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長く短い祭り【椎名林檎】の歌詞を考察!夏と女と恋心と。椎名林檎の哲学観をのぞく!

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『長く短い祭り』は2015年8月に発売された椎名林檎の16枚目のシングル。

「コカ・コーラ」の2015年サマーキャンペーンCMソングで耳にした人も多いのではないでしょうか?

2015年末には紅白歌合戦でも披露され、座ったままのパフォーマンスで見る者を圧巻しました。

そんな『長く短い祭り』は、”夏”と”女盛り”の美しさと儚さを描いた楽曲。

MVは、妖艶な女性が恋慕の末に恋人を殺し踊り狂うという耽美的な映像に仕上がっています。主演ダンサーは篠原さやさんです。

また東京事変のギタリスト、浮雲とのデュエットにも必見!色気たっぷりです。

夏と女の美しさの刹那を歌った『長く短い祭り』は一体どんな歌詞なのでしょうか。考察していきます!

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『長く短い祭り』歌詞考察

永遠と一瞬を重ねた夏

天上天下繋ぐ花火哉
万代と刹那の出会ひ
忘るまじ我らの夏を

”天上天下”とは「天地の間。宇宙のなか」という意味。

真っ暗でどこまでも続いていくような夜空に、大輪の花火が上がる様子が浮かびます。

”万代(とこしえ)と刹那(せつな)の出会ひ”とは、一瞬の中に永遠が宿るような椎名林檎らしい哲学観が感じられます。

主人公がこの夏に経験する、永遠のようで一瞬にして終わる恋心のメタファーにも感じられます。

”忘るまじ”=「忘れない」という歌詞からも、主人公の果て無き熱い恋情が読み取れます。

舞台は「夏祭りの裏側」

場違ひに冷え切つた体を
人熱に放つて流し流され
思へば遠くへ来たものだ

人生なんて飽く気ないね
まして若さはあつちう間
今宵全員が魁、一枚目よ

”場違いに冷え切った体”

この歌詞からは、舞台は夏祭りの「裏側」であることが分かります。

夏祭りの異様な熱さ、人混み、人いきれを逃れて、誰もいない場所へ来てしまった主人公。

決して「楽しい」という喜びの感情は伝わってきません。

自分の恋心が誰にも届かないような深い孤独、途方の無さすら感じられます。

”人生なんて飽く気ないね まして若さはあつちう間”

ここは浮雲のソロパートになりますが、人生があたかも夏のようにすぐに終わってしまう哀しみを単調に歌っています。

”今宵全員が魁 一枚目よ”

「魁」「一枚目」とは「首長」「先を行く者」という意味。花魁の「魁」の字でもあります。

浮世だっている騒がしい人達にではなく、孤独を感じる主人公にこそ投げかけられる言葉。

「孤独な身体の中を渦巻く熱情を発揮せよ」と言わんばかりの歌詞です。

溢れてしまう命の活気

皆銘々取りゞの衣裳
奔放な命を被ふ化粧
隠すまじ我らは夏よ

皆が皆、己の衣装に身を包み、華やかさを演じています。

その衣服から溢れんばかりの命の活気も感じられる、夏の一場面が目に浮かびます。

”隠すまじ”とは「隠せそうにない」「隠すべきではない」と解釈できるでしょうか。

今この瞬間の夏は、一回きりなのだと強調されています。

永遠よりも一瞬を求めるのは

何か知ら落ち込むだ心は
人熱彷徨つて流し流され
思へば遠くへ来たものだ

永遠なんて素気ないね
ほんの仮初めが好いね
愈々宴も酣、本番です

”何かしら落ち込むだ心”とは、夏の華やかさとは裏腹に少し状況が異なります。

この主人公の気持ちはMVを見れば詳しく分かります。

主人公は、恋人にある罪を犯しているのです。

どうしようもないその心を解放するために、遠くへ歩いてきたのでしょう。

”永遠なんて素気ないね ほんの仮初めが好いね”

「仮初め」とは「その場限り」「一時的」のこと。

人間の多くは楽しい時間、恋人との関係、人生そのもの「永遠」を望むものです。

しかしここでは永遠よりも、いつか終わってしまう「仮初め」を求めています。

夏も、人生も、いつか終わってしまう方が、その瞬間を大事にできるからでしょうか。

そこはかとなく別れや死のにおいが漂う歌詞ではないでしょうか?

本能がむき出しになる夏

皆銘々選り取り全方位
獰猛な命燃やす匂ひ
臆すまじ我らは夏よ

2番目のサビです。

夏がやって来た日本の全方位で、その喜びを謳歌している人々の状態が描写されます。

”臆すまじ”とは「臆病になるな」という呼びかけでしょうか。

本能に赴くままの命をどんどん燃やしていく人間臭さが描かれています。

行き場のない女心

一寸女盛りを如何しやう
この侭ぢや行き場がない
花盛り色盛り真盛りまだ

”一寸女盛りを如何しやう”

『長く短い祭り』の中で最も印象的なフレーズです。

皆が夏を本能的に謳歌する一方、孤独なまま自身の行き場のない女心を持て余した主人公。

本当に好きな人に受け入れてもらえなかった悲しみが溢れかえっているのでしょうか?

”花盛り色盛り真盛り”

あふれかえる主人公の「今この瞬間」の美しさが、誰もいない場所で狂喜乱舞しているようにも思います。

夏も花盛りも人生も一瞬だからこそ

丁度大輪の枝垂れ柳
蘇るひと世の走馬灯
逃すまじ我らの夏を

一寸女盛りを如何しやう
この侭ぢやまだ終れない
花盛り色盛り真盛りまだ

「大輪の枝垂れ柳」とは花火の一種のこと。

それが夜空に咲き「美しい」と思った瞬間には花火は既に消えています。

それはまるで、死ぬ前に見る走馬灯のよう。

”人生なんて飽く気ないね”という歌詞通り、花火も夏も女盛りも人生もすべて、あっけなく終わってしまうこの世の常が歌われているように感じます。

だからこそ、その一瞬を逃さないように―。

でもまだまだ終わらないのが人生。女の美しさも一生続くもの。

嫌気が差すほどの夏の暑さと、心に根付く恋の狂気を重ねた描写が、湿っぽく妖艶です。

主人公の最後の結末は、ぜひMVを見て確認してみてください!

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おわりに

椎名林檎の代表曲『長く短い祭り』。

ここまで「女性」について真っ当に歌い上げることができるのは椎名林檎だけでしょう。

夏の暑さが恋しくなる『長く短い祭り』、ぜひ聴いてみてください!

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