今回は2017年11月22日にリリースされたアルバム「mothers」の6曲目に収録されている「元彼女として」の歌詞考察をしていきます。
「元彼女として」は、ヴォーカル・ギターの椎木知仁さんが作詞作曲を手掛けました。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう!

元彼女として 歌詞考察
拒絶と嫌悪感と憂さ晴らし

登場人物は恋愛に疲弊した女性の主人公と元カレの「あなた」二人です。
「何も信じないわ」とあるので元カレに裏切られ、男性不振になっている様に感じます。
信用できない元カレとの恋愛が随分と酷いものだったのでしょうか。ストレートな感情表現をしていますね。

主人公が元カレに会いたい、と思ってしまうと、どうすることも出来ず、精神的に辛くなってしまうのでしょう。
「にっちもさっちも」という言葉は、広辞苑によると”物事が行き詰って身動きがとれないさま”とあります。
しかし、そんな主人公の状態に対して「病気?」と問われたところで「病院」に行く気などさらさらなく、行くとしたら「美容院」だと言っています。
「ピンク!金!銀!」とカラフルな色を提示して「派手めに」髪の毛をカラーリングしたいと言っています。
更に、つけまつげで「クリンクリンの目尻」にして、「フリル」を身に纏いたい様です。
髪型や髪色を変えてみたり、メークも服装もキメるとちょっとした気分転換になるものです。主人公の様に恋愛に疲れてしまい精神的にもダメージを被っているような状態の時には、尚更気分も少しは晴れるものなのです。
主人公は派手めのオシャレを好み、そういった装いをすることで自らのテンションを高く保っていたい、という心情が伺えますね。

冒頭のフレーズがリピートされ、更にストレートな主人公の心情が描かれています。
パーティーを夜な夜なしていないといられない程の「不満」と「不安」を抱えている状態の主人公は、やはりかなり精神的に疲弊していると言えますね。
また週末は「円盤を回し」たいとありますが、クラブなどでDJをしたいという事です。
毎晩パーティーをし、ウイークエンドにはクラブでDJをすることで憂さを晴らしていないとやっていられない、というかなり精神的ダメージが見受けられる状況の様です。
そして、きっぱりと元カレである「あなた」への心情が描かれています。
元カレにとっての「超都合のいい関係」に対して拒否しています。それは「wi-fi」=いつでも簡単に繋がる、ということで前述の「超都合のいい関係」とイコールであるという解釈ができますね。
そんな元カレが望んでいるであろう関係に対して、「嫌」「wi-fiじゃない」「もう近寄らないで」と嫌悪感と拒絶をストレートにあらわにしています。
主人公の実にきっぱり、さっぱりした性格が伝わってくる部分ですね。
元彼女ゆえの拒絶

ここでも更にストレートに主人公の感情が提示されています。
主人公は元カレから「甘く」みられ「バカに」されていたようです。
随分と見くびられ軽く目られていたのでしょう。恐らく、元カレに対して嫌悪感だけでなく怒りすら覚えているに違いありません。
やはり自分を尊重されないと誰しも嫌な気持ちになり、その様な人とは距離を置きたくなるものです。この様な心情に共感できる方も多いのではないでしょうか。

「darling」(ダーリン)という恋人への甘い呼びかけがリピートされていますが、主人公には元カレに対しての恋心はとうになくなっているはずです。ここでは単に感情などない上辺だけの呼びかけに過ぎないのだと思います。
元カレはそんなストレートに感情をあらわにする主人公に対して悲しんだり、近寄ろうとします。
しかし、主人公は自分はもう元カノであるので断固として、悲しまれることも近寄られることも拒否しているのです。
「あなた」以外の世界や男たち

ここでもまた歌詞冒頭のフレーズがリピートされ、主人公の本音が描かれています。
主人公は半ば自虐的にかなりステータスの高い複数の男性たちと遊んでいる様子です。憂さ晴らしであると同時に元カレへの当てつけなのかもしれません。
そして最後に主人公の本音が垣間見れます。
「疲れた」と連呼していますが、それは恋愛に対してではなく元カレである「あなた」に対してだと吐露しています。
主人公は、恋愛そのものよりも「あなた」に色々と振り回されたり、自尊心を傷つけられたりと、精神的に疲弊させられたというのが本当のところの様ですね。

「万華鏡」は美しい様々な模様がみられる物ですが、この世界を「万華鏡」に例えて「同じ模様は」ないと言っています。
ここでは「あなた」以外にも色々な世界が広がっていると解釈できますし、前述の様々な男性との遊びを踏まえ、「あなた」以外にもいい男は沢山いる、と言っているともいえるでしょう。
兎に角、主人公は元カレから「恋人面」されることが我慢ならないという域まで達している様です。「バカみたいで ありえない」と強烈に拒絶しています。
ここでは元カレの主人公への執着と、主人公が元カレ以外に視点が向いているのがよくわかる部分だと感じます。
裏切りとぬぐえない不信感

ラストは主人公のこれまで語られた本音の全てが統括されて提示されています。
恋愛だけでなく元カレにも疲弊して、不信感がただ残っていて、この先もその不信感はぬぐえなさそうです。
やはり裏切られたことは主人公にとって、かなりのダメージだったのだということが伝わってくるラストです。

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さいごに
本楽曲「元彼女として」は元カノ目線で元カレへの本音をストレートぶつけている内容となっています。
自暴自棄にも見えますが、うじうじと悩むのではなく、あっけらかんと元カレ以外に目を向けている姿が目に浮かび、潔さを感じずにはいられません。
また同時に、主人公の”たくましさ”と”したたかさ”も感じられますね。
女性目線の男女の別れにまつわる物語がまざまざと見えてくるような本楽曲「元彼女として」。
My Hair is Badの今後の楽曲にも是非注目したいですね!