Tani Yuukiさんの1stシングル「Myra」(読み:マイラ、2020年5月)の歌詞の意味を考察します。
TikTokのCM「じいちゃんとMyra」篇のCMソングに起用されました。
Tani Yuukiさんが作詞・作曲した「Myra」の歌詞の意味を見ていきましょう。

Myra 歌詞考察!
マイラは誰?
ねぇ 朝目覚めるとね
出典:Myra / 作詞・作曲:Tani Yuuki
横に君がいて 見る長いまつ毛越し 繋ぐ手と手
もう 当たり前だよね
だけどそんな日々 無くさないように 抱き寄せる側に
語り手の「僕」と「君」は、2人で並んで寝るのが「当たり前」の関係です。
ある程度の期間、付き合い続けている仲のいい恋人同士のような雰囲気が漂っています。
しかし「僕」には「2人の日常がなくなるかもしれない」という不安があるのかもしれません。
あるいは独占欲が強く、心配性というかヤキモチを妬きがちな可能性もあります。
もしかしたら2人の恋愛感情には温度差があるのではないでしょうか。
君を形作るものは全て 愛したいと思ったんだ
出典:Myra / 作詞・作曲:Tani Yuuki
君の瞳に映る世界の続きを 見たいと思ったんだ
「誰かを愛すること、誰かに愛されること」は本来ポジティブで美しい行為のはずですが、「相手に関わること全部を愛したい」といった表現から、相手に対する執着の度合いが強い傾向を読み取ることができるかもしれません。
恋人も友だちや家族と同じ人間関係なので、自分自身と同化するように何もかも知り尽くすことはできませんし、過剰な束縛は負担になりやすいもの。
また「恋人同士で同じ景色を見続けたい」とロマンチックに願っていますが、その点を意識しているということは「この先一緒にいられないかもしれない予感」がありそうです。
愛してるよ Myra, Myra
出典:Myra / 作詞・作曲:Tani Yuuki
腕の中で my love, my love
夢の中へ diver, diver
まだ覚めないで
1番のサビ前半です。
曲名にもなっている「Myra」(マイラ)は女性の名前ですが、Tani Yuukiさんにとっては「空想の女の子」とのこと。
「実話なのか、フィクション(作り話)なのか、イメージした人物やエピソードは存在するのか」など、楽曲制作の裏側は明かされていないので「自由に解釈してほしい」という話でしょう。
いずれにしても「マイラ、マイラ(ブ)、ダイバー」と「あ段」の語尾で韻を踏むことが優先されているようです。
その「マイラ」に愛をささやき、「夢から覚めないでほしい」と願っています。
愛してるよ Myra, Myra
出典:Myra / 作詞・作曲:Tani Yuuki
ぼやけて見えないな crier
もう気づいてるんだ you’re liar
もう少しだけこのままで居させて
1番のサビ後半です。
さらに「マイラ、クライヤー、ライアー」と「あ段」の語尾の韻が続きます。
ここで実は「僕」は涙を流していて、「君の嘘に気づいている」ことが明らかになりました。
もしかしたら「君」は浮気したのかもしれませんし、他に好きな人ができたとか、「僕」と別れたいと思っているなどの想像が膨らむのではないでしょうか。
覚めると冷めるの違い
ねえ 独りの夜はね
出典:Myra / 作詞・作曲:Tani Yuuki
心に描いてみる 君との未来には 光る指と指
そう 思いたいけどね
弾きあうように すれ違う2人 すぐ側にいるのに
「僕」は「君」との結婚を「夢」見ていますが、まだ別れていないものの「独りの夜」もある状況のようです。
「君の全てを愛したい」あまりに、「君が隠している浮気に気づいてしまった」という流れかもしれません。
君が紡ぎ出す言葉は全て 信じたいと思ったんだ
出典:Myra / 作詞・作曲:Tani Yuuki
君の瞳に映る世界の続きに 僕はなれるかな
「僕」は「君の嘘を信じたままでいれば、2人の関係は続くかもしれない」と期待しているようです。
しかし「君が嘘をついている」ことを知ってしまった以上、いつかは「君」も「嘘がバレたことに気づく」でしょう。
何より、大事なことで、ついていはいけない「嘘をつく」人間性に疑いをもつべき状況と思われますが、それでも「夢から覚めなくない」のは「僕」のほうではないでしょうか。
愛してるよ Myra, Myra
出典:Myra / 作詞・作曲:Tani Yuuki
腕の中で my love, my love
夢の中へ diver, diver
まだ冷めないで
2番のサビ前半は1番のサビ前半とほとんど同じですが、「覚めないで」の表記が「冷めないで」に変わりました。
「夢から覚めないでほしい」だけでなく、「愛情も冷めないでほしい」と願っています。
すでに手遅れのような気もしますがどうなるでしょうか。
この後、1番のサビ後半が繰り返されます。
救いはある?
幸せだった日々も 重ね合う肌の温もりも
出典:Myra / 作詞・作曲:Tani Yuuki
最初から無かったかのように
全て嘘に変わるのが怖いの
押しつぶされてしまいそう
心変わりされたことを認めてしまうと、2人の「幸せだった日々」が「全て嘘」のように感じられるのが「怖い」という話ですね。
「君が僕のことを愛していたのは本当」だったとしても、すでに過去の感情となり、現在は異なるかもしれません。
もし「君」から別れを切り出されたら、「僕」の感情にも変化が起きるのではないでしょうか。
疲れたよ Myra, Myra
出典:Myra / 作詞・作曲:Tani Yuuki
腕の中で my love, my love
もう届いてないか だよな
僕を残して
これほどまでに「僕は君の嘘に気づいている」のに「まだ君は僕の腕の中にいる」ところが怖いですね。
「マイラ」にしてみたら、本命の彼氏は「僕」のままで、浮気はただの遊びなのでしょうか。
平気で複数の人と同時交際できるタイプだとすると、「愛すべき人」ではないように思われますが、それでも「僕」は「マイラを愛する」のかどうかが心配です。
愛してるよ Myra, Myra
出典:Myra / 作詞・作曲:Tani Yuuki
ぼやけて見えないな crier
本当に君なのか? Myra
もう一度だけ笑って
「君はもう、僕が愛したマイラとは別人になってしまったようだ」と認識し始めたところが救いではないでしょうか。
ラストに1番のサビが繰り返され、結局「マイラ」に「愛」をささやいたままで終わってしまいます。
「全てが嘘になるのが怖い」のもわかりますが、残念ながら「嘘つきの女性を愛してしまった」ことが真実です。
「僕」自身、早く「夢から覚め、不毛な愛に冷める」といいですね。

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さいごに
洋楽の場合、ヒップホップだとリアルな感情の吐露、R&Bだとラブソングになぞらえて他のことを示唆する方法も可能という美学があります。
「Myra」の歌詞は「覚める」と「冷める」も含め、韻などを重視している点はヒップホップ的ですが、「実話かフィクションかなどの裏側はリスナーの想像におまかせ」という点はR&B的といえるかもしれません。
「幸せだった日々を嘘にしたくない」という執着は、もはや人間愛とはかけ離れたものになっているので、そこに気づけるようになるといいですね。