲:野田洋次郎
の体積を超えたら 僕は消えるのかな
歌詞の冒頭では、孤独を抱える主人公の様子が歌われています。
”誰も知らない 誰も知ることのない 気持ち” という歌詞から、主人公の思いが他の誰にも理解されない、共感してもらえないという主人公の切なさが伝わってきます。
ドラマ「フランケンシュタインの恋」の主題歌として起用された『棒人間』とも通じる部分がありますね。
『棒人間』と同じように、『人間ごっこ』の主人公も周囲の人と合わない苦悩や葛藤を抱えていることが分かります。
一人ぼっちで、誰にも分かってもらえない孤独感が宇宙の体積を超えたら、僕は消えるのかな。
言い換えると、このすべての宇宙を見渡しても、自分に共感してくれる人は居ないんじゃないかという主人公の不安を読み取ることが出来ます。
運命めいて 戦争めいた この人生めいた冒険を
不確かなもんで蓋したくないだけ もったいないから人間ごっこ 人生ごっこ でも君は笑っていられんの?
出典:人間ごっこ / 作詞・作曲:野田洋次郎
純粋培養 感情装置をフルスペックで 使うだけ
このパートでは、主人公の抱える、誰も知ることのない気持ちが歌われています。
「〜めいた」は「~のような感じがする」という意味の表現です。
運命のようで、戦争のようでもある、この人生のような冒険。
主人公自身も、自分の一生がどんなものなのか、どんなものになっていくのか、明確に理解していない事がわかりますね。
どうなるか分からない人の一生を “冒険” と表現しているのではないでしょうか?
そんなワクワクする冒険を “不確かなもんで蓋したくないだけ”。
この “不確かなもん” とは、自分で決める限界のことを指しているように感じました。
「どうせ自分にはできない」「あの人と自分は違うから」といった理由を付けて、挑戦を諦めてしまうなんてもったいない。
どうなるか分からないんだから、自分で可能性に蓋をせずに挑戦してみようよ、という洋次郎さんからのメッセージのように感じます。
“人間ごっこ 人生ごっこ でも君は笑っていられんの?”
せっかくこの世に生を受けたのだから、精一杯生きてみよう。
自分で限界を決めて、周りの人に合わせて普通に過ごす、人間 ”ごっこ”・人生 “ごっこ”で、君はヘラヘラ笑って居られるのか?
もっと感情を爆発させて、本気で挑戦してみようという力強いメッセージが込められています。
この手すり抜ける 数えきれない 未来を
眺め続けることを 「生きる」と呼ぶの?届かぬ声をいくつおし殺せば 僕の
出典:人間ごっこ / 作詞・作曲:野田洋次郎
身体突き破り 全世界中にはじけ飛ぶのだろう
そう伝え続けても、誰にも理解されずにいる主人公。
一人ひとりの手に溢れるほど乗っている「未来の可能性」が、指の隙間からこぼれ落ちていくのを黙って見てろって言うのか?
せっかくのチャンスを、みすみす逃す人が目の前に居ながら、何も声を掛けない人生を「生きる」と呼ぶのだろうか?
どれほど強く呼びかけても、人々はすり抜ける未来を掴もうとはしません。
これほど伝えてきたにも関わらず、まだ未来の可能性を潰し続けている人々への皮肉が込められているように感じました。
涙で濡れた君のその声が この世界の
罵詈雑言、不条理、妄言に 溺れたりなんかしないように空の青さに 余りある広さに負けぬよう
出典:人間ごっこ / 作詞・作曲:野田洋次郎
気高くずるく ここで抗ってる
主人公から未来へのメッセージを受け取った人々の中には、ごく少数ですが、立ち上がった人も居たのではないでしょうか?
人間ごっこをやめ、未来の可能性に自分で蓋をするのを止め、泣きながら立ち上がった “君” を、世間の人々は寄ってたかって潰しにかかります。
自分が出来ない挑戦をしている人への僻みや妬みで、諦めさせようとしてくる人間ごっこをしている人たち。
そんな “罵詈雑言、不条理、妄言” に、勇気を出して立ち上がった君が潰されてしまわないように、自分が守り通すんだという主人公の強い意志が感じられます。
“空の青さに 余りある広さに負けぬよう 気高くずるく ここで抗ってる”
”ごっこ” から抜け出し、人間として生まれたての弱い人たちを守るために、主人公自身が先頭に立って、襲いかかる理不尽や不条理から守ろうと奮闘する主人公の姿が浮かびました。
弱者を助けるという点では、ドラマで登場する弁護士という立場と繋がりますね。
一瞬めいて 永遠めいた この真実めいた現実を
「致しかたない」で終わらしたくないだけ もったいないでしょ人間ごっこ 人生ごっこ でも君は笑っていられんの?
出典:人間ごっこ / 作詞・作曲:野田洋次郎
一切合切 安全装置をフルスイングで 捨てる今
永遠のように思えるけど、一瞬とも思える、不確かなこの現実。
理不尽なことで、道が閉ざされてしまったとき、”「致しかたない」で終わらしたくない”。
”一切合切 安全装置をフルスイングで 捨てる今”
未来を掴み取るため、がむしゃらに向かっていって、どんな壁もぶち壊してやるんだという強い気概が伝わってきます。
この手すり抜ける 数えきれない 期待を
眺め続けることを 「生きる」と呼ぶの?届かぬ声をいくつおし殺せば 僕の
出典:人間ごっこ / 作詞・作曲:野田洋次郎
身体突き破り 君の中まで弾け飛ぶのだろう
再び “人間ごっこ” を続けているリスナーに向けて呼びかけます。
君に向けられた数え切れないほどの期待を、全て無視して、ただ眺め続けることを「生きる」と呼んでいいの?
運命めいて戦争めいたこの人生めいた冒険に飛び出すには、自分で可能性に蓋をするのを止めて挑戦するべきなんだ。
もしも、周りが潰そうとしてきたのなら、挑戦の最前線で戦っている自分が助けに行くからという、洋次郎さんからの熱いメッセージが込められた曲のように感じました。

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さいごに
いかがでしたか?
ドラマの内容を含みつつも、リスナーへの熱いメッセージが込められた素敵な楽曲でした。
これからの活躍からも目が離せません!
このドラマは爽快で明るくテンポ感のある作品でありながら、今の時代の現実もしっかりと映す役割を果たしたいというお話を塚原監督との打ち合わせでお聞きしました。
現実に今日本で起きている裁判などの話を聞き、それを頭で反芻する中で歌詞の断片を紡いでいきました。
この曲がドラマ『石子と羽男』と一緒に育っていってもらえたら幸せです。
音楽的にもふんだんに挑戦をさせてもらいました。是非週末の入り口に、頭をブンブン振りながら気持ちよく聞いてもらえたらと思います。