SEKAI NO OWARI(セカオワ)の「ムーンライトステーション」はメジャー2nd(通算3rd)アルバム『Tree』の収録曲。
UHA味覚糖・ぷっちょのCMソングにも起用されました。
祭り囃子、汽車の音のリズム、和楽器の音色が印象的な「現代版かぐや姫の歌」にはどのようなメッセージが込められているのでしょうか。
Fukaseさんが作詞・作曲、SEKAI NO OWARIとCHRYSANTHEMUM BRIDGEが編曲した「ムーンライトステーション」の歌詞の意味を考察します。
ムーンライトステーション 歌詞考察!
過去と現在、幻想と現実が混ざっている
サビから始まっています。
「月から迎えが来る」というのは平安時代のおとぎ話「竹取物語」のようですね。
しかし平安時代には東京という名称はなく、カタカナの英語も混ざっているので、時代は現代です。
日本最古のSFとも言われる幻想的な物語になぞらえつつ、現在のリアルな恋愛を語っているのでしょう。
宮沢賢治さんの童話「銀河鉄道の夜」や松本零士さんの漫画・アニメ「銀河鉄道999」も連想できます。
ちなみにアルバム「Tree」には6thシングル「炎と森のカーニバル」も収録されていて、こちらは当時、交際宣言をしていた「きゃりーぱみゅぱみゅさんについての歌」と公言されました。
その点を踏まえると「2人で楽しくデートしていたところ、彼女のマネージャーが迎えに来た」という展開も考えられるかもしれません。
いずれにしても「彼女を迎えに来た電車が出る前に、主人公は何をしようとしているのか?」がポイントです。
「竹取物語」の主人公・かぐや姫は、無理難題を出して5人の男性からのプロポーズを跳ねのけ、帝(天皇)と文通するようになり、「満月の8月15日、月に帰らなければいけない」と泣きます。
ところが「ムーンライトステーション」のかぐや姫が涙をこぼしているのは、「帰る場所がない」という理由です。
「本当は月の人なのに、月に戻ることができなくなってしまった」という意味でしょうか。
「自分らしく過ごせる居場所がない」とか「地元には帰れない」、「昔の自分には戻れない」という話かもしれません。
あるいは主人公とデートしている場所こそホーム。
まるで家で過ごすようにくつろげる時間であり、「あなた(と一緒にいるここ)以外に帰る場所はない」とスネているとも考えられるでしょう。
この後、冒頭のサビが繰り返されます。
発車前に言いたかったのは感謝の言葉
結局「居場所がない」と彼女から相談を受けたわけではなく、「帰りたくない」と泣かれたという主人公のノロケでした。
幻想的な古典を引き合いに出し、ファンタジックな雰囲気に包まれていますが、東京と横浜に続いて上野まで登場しているところは何とも生々しいですね。
当時の彼女との交際を公表した時点で、2年付き合っていたというFukaseさん自身のコメントとも合致しています。
ただ有名人同士のカップルだと気軽に街を出歩けないはずです。
それにもかかわらずデートを重ねるほど一緒にいたかったのでしょう。
困難を乗り越えて会うからこそ、何気ない場所が幻想的に感じられるのかもしれません。
忙しい合間を縫って会う時間も貴重ですね。
2番のサビでは、冒頭と1番のサビで仕かけられた「電車が出る前に、何をしようとしているのか?」という謎の答えが少し明かされています。
主人公は彼女に対して何か言うべきことがある状況でした。
その「何か」はこれまで忘れていたけれど、必ず伝えなければいけないこと。
月から使者がやってきて、彼女が月に戻ることになり、ようやく思い出したと考えられます。
もしかしたら「デートの最後にマネージャーが迎えに来る」という単純な話ではなく、「仕事の都合上、別れなければいけない」という複雑な話が描かれているのかもしれません。
真相はわかりませんが、2年の交際の最後に言い忘れたことがあるとすれば、その言葉は何なのでしょうか。
最後に言うべきだったのに、結局、伝えることができなかったのは「ありがとう」という感謝の言葉でした。
主人公にとって彼女はまるで月の人みたいに感じるほど、住む世界が違ったのかもしれません。
有名な観光地を巡るようなデートも、はるばる月からやってきたと考えると、壮大な宇宙旅行のようなものです。
ファンタジックなノロケのように見せかけて、実は別れた後に感謝の言葉を伝え忘れたことを思い出して歌にしたという展開だとしたら、切なく聴こえるのではないでしょうか。
最後に冒頭と1番のサビが繰り返されます。
時空を超えたラブソングになっているので、リスナー自身の恋愛に置き換えることもできるでしょう。
後から後悔しないように、身近な大切な人には常日頃から「ありがとう」と言うようにしたいものですね。
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さいごに
SEKAI NO OWARIのグローバルプロジェクトEnd of the Worldで共演歴がある、アメリカのDJ&プロデューサーのポーター・ロビンソンも「ムーンライトステーション」がお気に入り。
まさに時空を超えて受け入れられている楽曲ですね。