2015年5月20日に発売されたインディーズでの1stアルバム「tamago」に収録されている「〇〇ちゃん」について考察していきます!
この楽曲についてあいみょんさんは以下のようにコメントしています。
『これは1年位前に書いた曲なんです。その頃、いろんな人に曲を書いてって言われていたんですけど、他のみんなは大したことないから書かへんって断ってたんです(笑)。でもこの親友は、面白い人生を歩んでたので。』
あいみょんさんの本当の親友をテーマに書いた曲なんですね。
親友の生い立ちや環境、増してや本来はあまり人に言えないような話まで歌詞に出てきます。
ある意味、とても個人的な話ではあるんですが、親友のユニークな生い立ち、人柄の良さ、そしてあいみょんさんの作詞能力も相まって、たくさんの人から共感される人気曲の一つになりました。
一体親友のどういった部分が共感できるのでしょうか?
では、歌詞の考察を始めていきましょう!
〇〇ちゃん 歌詞考察
後悔も失敗も本当の愛を探すため
私のこれまでの恋は この強がりな性格が邪魔をして
出典:〇〇ちゃん / 作詞・作曲:あいみょん
自分も傷つきさよならする そしてまたハズレを引く
「私」の過去の恋愛の失敗談です。
「強がりな性格」というのが「私」の個性の一つでもあり、この後のエピソードのきっかけにもなっており、彼女の人間味らしい良さでもあります。
「自分も傷つきさよならする」から分かるのは、一見相手だけが傷ついているように見えるような強い物言い、またはケンカをしたのではないかということです。
しかし、実際は自分で言ってしまったこと、やってしまったことに対して自分自身傷ついてしまうような繊細な性格な持ち主のようです。
お酒は大好きで悪酔いも少々 好きでもない男と寝たこともある
出典:〇〇ちゃん / 作詞・作曲:あいみょん
早くに覚えすぎたタバコも 何度もやめようとは思ってる もてないし
「私」の強がりな性格からやってしまった過去の小さな悪行の話です。
この曲を書いたのは発売日の一年前とのことですから、恐らく「私」は未成年だったと思われます。
それにも関わらず、
「お酒は大好きで悪酔いも少々 好きでもない男と寝たこともある」と書かれています。
更に過去を振り返るような書き方ですから、強い性格故にだいぶと悪さも働いていたようです。
しかし、「早くに覚えすぎたタバコも 何度もやめようとは思ってる もてないし」と、今までの悪行に対して、年齢相応のかわいすぎる理由でやめたいと思っていることが分かります。
行動だけ見ると年齢不相応ですが、内面はあくまで一人の女の子。
そのギャップから「私」の不器用さ、人間味が伝わってきます。
こんな私もおとなになったそろそろ本当の愛を知りたいわ
出典:〇〇ちゃん / 作詞・作曲:あいみょん
ここまでの一連の話は本当の愛を知るための旅の話だった、ともとれる一文ですね。
高校生前後は大人というには早すぎますが、子供という括りの中では大きすぎる存在ではないでしょうか。
精神的な成長、求められ始める社会的な立場、様々な要因の中で彼女は愛について見つめ直し始めたようです。
私のどこがダメですか? 可愛くなる努力は医者に頼っちゃったけど
出典:〇〇ちゃん / 作詞・作曲:あいみょん
将来の夢はお嫁さん 誰か叶えてね
「可愛くなる努力は医者に頼っちゃったけど」
日本ではタブーな風潮もある整形をカミングアウトするという衝撃的なフレーズです。
後に来る「将来の夢はお嫁さん 誰か叶えてね」というあどけなさを感じさせる一文とはあまりにかけ離れているように感じます。
これこそが「私」の性格なんだと思いました。
「私」のやっている行動だけで判断すると、かなり激しいことも平然とやってのけているので、内面も荒れているのではないかと推察される。
しかし、実際は将来はお嫁さんになりたいという女の子なら誰もが一度は抱くであろう純粋な夢や気持ちを持ち続けるピュアな心の持ち主。
外側から見た「私」と内側から見た「私」の差こそ、あいみょんさんが描きたかったものではないでしょうか。
理想と現実の中で揺れながらも成長する「私」
妄想で出来あがる彼氏は きっとこの世にいたら気持ち悪いだろう
