Saucy Dog(サウシードッグ)「猫の背」の歌詞の意味を考察します。
4thミニアルバム「テイクミー」(2020年9月)の収録曲で、島根県”しまね移住プロジェクト”SPECIAL MOVIEのエンディングテーマに起用されました。
ボーカル&ギターの石原慎也さんが作詞、Saucy Dogが作曲した「猫の背」の歌詞の意味をチェックしましょう。

猫の背 歌詞考察!
下向きなときもある
花飾り嬉しそうに
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
駆けてく白のブラウスは
川沿いの土手 夕陽と並んで笑ってる
語り手の「僕」は夕暮れに「川沿いの土手」を歩き、「花飾りをつけ、白いブラウスを着た誰か」が走る様子を眺めています。
石原慎也さんの出身地、島根県をイメージしているのかもしれませんし、東京にも故郷の風景が重なるようなノスタルジックな場所はあるでしょう。
「誰か」の正体はまだわかりませんが、「素直、純真無垢、無邪気」などの雰囲気が漂います。
僕は今日も下を向いて
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
自然と靴を見つめてる
すれ違った子供達が眩しくて
冒頭の「誰か」はどうやら「すれ違った子供」の1人だったようです。
うつむき加減で歩くのは「僕」の日常姿と考えられますが、光り輝くほど無邪気な「子供達」を直視できず「下を向く」様子に、落ち込み気味の心情が反映されています。
ノスタルジックな風景に、「若さがまぶしい」と感じる大人の悲哀が重なるところがエモーショナルですね。
トボトボと猫背は行く
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
明日を考える程余裕は無いや
晩ご飯は今夜もコンビニの予定です
タイトルの「猫の背」とは「猫背の自分自身」のことでした。
「子供」の頃は家族でにぎやかに食卓を囲んでいたけれども、実家を離れてからはすっかり個食(孤食)という人もいるでしょう。
自炊の習慣がないところからも、健康に気を使ったり生活を楽しんだりする「余裕が無い」ことが伝わってきます。
「今日を乗り切るだけで精一杯」なのかもしれません。
夢から醒めないように
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
恐る恐る生きてきたんだ
ずっと前だけを向いてなくて良い
叶うよ きっと 信じて
1番のサビです。
石原慎也さんにとっては「音楽活動やバンド活動」が「夢」に相当するでしょう。
リスナーにもそれぞれ「夢」のような「希望や目標」があるのではないでしょうか。
ただし「夢」を追いかける途中で挫折や停滞を経験すると、「前向き」ではなく「下向き」に落ち込むこともあるはずです。
それは石原慎也さんやサウシーも同じ。
「常にポジティブな気持ちを保つことができなくても大丈夫」と寄り添ってくれています。
誰もが傷付いている
録画したアニメと比べて
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
僕の人生は平凡です
誰のヒーローにもなれやしないのか このまま
「他人との比較」は悩みの原因になりがちですが、比較対象を「アニメのヒーロー」に設定すると、ほとんどの人が「平凡な人生」を送っていることになりそうです。
しかし「子供」の頃は「アニメのヒーローやヒロインのようになりたい」と無邪気な「夢」を描いたものでしょう。
身近な憧れの存在としてのヒーローは父親、ヒロインは母親だったかもしれません。
お互いのことを「自分のヒーローまたはヒロイン」と感じる夫婦も理想ですね。
さらにバンドマンとしては「リスナーのヒーロー(のような存在)になりたい」という願望もあるのではないでしょうか。
酒気帯びて冷たいご飯に
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
「君まで冷たくするのかい?」
なんてひとりごと馬鹿馬鹿しいと思うかな
夕暮れに「川沿いの土手」を歩いて帰宅し、「コンビニ」で買ってきた「お酒と冷たいご飯」で「晩ご飯」という流れでしょう。
せめて「電子レンジでチン」すれば「寒いひとりごと」を言わずに済むような気もしますが、その「余裕も無い」ようです。
ウトウトとしてきた頃
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
明日のアラームをかけて 夜の中へ
そんな暮らし飽き飽きしてんだ こっちも
「平凡な人生こそありがたい」という考え方もありますが、哀愁の漂う「ひとりごと」をつぶやくほど「下向きがちな暮らし」を脱したい気持ちもわかるでしょう。
「理想」という意味での「夢」とかけ離れた現実だと、眠ってから見る「夢」と区別がつかないというか、「眠ったまま生きているような暮らし」ともいえそうです。
夢から醒めないように
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
騙し騙し呪いみたいだ
きっと人一倍傷付いてきた
君もだろ? ひとりじゃない
2番のサビです。
「理想が叶うという夢」を諦めたくないあまり、気づくと「起きているあいだも、睡眠中の夢を見続けているような寝ぼけた暮らしになっていた」という話でしょう。
「傷付く」経験が増えると、予防線を張って挑戦しなくなったり、作り笑いで心の痛みをごまかすようになったり、ますます「理想=夢」からかけ離れた暮らしになりがち。
それは石原慎也さんやサウシーも同じというのが心強いですね。
サウシーも変わりたい
暗がりで 自分を嫌わないで
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
倒れ込んで そのまま朝日を待っていた
足りないもの 足りないまま
終わりへ向かっているような
あぁ このままの僕じゃいられないよな
「常に前向きでなくても構わない、下向きなときがあってもいい」とはいえ、自暴自棄になって「破滅に向かう」ようであれば軌道修正が必要です。
自分と同じように落ち込む歌物語に触れると、自分自身を客観視しやすくなるのではないでしょうか。
夢から醒めないように
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
恐る恐る生きてきたんだ
ずっと前だけを向いてなくて良い
叶うよ きっとさ
1番のサビとほとんど同じですが、「きっと 信じて」の部分が「きっとさ」に変わりました。
「信じ続ければ、夢は必ず叶う」とは限らないからこそ、「きっと」の一言に共感する人も多いことでしょう。
夢なら醒めないように
出典:猫の背 / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
自分自身で掴みに行くんだ
だって繰り返すだけの毎日なら
要らない 変わりたい
誰にも 邪魔はさせない
本当に叶えたい「夢=理想」があるなら、どれほど挫折しても再起しよう、という結末です。
「新たな一歩を踏み出す」という意味では「島根県への移住」もそのひとつ。
石原慎也さんやサウシーにとっての「音楽活動やバンド活動」のように、それぞれの目標を継続したくなったのではないでしょうか。
いつのまにか「猫背」も伸びたかもしれませんね。

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さいごに
「頑張れ」とか「前を向こう」といった一見ポジティブな言葉は、場合によっては重たく感じることもあるものです。
疲れ果てたときに「猫の背」を聴くと癒されるのではないでしょうか。