迷える羊【米津玄師】歌詞の意味を考察!人生を舞台と捉えた歌詞の内容は?

今回は、米津玄師さんのアルバムSTRAY SHEEPに収録されている「迷える羊」の歌詞の意味について考察していきます。

米津さん本人が出演し、話題になったカロリーメイトのCM曲としても有名なこの曲。

「変わっていく世界と人間にとって変わらない大切なもの」というCMのコンセプトに共感した米津さんは、新型のウイルスで大きく変わっていった世界で、遠い未来に思いを馳せて、そこに住む人達の視点で思い返すように、この楽曲を作ったそうです。

米津玄師さんのコメント

遠く離れた未来のことをよく想像する。

僕たちに対して“あの頃の人々は不便な暮らしをしていた”とか、もしくは“ナチュラルな感覚の元に美しく生きていた”とか、とにかく好き勝手言ってくれるような未来。

自分の存在なんて跡形も残っていない場所で生きる人と話がしてみたい。

そこはどうだと問いかけてみたい。

「迷える羊」歌詞考察!

人生を舞台のように捉え、表現した「迷える羊」。

比喩的な表現が多い歌詞を考察していきます。

人生は舞台 救いのない日常を生きる主人公の心情は?

ねえ 生まれてきた日を 思い出せるかい
シナリオの 最初の台詞を
舞台は巡り 演劇は続く
楽屋には サンタマリアがいない

人生=舞台・自分=出演する役者として表現したこの楽曲。

有名な劇作家・シェイクスピアの喜劇に次のような台詞があります。

「全世界が一つの舞台、そこでは男女を問わぬ、人間はすべて役者に過ぎない、それぞれ出があり、引込みあり、しかも一人一人が生涯に色々な役を演じ分けるのだ」

人間は誕生したと同時に人生という名の舞台に上がり、役者として自分の役割を果たし、死ぬことによって、舞台を降りる、人生を一つの舞台と捉えたこのセリフは、「迷える羊」と深い関係があるのではないでしょうか? 

「サンタマリア」は米津さんのメジャー1stシングルのタイトルでもあります。

イエス・キリストの母「聖母マリア」への尊敬を込めた呼び名で、救いや導きを表した言葉と置き換えて見ていくとわかりやすいと思います。

どんどん物語が進んでいく舞台の裏で、楽屋には「サンタマリア=救い・導き」がいない。

今の世界には、導いてくれる人、救い・希望がないと嘆いているのではないでしょうか?

最初で最後の歌を 上手く歌えないのに
監督たちは 沈黙を守る
脚本の終わりは 書きあがっていない
祈る様に 僕は口を開いた

ここでの「歌」は、人生を構築する1日1日のことを指していると推測しました。

同じ日は二度と無い人生、まさに、最初で最後の毎日を送っているのではないでしょうか?

「上手く歌えない=人生を思い通りに過ごせていない」にもかかわらず、人生という舞台の監督は」誰も助言をくれない。

頼る人もおらず、脚本も用意されていない、どうして良いかわからない人生の中で、主人公は声を上げます。

千年後の未来へ向けたメッセージ

「千年後の未来には 僕らは生きていない
友達よいつの日も 愛してるよ きっと」
誰かが待っている 僕らの物語を

「迷える羊」という舞台の主人公のセリフ。

現在生きている人類が誰一人として生き残っていない千年後の未来では、科学技術は今以上に進化し、想像できないような生活をしているかもしれません。

しかし、人間としての本質的なものは大きく変わらないでしょう。

米津さんはこのこの楽曲についてのインタビューで次のように答えています。

もし1000年後にタイムスリップすることができて、そこに暮らしている人と話ができたとしたら、文化の違いは感じるだろうけれども、最終的には友達になれると思うんですよね。

そういうやつらのために今自分たちは何をしていくのかということもアルバムを作る中で考えました。

自分の舞台を待っている千年後の未来の友達に向けて「愛してるよ」というメッセージを贈ります。

前触れ無く壊れていく日常

背骨をなくした 大きな機械が
美しく 都市を跨いでいく
屋台は崩れ 照明が落ちる
観客は 白い眼

背骨は人体を支える重要な骨です。

その背骨(重要な部分)をなくして制御不能になった機械が、世界を壊していく姿が描かれています。

この機械、現在世界中で混乱を引き起こしているウイルスのような強大な力を表しているのではないでしょうか?

世界が壊れ、舞台が簡単に崩れ去っていく様子を表現した歌詞だと推測しました。

列なす様に 演劇は続く
今も新たに 羊は迷う
堪うる限りに 歌を歌おう
フィルムは回り続けている

たとえ舞台が壊れたとしても、またどこかで新しい舞台が始まる、連綿と受け継がれ続いていく舞台で、真実を見失い迷える羊になってしまう人間達。

救いようのないループが続く人生でも、次の世代にバトンを渡すことを繰り返せば、千年後の未来にも繋ぐことができる。

だから、毎日を精一杯生きようというメッセージが込められているように感じました。

いつか誰かを救うまで

「君の持つ寂しさが 遥かな時を超え
誰かを救うその日を 待っているよ ずっと」

寂しさや悲しさという感情を持つことで、相手に寄り添うことが出来ます。

無慈悲に壊された舞台にどうすることも出来ない今を生きる人々の寂しさ・悲しみが、千年後の未来に生きる人々に救いをもたらすかもしれません。

そんな千年後の未来を想像して演じる舞台もいいのかもしれませんね。

さいごに

いかがでしたか?

今回は、米津玄師さんの「迷える羊」についての考察をご紹介しました。

「未来のことをよく想像する」と語る米津玄師さんならではの、未来から思い返した歌詞でしたね。

千年後の未来でも、変わらないであろう人間の本質。

未来の人にバトンをつなげる、今を生きる自分はどうあるべきなのか。

自分の人生について考えさせてくれる楽曲でした。

米津玄師さんの他の楽曲も考察しているのでぜひご覧ください!