ずっと真夜中でいいのに。は作詞・作曲・ボーカルのACAね以外は謎の音楽ユニット。
3rd EPの”朗らかな皮膚として不服”の最後を飾るディスコティックな歌。
ACAねの等身大のメッセージがこもっているというこの歌の歌詞を徹底解釈します。

MILABO 歌詞考察
後ろめたい気持ちと曖昧な関係

軽快なディスコ調の曲で歌われるこの歌。”バレたくはないから歌わないけど想ってないとかじゃない”という歌詞からは、本心は歌っていないという主人公の言葉が掴み取れます。だから本当は何かを想っている。でもその本当のことは歌にはしていないのです。
“いつもおわかればかり考える人生”というのはなんでしょうか?
ひょっとするとネガティブなことばかり歌ってきたことを自分で皮肉にしているのかもしれません。

相手とはそれなりに長い付き合いなのかもしれません。
でも会えばきっと時間が足りない。相手との会話まで歌詞にして覚えるのかもしれません。これまでは親密な相手ができると逃げてきた彼女。
でもいつもみたいに逃げることをすることに疲れているのかもしれません。

あいてとは肉体的な関係なのかもしれません。
何度もあなたに触れています。でもだいたいいつも頓知で本心を隠しています。
それはそのままACAねの本心を歌わない姿勢をあらわしているのかもしれません。
音楽がいざなう世界はどこ?

曲や歌詞は感情が揺れるところから生まれるのかもしれません。
だから歌を作ることは、仕事に揺れることです。
そして軽快なリズム(=音楽)がなければ、歌詞は意味をもちません。
ここで歌われるミラーボールとはディスコにあるもの。
クラブなどの華やかな世界の象徴かもしれません。
でもそういう華やかな世界を怖がって、アコースティック・ギターで生身の歌を歌ったら、まだ恥ずかしくても踊れるのです。
ミラーボールの世界が象徴するのは、エレクトリックで意味のない歌詞の世界。
でも彼女はまだ自分の心と地続きのアコースティックギターで感情を歌にしているのでしょう。
そしてそういう自分の生身を歌うことを浅はかだと思っています。
そして自分の先行きや変化をみてほしいと歌っています。

本心を伝えることが恥ずかしいのではなく、これまでJ-POPで歌われてきたようなハッピーな恋愛が続く歌を歌いたいけれど、そういう歌はどこか嘘くさくて恥ずかしいと思っています。
だからストレートなラブソングは歌えません。どこかでそういう歌を否定的に捉えている。でもそういう歌への憧れがあるのかもしれませんね。

だからこれまで歌ってきた歌を歌い終えても、最後にはあなたに振り向いて欲しいという純粋なラブソングや、そういう思いが自分の中にあることはわかっています。そしてそういう歌が自分の最後の歌なのかもしれないと思っています。
でも、そういうストレートな思いを歌えるようになるのは陽のあたる世界。夜は長くてそういう真夜中の世界で、生きることに必死なのかもしれません。
本音を歌いたい

もっとストレートな気持ちを歌いたい。誰かの気持ちをノせるようなディスコティックな歌ではなく、ラブソングを。
でもそういう本心からの歌を歌うことは怖いのかもしれません。
でもそういう自分の歌を歌う人生を、愛を手にいれる歌を誰かに見届けて欲しい。そういう作者の気持ちがみえます。

ずっと真夜中でいいのに。の歌はACAねの本心の歌なのかもしれません。
これまで真夜中に誰かを思う現代的な歌を歌ってきた彼女。
でもその歌はこの現代についての多くの人の歌でもあり、自分のパーソナルな歌は歌ってこなかったのかもしれませんね。でも彼女は少しずつ、等身大の自分の歌を歌おうとしているのかもしれません。
でも本当の自分を知られることは怖いことです。
そしてそれは誰もがそうです。
だから嫌われたくない。そういう気持ちが歌われています。
インターネット時代の歌
誰もがインターネットが発達することでどうみられているかを気にする時代です。
そして人に好かれる行動をとり、自分の本心を隠しています。
誰かに愛されたいという思いは普遍的なものですが、その気持ちもSNSなどの文化の中でストレートではなく、入り組んでねじ曲がったものになっているのかもしれません。
そういう現代的な歌を歌ってきた【ずっと真夜中でいいのに。】のACAね。
彼女の歌は、パズルのように入り組んでいて読み解くことが難しい歌詞世界が特徴的です。
でもこのMILABOは踊る時のBGMであるクラブミュージックのミラーボールの未完成型。
ミラーボールの下でかかる人々を踊らせる歌ではなく、アコースティックギターで歌われる歌のような自分の気持ちがどこかに残っている歌です。
だからダンス・ミュージックとして完全なミラーボールではなく、MILABOというタイトルなのかもしれませんね。

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さいごに
【ずっと真夜中でいいのに。】は真夜中に誰かをおもう気持ちを歌ってきました。
それは時に歪んでいたり、入り組んでいたりする気持ちです。
でもそういう気持ちから一歩抜け出して、作者の本当の気持ちが見え隠れする。
MILABOはそういう歌かもしれませんね。