「ミラーチューン」は、ずっと真夜中でいいのに。(ずとまよ)の14thシングル(2022年4月)。
ACAねさんが作詞・作曲した「ミラーチューン」の歌詞の意味を考察します。
ミラーチューン 歌詞考察!
ミラーチューンに込められた意味
冒頭の掛け声にもなっているタイトルの「ミラーチューン」は、1回聴いただけで瞬殺されるくらい耳に残る曲(アゲ曲)という意味の「キラーチューン」をもじったもので、言葉遊び混じりのキャッチーな曲であることが想像できます。
3rdミニアルバム「朗らかな皮膚とて不服」(2020年8月)に収録されている、「ハッピーな永遠歌」こと「MILABO」の「ミラーボール怖がって~」という歌詞にも通じるところがありそうです。
おそらくステージに立つにあたっての決意表明的な「MILABO」に続く、ライブで盛り上がる曲という位置づけでしょう。
語り手の「僕」は「葛藤」を繰り返しながら戦うなかで、「信じていたいもの」があるとのこと。
それは何なのか、どのような状況なのか、続きを見ていきましょう。
たくさんの「問題」がありながらも、「信じていたいもの」は「ミラーチューン」という文脈になっています。
ここで明かされているのは、「キラー」ではなく「ミラー」となっている理由です。
どちらも「キャッチーなアゲ曲」であることは変わりませんが、「瞬殺されるような=キラー」ではなく「光り続けている=ミラー」という意味でしょう。
疲れて帰宅後すぐに寝てしまうときでも、コロナ禍で夜遊びできない日々が続いていても、「光り続けるミラーチューンを信じたい」と宣言しています。
暗いご時世だからこそ、光り輝くアッパーチューンが必要だと考えていることが伝わってきます。
1番のサビです。
「僕」ことACAねさんは「MILABO」で「ミラーボールを怖がっている」くらいなので、ダンスミュージックがかかるクラブのような華やかさは基本的に苦手なはず。
それでも「ミラー」を持ち出した真意は、「リスナー(君)がいなければ始まらない」という部分にあるでしょう。
ACAねさん(僕)とリスナー(君)は「映し鏡」のような存在で、「楽曲を聴いてくれる人がいなければ成立しない、光り輝くことはできない」と解釈できます。
アッパーチューンだからといって、「僕ひとりでも輝く」と息巻くのではなく、「重々謙遜したい」心境が盛り込まれているところが「葛藤」を繰り返している証です。
変身モード全開!
1番の「戦ってくもの」や「信じていたいもの」が2番では「費やしてたいもの」や「かぎりがあるもの」に変わったほか、「主導権、情緒、条件、情景」や「ディスケット、モット」などで韻を踏んでいるところに「キラーチューン→ミラーチューン」的な言葉遊びが見受けられます。
リスナーと「明るい関係」を築くために、ACAねさんが「主導権」を握りつつ「変身」する様子が具現化されていることがわかるでしょう。
「ディスケット」とは、フロッピーディスクを開発したIBMの登録商標です。
音楽などの記録媒体はざっくりと「カセットテープ→フロッピー(FD)→CD→MD→USB」と移り変わってきたので、「昔から聴き続けている憧れの音楽を超えて、さらに胸が高鳴るミラーチューンを共有したい」という意図が伝わってきます。
さらに「ミラーチューン」が「スペースチューン」へと進化しました。
「葛藤」を繰り返すというACAねさんらしさをゼロにすることはなく、「信じながら、疑う」という「矛盾」したモードも忘れません。
「まるで鏡みたいなリスナーが僕の音楽を好んで聴いてくれるなら、宇宙サイズに広がるほどスペイシーなナンバーになるはず」と信じながら疑っているイメージです。
この後、1番のサビが繰り返されます。
実はカラ元気?
「ずとまよの明るい曲」というだけでも「信じながら、疑う」的な「矛盾」をはらんでいるように感じますが、さらに宇宙まで飛び出すとさすがにACAねさんとリスナーの関係性(僕と君の絆)では「未開拓な世界」になるでしょう。
「カラ元気」だと釈明してくれて安心した人も多いのではないでしょうか。
サビは「1番&2番→3番」で「笑っとく→GACHIフォー・ユー」「煮詰まった→あっちゅう間だ」「重々謙遜したい→準々決勝したい」「止まらないよ→染まらないよ」と変わりました。
こうした言葉遊び満載の「カラ元気」を出してまで、ACAねさんが「キラーチューン→ミラーチューン→スペースチューン(やや却下気味)」を披露できるのは、やはり鏡のようお互いに光り輝き合うリスナー(君)がいるからでしょう。
「君のために歌う」のは心の底から本気のようですね。
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さいごに
2020年の春以降、新型コロナのパンデミックによりあたりまえの日常を取り戻せない状況が続いていて、音楽が拠り所になっている人も多いでしょう。
全世界的に暗いモードがただよっているときは、せめて音楽を聴いて明るい気分になりたいものです。
「ミラーチューン」はそんなリスナーのための楽曲といえるでしょう。