出典:〇〇ちゃん / 作詞・作曲:あいみょん
理想の高さは人一倍 夢見がちなのはわかってる
「妄想で出来あがる彼氏は きっとこの世にいたら気持ち悪いだろう」
これは面白い考え方ですね。
理想の彼氏像は完璧で非の打ちどころがないはずですが、何もかも完璧な人間なんてこの世にいません。
だからこそ、本当にそんな人がいたらもはや人間ではないような気持ち悪さがある、という意味だと思います。
人間らしさに溢れた「私」とは対照的です。
とは言え、それでも理想ばかりに囚われ続ける人が多い中、現実的ではないことも分かっている冷静さも持ち合わせているなぁとも感じますね。
口癖はいいことないかな 幸せのレベルはもう下げた
出典:〇〇ちゃん / 作詞・作曲:あいみょん
今なら育ちすぎたこの胸で 誰かに愛を植え付けれるのに
「口癖はいいことないかな」
ここだけ見ると他力本願な印象も受けますが、愛は一人では育めないものです。
「幸せのレベルはもう下げた」からも伺えるのは彼女なりに努力も譲歩もしているにも関わらず、なかなかそれが報われていない状況ではないかということです。
「今なら育ちすぎたこの胸で 誰かに愛を植え付けられるのに」に対しては、個人的にはそんな風に考えてるとまた次の恋愛でも失敗してしまうのでは…とお節介にも考えてしまいました。
こんな私もおとなになって いろんなことを覚えたわ
出典:〇〇ちゃん / 作詞・作曲:あいみょん
一番よりは考え方も行動も少し大人になったようです。
とは言え、本当の愛を探す旅にまだまだ終わりが見える気配はありませんよね。
なぜか彼女を応援したくなるのは「私」の人柄のせいでしょうか。
私のどこがダメですか? 料理だって人並みにできるのに
出典:〇〇ちゃん / 作詞・作曲:あいみょん
将来はきっといい女 誰かもらってね
「料理だって人並みにできるのに」
物凄くできると過信していないあたりが強気な性格から考えると、控え目な言い方のように感じられて印象に残ります。
「将来はきっといい女 誰かもらってね」
どれだけ大人になっても彼女は純粋さを失わない綺麗な心の持ち主であることが伝わってきます。
それでも将来の夢はお嫁さん
私のどこがいけないか そんなの自分が一番に知ってる
出典:〇〇ちゃん / 作詞・作曲:あいみょん
得意なことも趣味もない おまけに勉強もできないけど
「私」がこの曲の中で唯一弱音ともとれる言葉をこぼす瞬間です。
「得意なことも趣味もない おまけに勉強もできないけど」
整形は大きな勇気が必要な決断だと思いますが、あくまで外見の問題を解決するものです。
外見は変えられても、中身の部分が追いついていないと彼女自身感じているようです。
私は立派な女なの 愛し愛されることを夢見るの
私のどこがダメですか? 可愛くなる努力は医者に頼っちゃったけど
将来の夢はお嫁さん 誰か叶えてね誰か迎えに来て
出典:〇〇ちゃん / 作詞・作曲:あいみょん
それでも彼女はアイデンティティを失いません。
「私は立派な女なの 愛し愛されることを夢見るの」
決して虚勢を張っているのではなく、本当にそう心から思っているからこそ出てきた言葉のように感じます。
それはここまでの歌詞で彼女が不器用な性格であると同時に、ピュアな心の持ち主であることが分かったからこそそう感じるのかもしれません。
そんな彼女に対して『ここがダメだ』と言える人なんて存在しないと思います。
いつまでも彼女らしくあり続けることが一番夢を叶える近道なような気がしますよね。
1ヶ月無料で音楽聴き放題!
通常880円/月のAmazonMusicUnlimitedが今なら1ヶ月で体験可能!
この機会に聴き放題サービスをお試ししてみよう!
いつでも解約OK!
さいごに
純粋に頑張っている人、不器用だけどひねくれていない人、きらきらと輝き続ける人って何だか応援したくなりますよね。
「私」はその全ても持っているとても魅力的な人柄ですよね。
彼女と同じような性格の人なら深く共感できる部分もたくさんあったのではないでしょうか。
「私」の魅力を余すことなく伝えきるあいみょんさんの作詞能力も素晴らしいの一言です。
今後またこういった個人にフォーカスしたような親近感のある曲も聴けたらファンとしては嬉しいですね。