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今回はRADWIMPSが2020年7月にリリースした配信限定シングル「夏のせい」の歌詞考察をしていきます!
「夏のせい」はボーカル・ギター・ピアノを担当する野田洋次郎さんが作詞作曲を手掛けました。
「夏のせい」はRADWIMPSとして初のEP(コンパクト盤)である「夏のせい ep」の表題曲であり、2020年8月26日に「2020 FNS歌謡祭」にRADWIMPSが初出演した際に披露されました。
当時季節がテーマの曲が少なかったRADWIMPSが夏をストレートに表現しており、情緒のある夏が浮かぶ曲になっています。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう!

夏のせい 歌詞考察!
夏への高揚感

曲冒頭ではストレートに夏が始まる高揚感が綴られています。
夏と言えばリミッターを解除して何にでも挑戦できる季節。そんな季節にどこへ行こうか?とウキウキした感情が浮かんできます。
2行目では「夏」が「恋」と言い換えられていますが、夏の高揚感で胸が高鳴る様子を恋に例えています。

夏は万物が胸踊る季節。そんな季節にずっと取り残されていたいと主人公は言います。
この高揚感に身を任せ、いつまでも胸が高鳴るままでいたいと思っています。

ここで描かれるのは夏へと季節が移り変わった瞬間です。
「空の匂い」は晴れ渡った夏の空を見て、「君の顔」は「君」が輝いているような期待に溢れた顔を見て、主人公は夏の訪れを実感します。
何にでも挑戦したい主人公

「二割増しの無茶」や「ガラにない背伸び」でも夏という季節であれば挑戦できます。
春秋冬に少しずつ何かしたいと考えていたことを、夏の開放感に任せて全部やってしまおう!という主人公の気持ちが伝わります。
「一つ呼吸のたび君は綺麗になった」の夏の開放感に任せてやりたいことをやり、表情が輝いていく「君」に惹かれていく主人公の様子を表現しています。

この部分はこれから始まる夏を主人公が想像しているものです。
もちろんやらなければいけないことがあったり、でもサボってだらけたり、そんな在り来りでもこの夏は今までになく、二度とこないもの。
そんな夏を目一杯楽しもうという主人公の気持ちが表れています。

そうして始まった夏はどこへでも行けるもの。基本的にサビのフレーズは同じですが、これは何をするにしても「夏」という季節が主人公と「君」の行動原理になっているためです。

夏は楽しいが故にすぐに過ぎていってしまいます。そんなすぐに過ぎてしまう季節とは対照的な「永遠」という言葉。
これは主人公が今の一瞬を大事にしたいと思っており、その思いが突拍子もない提案となって口をついて出たものでしょう。
夏は何回も来るけれど、この夏は一度きり

自分たちがいなくなった未来にも夏は必ずやってきます。
それは変えようのない事実であり、今の夏が全てではありません。

しかし自分たちが今のように輝いていられる夏は今しかありません。
未来に何度夏がやって来るとしても、今は自分たちの番。思い出が溢れ出してしまうほど、思いっきり楽しもうという思いが伝わってきます。

夏には昼と夜それぞれに違った魅力があります。それは夏だけでなく主人公と「君」の恋も同じ。
僕から君へ送る視線、一瞬ごとに綺麗になっていく君に恍惚とし、いつその想いを伝えるか臆病になりながらも伝える覚悟をする。これら全てを夏に詰め込んでいくことが「ごちゃまぜたプール」と表現されています。
夏で輝いた君に恋する主人公

このサビでは「夏」という単語が出てきません。主人公が「君」に愛を伝える様子が思い浮かびますが、そもそも主人公が惹かれた「君」は夏のせいで一瞬ごとに綺麗になっていく「君」です。
つまり「君のせい」というのは「夏で輝いた君のせいで惚れてしまった」という意味が含まれており、結局「夏のせい」に帰結します。
そして夏の勢いに任せ、主人公は「君」に愛を誓います。

続くこの歌詞も「君と僕なら勝てないわけない気がした」の前に「夏のせいでなんでもできる」という枕詞が隠れています。
夏のせいで輝いている「君」と「僕」ならなんでもできるという無敵感を歌っています。
「君」との温度差

ここでは今までずっと描かれていた夏の無敵感がなくなり、儚さの描写のみとなっています。
夏のせいで高揚感に溢れている主人公に対し、「君」は夏が過ぎたらその無敵感もなくなっちゃうんだよ、と現実を見せるようなことを言います。
夏の勢いに任せて愛を誓った主人公との温度差が感じられる部分ですね。
それでも夏の勢いに任せる

「君」が言ったように夏は儚いものですが、そんなことは主人公もわかっており、だからこそ「できるだけ長引かせよう」とするのです。
この夏を思い切り楽しみたい主人公は変わらないスタンスで夏を楽しみます。

「君」は現実的なことを言いますが、現実的なことを考えずに無謀なことをできるのは若いうちだけ。
それをわかっている主人公はこの夏を楽しむことを絶対に曲げません。

無謀なことをやって失敗したとしてもそれは全てこの夏のせい。
むしろ夏にしかそんなことはできません。だからこそこの夏の勢いに任せてどこまででも行こうと主人公は言うのです。

夏に感じる根拠のない無敵感と高揚感。それが正しいことなのかはどんなに人と違った考えを持つ人でも、どんない偉い人でもわかりません。
それを解き明かせるのは今まさに高揚感に駆り立てられている自分たちだけ。ならば思い切りそれに従おうと考える主人公の様子がわかります。

夏の高揚感に突き動かされる主人公。今しかないこの夏を目一杯楽しもうと考える気持ちが強く出ています。
また「いついつまでも取り残されていようよ」というのはこの夏の高揚感を忘れないで生きていこう、という意思表示にも取れますが、「君」に対しての言葉と考えると単純に愛の言葉とも取れます。
どちらにせよこの夏のことを大事にしようという思いが表れていますね。
曲全体を通してゆったりとした曲調でありながら夏に感じる根拠のない高揚感をリアルに表現した曲になっていました。
「季節」がテーマになっている曲として、ストレートに夏の感情が伝わってくる曲ですね。

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さいごに
タイトル「夏のせい」は曲全体を通して何度も出てきました。
わけのわからない高揚感に突き動かされ、現実的に考えて無理なこともなんだかできるような気がしてなんでもやってしまう。
でもそれは全て夏のせいで、今しかできないなら夏のせいにしてやってしまおう!というはっちゃけた感情がよく伝わってくる曲です。
代表曲「前前前世」を始めとしてメッセージ性と音楽性が強いRADWIMPSですが、この「夏のせい」は少し毛色が違い、ただただ高揚感で夏を表現していました。
「季節」がテーマの曲は少ないということでしたので、他の季節の曲にも期待ですね!