今回は人気バンド・Official髭男dismの新曲「ミックスナッツ」の歌詞を考察していきたいと思います。
「ミックスナッツ」は、4月9日から放送が開始されるアニメ『SPY×FAMILY』のオープニング主題歌として書き下ろされた楽曲です。
なお、エンディング主題歌は星野源さんが担当されています。
アニメの内容、楽曲コメントと共に見ていきましょう!
アニメ『SPY×FAMILY』
少年ジャンプ+で連載中の漫画作品。
閲覧数やコメント数、発行部数における最高記録を塗り替えた、ジャンプ+初の大ヒット作です。
舞台は東西で国が分かれたヨーロッパ風のとある地域。西国の凄腕スパイとして暗躍する〈黄昏〉に課された任務は、危険人物ドノバン・デズモンドの動向を探ること。
慎重なデズモンドが唯一現れるのは、息子のダミアンが通う名門・イーデン校での懇親会のみ。
格式高いイーデン校に潜入するため、〈黄昏〉は養子縁組と偽装結婚で偽りの家族を手に入れる。
しかし、妻・ヨルの正体はプロの殺し屋、娘・アーニャは心が読めるエスパー。
それぞれの正体は秘密のまま、「家族としての普通の日常」を送るために日々のトラブルと奮闘するホームコメディ。
アニメの放送が楽しみですね!
楽曲コメント
Official髭男dismのコメントをご紹介します。
アーニャがピーナッツが好きと言う話が、子どもながらに渋くて良いなと思ったことがあって。
普段自分もよく口にしているミックスナッツの中にピーナッツが入っているなと不意に思い調べてみたら、見た目は似ていても木から生えるナッツと地面の下で育つピーナッツとで、ピーナッツだけは見た目は似ていても本当は違う種類だと分類されていたんです。
それが今回の作品のテーマである、正体を隠しながら偽物の家族を演じ、本当の家族の様に何かに立ち向かって行く面白さがあるというところ、そして本物かどうかよりも自分のもとに訪れる幸せや喜びがあればそれだけで良いのではと言うことを感じ、作品に想いを馳せながら制作しました。
「見た目は似ていても本当は違う種類」物語のストーリーともマッチした特徴ですね。
ピーナッツからそのテーマを見つけられる藤原さんのセンスにも驚愕です!
ミックスナッツ 歌詞考察
楽曲コメントでもあるように、この楽曲では、同じミックスナッツの袋に入っていながら、実はナッツとは別の種類のピーナッツがメインに描かれています。
冒頭の歌詞では、幸せそうな世間一般の人々をナッツに、仮初の姿で潜り込んだ主人公たちをピーナッツに喩えていますね。
異分子であるピーナッツは、木の実の世界になんとか紛れようと、必死になって愛想笑いをしています。
また、ナッツという単語のスラング表現には「頭のおかしい」「狂っている」という意味があります。
何も考えず、日々をただ惰性で過ごしているだけの人々を皮肉っているようにも聴こえました。
予め作られている型であるテンプレートに則って幸せを演じる主人公たち。
うわべだけの会話などと使われる「うわべ」ですが、表面上、外見といった意味があります。
この部分も「うわべの裏」=本心を見せない主人公たちの姿を描いていますね。
みんなで揃って食事をするときでさえ、本当の姿は見せず、ただ「木の実のフリ」をして過ごす主人公。
アニメのメインキャラクターである3人が思い起こされますね。
互いに本音を出さず、隠し事をしながら過ごしている主人公たち。
「噛み砕いてもなくならない 本音が歯に挟まったまま」という歌詞にもナッツの要素が含まれています。
ナッツが歯に挟まるように本音が挟まってしまい、口にできない主人公は、不安を抱えながらも、ウソを付き続けて成り行きに任せます。
この歌詞のラスト2行で歌われているのは、アニメのメインキャラクターであるロイド・フォージャーの想いなのではないでしょうか?
互いに真実を隠しながら生活している「仮初めまみれの日常だけど ここに僕がいて 貴方がいる」
貴方とは、仮の妻役ヨルと娘役のアーニャを指していますね。
日常はウソにまみれていたとしても、僕がいて貴方がいるという現実がある。
「胃がもたれていく」という表現は、一見するとマイナスなイメージを受けますが、仮初の幸せでもミックスナッツを食べた後のようにお腹がいっぱいになるという意味に捉えることも出来ます。
また、そんなかけがえのない二人に出逢えたという真実を想うだけで、胃がもたれたときのように胸がいっぱいになるというふうにも解釈できますね。
味や形は、似ているけれど、その正体がバレると、一瞬で弾かれてしまうピーナッツ。
冷戦中に敵国に潜入しているロイドの姿が重なりますね。
同じピーナッツとして、自分で良ければ側に居させて欲しい。
自分が貴方を守る硬い殻になるからと、告白のような歌詞にもとれます。
ちなみに、ピーナッツと落花生は植物としては同じものですが、殻付きのものを落花生、殻のないものをピーナッツと呼んでいます。
殻付きと殻無しで呼び方が変わる部分も、コロコロと名前を変えるスパイの特性にあっていますね。
ナッツとピーナッツの違いについて歌われています。
アーモンドやくるみ、カシューナッツと見た目はそこまで変わらないのに、木になる実か、地面の下でなる実かの違いで分けられるピーナッツ。
些細な違いで、仲間はずれにされてしまうピーナッツを案じている様子が浮かびます。
物語の中で、冷戦状態にある東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)も、住んでいる場所が違うだけで、住んでいる人に大した違いはありません。
殺伐としたドライな世界の境界線を溶かすような雨が大地を湿らせてほしいという主人公の願いが歌われているように感じました。
この部分の歌詞は、ロイドの任務を達成するためにエリート校・イーデンカレッジに入学したアーニャが描かれているように感じました。
学校の窓の外から見える、時に冷たくて騒がしい日常。
「星の一つも見つからない 雷に満ちた日があってもいい」という歌詞には、イーデンカレッジの評価制度、星(ステラ)と雷(トニト)が含まれていますね。
雷(トニト)が8つ溜まってしまうと即時退学になるので、ヒヤヒヤさせられますが、ミスしながらもアドリブや機転で困難を乗り越えるアーニャの姿が浮かんできます。
アーニャの学校でのミッションもスパイファミリーの見どころの一つですよね。
ミスして雷(トニト)をつけられてしまったとしても、「所詮ひとかけの日常」
ナッツのようにお腹に流し込んで寝てしまおうと歌っています。
ラストのサビでは、ピーナッツの希望が歌われています。
隠し事だらけの仮初の生活でも、精一杯生きている主人公たち。
「とっておきも出来合いも 残さずに全部食らいながら」=特別な日も、そうでない日も、等しく大切に想いながら、正解などない日々を生きていく。
ミックスナッツの袋に手を入れ、ピーナッツが揃って取れたような奇跡を噛み締めながら仮初の日々を過ごしていこうという想いが伝わってきました。
アニメのストーリーをミックスナッツに喩えて表現した素敵な楽曲でしたね。
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さいごに
いかがでしたか?
色んなナッツが生活している世界に、紛れ込んでしまったピーナッツに焦点を当て、仮初の日々の幸せを描いた素敵な楽曲でした。
アニメの放送が楽しみです!