「キリン 午後の紅茶」のCMに起用されたRADWIMPS「猫じゃらし」。
日常の幸せをテーマに書き下ろされた優しい楽曲になっています。
「猫じゃらし」とはあのふわふわな植物のこと。
触るとくすぐったくて柔らかく、お母さんと子供が触れ合うようなじゃれ合い感を感じられます。
家族や友人、恋人…。身近な人とのありきたりで貴重な幸福を歌う歌詞を徹底考察します!

猫じゃらし 歌詞考察!
人間の「慣れ」への危惧

「この言葉」が特定のどのような言葉を指しているのかは不明ですが、ありきたりな言葉に頼り、コミュニケーションが脆弱になる皮肉な様子が描かれているように解釈できます。
「名もない世界」とは、特別な瞬間ではなく、毎日の食卓や通学路などの「慣れている場」
を指すのでしょう。
野田洋次郎は「猫じゃらし」の作詞に際し、「人間の慣れ」について言及しています。
慣れてしまうことで大事な関係性を「大事」と思えなくなってしまう人間の性(さが)を歌っているように思います。

サビでは「初めましての今日へ」と私たちを誘っています。
意地悪に考えれば「初めましての今日」とは意味が通らない言葉だと捉えられます。
しかし、何の変哲もない日常は、もう二度と帰って来ないその日限りのもの。
そういった観点から「初めまして」と表現するのはとても独特で、RADWIMPSの歌詞の魅力だと感じます。
またまた私たちは誘われます。「僕らで行こうよ」と。
「半径僕と君」というのは、物理的な距離では測れない、二人だけの親密でとっても近い心の距離を指しているように思います。
そんな「僕と君」の間に、何度でも、二度と戻らない貴重で幸せな日々を描くのは、簡単なようで本当はとっても難しく奇跡的なことなのではないでしょうか?
「平凡」は目立たないけれどとても難しい

私たちは「特別」になることをしばしば望みます。
しかし、特別になることは非常に少なく、誰もが一等賞になるわけではありません。
そんな心情がこの歌詞から想起されます。
「アラーム」「シャワー」の単語からは、ひしひしと日常感が感じられないでしょうか?
しかし、もし今の日常が無くなってしまうとしたら私たちは困惑するでしょう。
本当の幸せは「平凡」の中に隠れており、それを維持している私たちは実はとても幸せなのかもしれません。

2番目のサビは「いつか」から始まります。
大事な人との未来が道となって、まっすぐ突き進むイメージが浮かびます。
きっとそんな平凡な日々に名前はありません。
しかしそんな世界を何百回も繰り返せることこそ、幸せだと強調されています。

ここはCMの最初に使われていた歌詞の部分です。
「触れるくらいの幸せ」という多くを望まない姿勢が印象的ではないでしょうか?
当初の「大きな幸せを望む」歌詞からは、一転しています。
野田洋次郎が伝えたいのは、きっとこちらの幸せの重要さでしょう。
まさに猫じゃらしを触るような感覚で扱えるくらいの幸せと不幸を背負いつつ、歩んでいく。
それは家族とご飯を食べることでしょうか。
友人とケンカしてしまったことでしょうか。
電話したいと思える人がいることでしょうか。
それは十人十色ですが、どれも「大事な人」がいるからこそ成り立つことだと思います。
それに気付くことができた時、ふわっと視界が広がる感覚を覚えます。
幸せは君の隣にいること


最後のサビを聴くと、さらに日常の幸せの貴重さが分かります。
「遥か遠くの彼方ばかり」すなわち何年、何十年先へと、思いは先走ってしまうこともあるけれど、今日この瞬間幸せであるのを素直に感受する重要性が説かれています。
「貴方」が光を放射線に放っているという表現も秀逸です。
その光に照らされ、あたためられ、まるで光によって成長する植物、光合成のイメージすら浮かびます。
きっと私たちは、そんな重要な「貴方」の存在によって日々を支えられているのでしょう。
そして、ずっと横にいることを誓います。
大事な人がいることももちろん幸せです。
そしてその横にいられることはもっと幸せです。
そんな気付きで、最後は締めくくられます。

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おわりに
「猫じゃらし」の歌詞考察、いかがでしたか?
そばにある幸せを分かっていてもなかなかその貴重さを感じることはできません。
それこそ、野田洋次郎が感じる「危惧」でしょう。
しかし、この楽曲を通じると、不思議と毎日がいかに幸せで、かけがえのないものなのか肌で知ることができます。
遠くに住む家族や恋人、友人に会えないことが多い現在では、この楽曲がさらに力を持って身に迫ってきて、励ましてくれるでしょう。
実家に帰りたくなった時や、大事な人を恋しく思った時、深く響く「猫じゃらし」を聴いてみてください!