今、若者を中心に人気急上昇中の4人組バンド・オレンジスパイニクラブ。
今回は、2020年4月にリリースしたmini album『非日常』に収録されている『またあとで』の歌詞を考察していきます!
『またあとで』歌詞考察
溶けていく孤独感
冒頭は少し忘れっぽい彼女を表現した言葉から始まります。
主人公が「美容院に行く」と言ったにもかかわらず、それを忘れて新しい前髪を「変なの」などと言ってしまうようなシーンが想像されます。
そんな何気ないやり取りが日々重なることによって、主人公は以前から抱いていた「孤独感」を忘れることができています。
主人公と彼女のなんでもない些細な日常の出来事が、主人公の心を満たしていきます。
本当はすごく好きなのに
”恨まれない程度の愛”とはどんな愛でしょうか?
おそらく主人公は彼女のことを死ぬほど好きなのでしょう。
しかしそんなことを言ってしまえば、ストーカーっぽくなってしまったり、彼女に依存してしまったり…。きっと彼女に嫌われてしまうのだと主人公は予感します。
嫌われない程度に黙っている主人公は、愛を伝えようとすればするほど空回り。
”白いカーテン”がさわやかな風によって揺れるように、 主人公の不器用な恋心がゆらゆらと揺れています。
愛おしい分だけ寂しい
自分の不器用さに嫌気が差しながらも、主人公は彼女に”そっと笑ってよ”と願います。
それは主人公から彼女への、一途で真っ直ぐな愛情でしょう。
今日あった出来事、嬉しかったこと、むかついたこと…。”単純なこと”と表されるどうでもいいような些細なことを分かち合える、彼女との十分に近い距離感を愛おしく感じる主人公。
しかし愛おしさがある分だけ、さらには、分かってくれる人がいるという事実を身に染みて知るたび、人間はひとりになった時に寂しさを感じるものではないでしょうか。
幸せな孤独感を抱きしめている主人公です。
主人公の時間軸
”感傷的な彼女”という言葉から想像できるのは、すぐ切なくなったり泣いてしまう心の脆さ。
しかしそんな心の持ち主の彼女が珍しくはしゃぐたび、主人公は嬉しくなって一緒にいる時間が早く流れているのを実感します。
感傷的な彼女への接し方に困る主人公が浮かびます。きっと笑っている彼女が一番かわいいのでしょう。
好きな人といる時は「いつまでも一緒にいたい」と思うもの。
主人公は彼女との時間をめいいっぱい味わって、幸せを噛みしめているようです。
彼女への本心
主人公の想いが炸裂する歌詞。
”季節を満たしてよ”というのは、巡る四季すべてを彼女と過ごしていたいという気持ちの表れだと思います。
感傷的な彼女へ”見たくないものは見なくたっていいよ”と言う主人公の愛情。
さらには”ひとりはやだ”という、ちょっぴり女々しいメッセージ。
主人公にとって、彼女への愛おしさは寂しさと隣り合わせなのです。
でも不器用な主人公は彼女に思いの丈を告げることなく、その思いだけを自分の中で爆発させます。
愛情に伴う寂しさ
ラストにも主人公は彼女への想いを爆発させます。
”惨めで不安定だって愛していたいよ”という等身大のメッセージが心を満たしていきます。
でも、愛情が深いだけそれを伝えられなかったり、ひとりになったときの孤独感は強烈です。
「愛おしい」だけではなく、それに伴う寂しさをも優しく描くのはオレンジスパイニクラブの特徴。
一筋縄ではいかない彼女への宙ぶらりんな恋心が、リスナーを寂しくさせます。
1ヶ月無料で音楽聴き放題!
通常880円/月のAmazonMusicUnlimitedが今なら1ヶ月で体験可能!
この機会に聴き放題サービスをお試ししてみよう!
いつでも解約OK!
おわりに
いかがでしたか?
恋愛に伴うセンチメタルな気持ちが細やかに描かれている『またあとで』。
タイトルの『またあとで』も主人公のどこか寂し気な気持ちが隠されているように感じます。
恋愛の不器用さに困っている人にぜひ聴いてほしい一曲です!