人気シンガー・Adoさんが1月26日にリリースする1stアルバム『狂言』に収録予定の新曲「マザーランド」の歌詞を考察していきたいと思います。
マザーランドは、ボカロP・煮ル果実さんの提供楽曲で、アルバムには他にも、くじらさん提供の「花火」、jon-YAKITORYさん提供の「FREEDOM」という楽曲が収録されています。
アルバムの発売が楽しみですね!

マザーランド 歌詞考察

歌詞の冒頭では、マザーに対して許しを求めています。
マザーは、単に母親という意味ではなく、神様のような神秘的な存在を示しているようです。
そのマザーの大いなる愛でも消せないバツがついてしまった主人公。
必死に助けを求めています。
主人公のバツとはどんなものなのでしょうか?
続きを見ていきましょう。

主人公の心境が歌われています。
この部分の歌詞からわかるように、主人公は誰からも愛されず孤独感を感じているようです。
卑屈に生きてきた自分は「ちゃんと地獄に堕ちましたか」と、半ばやけくそになっている様子も見て取れます。
初めからこの世に期待などせず、人から疎まれ憎まれながら生きていくのだと割り切って生活できていたらどんなに楽だったのだろうと、これまでの人生を悲観していますね。
次の歌詞で、なぜ主人公が人生に絶望してしまったのかが語られています。

人それぞれ違う人生、いろいろな物語がありますが、いつかは同じような場面(飽き)がやってきます。
そんな平凡な人生を送りたくはないと、自分の人生に期待をふくらませる主人公でしたが、その期待が人々の想定を超えると、周りから冷たい目線が注がれます。
出る杭は打たれる、特に日本人が強く持っている同調圧力のようなものでしょうか?
素晴らしい人生にしようと呼びかけておいて、想定外の頑張りや期待を見ると途端に敵視してくるおかしな世の中に反抗している歌詞に感じます。
周りからの見下すような視線に絶えきれず、逃げ出してしまった主人公。
これが、心を閉ざしてしまった理由ですね。

この世は楽園じゃないと、声高らかに叫ぶ主人公。
誰かの顔色を伺い、叩かれないように生きていく窮屈な世の中で生きる主人公は、何処かにある「Motherland」を目指して進み始めます。
劣勢に立たされているマイノリティーに救いの手を差し伸べてくれるマザーを求めてさまよい続けます。

周りの目線や声に惑わされ、今の自分の立ち位置が分からなくなっている様子が読み取れます。
何処にも進めず、立ち往生している主人公の姿が浮かんできますね。
ここで歌われている「あなた」とは、主人公を除け者にした世間の人々を指していると思われます。
自分をはみ出しものとして追い出した奴らを見返してやると、自身の原動力に変えています。
主人公はほんとうの意味での理想郷、天国に行くことは出来るのでしょうか?

この部分の歌詞は、Adoさんの過去曲要素が散りばめられていますね。
社会現象になった代表曲『うっせえわ』。
「哀しい道化師」=『夜のピエロ』、「ロンリー」=『レディメイド』『踊』を指していると思われます。
このことから、この楽曲の主人公はAdoさん自身を指しているのではないかと考えました。
現役高校生シンガーとして『うっせえわ』で瞬く間に有名になったAdoさん。
大人顔負けの歌声やイメージの裏で、一人の女子高校生として悩んでいたのかもしれません。
トントン拍子で進んでいくスター歌手としての人生。
夜汽車に乗って何処にも帰れなくなってしまったのでしょうか。
自分の乗った夜汽車に誰か気持ちを共有できる人が居たならどんなに救われたか。
有名人ならではの悩みと後悔が読み取れます。

逃げ出したくても、仕事を放り出すことは出来ません。
誰かの顔色を伺うだけの機械として、ただ淡々とこなしている様子が読み取れます。
本当の楽園「Motherland」へ帰る道を探す主人公。
自分の歌う歌だけが正しい方向を示す道標です。
どんなことが起ころうとも、歌い続けようという強い決意が読み取れますね。

再び、大いなる存在・マザーに許しを求めます。
「一度付いたら 後戻り出来ず消せないバツ」とは、自分のイメージなどを指しているように感じました。
マイノリティに課せられた試練とも言える罰。
劣勢な立場で戦っているマイノリティに救いの手を差し伸べてほしいと願っています。

劣勢に立たされた主人公ですが、決して諦めることはありません。
「カンテラ」とは、手提げのランプのことを指しています。
自分の命が尽きるその瞬間まで、薄い毛布みたいなボロボロの希望を持ちながら進み続けようという強い思いが伝わってきます。
暗く先の見えないトンネルの出口でカンテラに火を灯すことで、後に続くマイノリティの希望の光となることが出来ます。
どんな状況でも諦めず進み続けるハングリー精神のような想いが伝わってきますね。
「液晶の檻」とは、Adoさんの楽曲で度々取り沙汰されるSNSの世界を指していると思われます。
個人の情報発信が手軽になった反面、顔の見えない気楽さから心無い言葉を浴びせる人もいるネットの世界。
そんな中でも、主人公はついに自分の「Motherland」を見つけたようです。
世間では少数派の劣勢に立たされている者たちにマルを、マジョリティーにバツをつけられる楽園。
ゴールに到達し、カンテラに火を灯した主人公は、後ろに続く劣勢者達に呼びかけます。

誰かの顔色を伺い、自分を殺して生きていく世界なんて楽しくない。
劣勢なマイノリティに救いの手を差し伸べるマザーに自分がなろうと考えたのですね。
アーティストやクリエイター、普通のサラリーマンでさえも、他人の顔色を伺い目立たないように生きている現代社会を風刺し、努力が認められる世界を作っていこうという想いが伝わってきました。

どんな状況でも必死に抗っている劣勢者。
そんな人々に無制限のラブを与える楽園Motherland。
歌が聞こえる方へ進んでいけばいつかたどり着けるかもしれませんね。
Adoさんの想いが反映された素敵な楽曲だと感じました。
ひょっとすると、今後開設されるかもしてないAdoさんのファンクラブ名もMotherlandになるかもしれないですね笑

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さいごに
今回考察する「マザーランド」は、2022年に開催される北京オリンピックを盛り上げるテーマソングとして起用されました。
今回の決定についてAdoさんは「まさかAdoがオリンピックにまで進出するとは思ってもみませんでした。本当にちょっと想像がつかなくて、まだ脳内で処理しきれていないのですが、本当に光栄です」とコメントされています。
ますます活躍の場を広げていくAdoさん。
今後の展開も気になりますね。