今回は2018年8月1日にリリースされた4枚目のシングル「ロングホープ・フィリア」の歌詞考察をしていきます。
映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2 人の英雄(ヒーロー)~』主題歌となった「ロングホープ・フィリア」は、amazarashiの秋田ひろむさんが作詞・作曲を手掛けました。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう!
ロングホープ・フィリア 歌詞考察
映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2 人の英雄(ヒーロー)~』について
約80%の人々が超常能力の”個性”を伴って生まれる世界が舞台です。
多くの若者が人々や社会を犯罪者・敵(ヴィラン)から守る職業である”ヒーロー”に憧れる中、特段の個性のない”無個性”として生まれた主人公デクこと緑谷出久(みどりや・いずく)。
そんな主人公がヒーロー輩出名門校である雄英高校に入学して、ヒーローになるのを目標にして成長していく、といったストーリーです。
本楽曲に関して菅田将暉さんは映画公式にて、以下の様にコメントしています
「フィリア」はギリシャ語で親愛なる人への愛情 や友愛という意味です。
「大切な友に末長い希望を」という想いが込められたこの曲は、僕も歌いながら自分自身も励まされるような思いを起こさせられたり、年代関係なく、大切な仲間と一緒に頑張っていこうという強さと希望をもった曲ができたと思っています。
https://heroaca-movie.com/2018/music/
更に楽曲提供者である秋田ひろむさんは、以下の様にコメントしています:
今作を作るにあたって僕が設定したテーマは“ヒーロー”と“友達”です。
主人公デクの視点というよりは、オールマイトの視点に近い歌詞なのかなと思います。
「友よ、末永い希望を」というフレーズを先に思いついて、それをCDの帯のキャッチフレーズみたいに想像しながら作りました。
僕個人の想いはもちろん込められていますが、より多くの人へ届くように言葉の表現には気を使いました。
https://heroaca-movie.com/2018/music/
歌詞は概ねヒーローであるオールマイト目線であるとのことですが、お二人のコメントを踏まえ共通して言えるのは、本楽曲のテーマは”友情”であると言えるでしょう。
お二人は、この映画作品を通して、更に友情に重きをおいて本楽曲「ロングホープ・フィリア」を作り上げていった様子が伺えるコメントとなっていますね。
笑う為に
歌詞の中の登場人物は主人公の「僕」と「君」の二人です。
「魂」の陰りを「靴底」の「汚れ」にたとえていますが、様々な経験と共に心にも「靴底」同様に「汚れ」のようなものが付着し、綺麗なままではいられなくなることもあります。
また「君が諦められない理由」とありますので、「そんな時」=挫折しそうになる時、という風にも解釈できるかと思います。
窮地を「救った」り「救われた」り、また「手」を「握った」り「握られた」りと、「僕」と「君」はお互いを思いやり、助け合っていることがわかります。
二人の間にはアツい友情があるのが見て取れますね。
二人のおかれた状況には、単純に「強さ」VS「弱さ」といった二極化では表せないものがあるようです。
いかなる状況であれ、前進すること=「勇敢さ」=「勝利」であり、最終的に「笑う為に」「泣い」てしまうという一見「敗北」と言えるような場面もあったようです。
またより高みへと赴くためには「助走」が必要な時もあり、それは決して後退している訳ではないのです。
前進している過程で、困難なことや一見「敗北」と思えるような時はあっても、最終的に「笑う」ための”いち過程”でしかない、と言うわけです。
傷を称えよ
「時」というものは残酷で、その経過と共に「街並みも友達も」変化していくものです。
どんなに親しい友人でも時の経過と共に距離も生じてしまえば、「寄る辺なさ」を感じ「感傷」的になってしまう事もあるでしょう。
時間の経過による変化は、他者や物質的なものだけでなく自分にも見られる事もあるでしょう。
しかし、ここで「僕」は「変わった」訳ではなく「変えた」と明確に語っています。
主人公である「僕」という人間は、決して受け身ではなく能動的な人物である事がわかりますね。
「やましさ」を背負いつつ、自ら「変えた」「僕」という人間をその友達である「君」にしっかりと「見届けて」欲しいと願っています。
ここでは「成功」「失敗」という二極化した事柄には「意味はない」と語られています。
寧ろ、「挫折」を称えているようです。
何か大きな事を願ったり望んだりしても、必ずしも叶うとは限りません。そのことで「傷つ」いたり「失望」したりすることを怖れ、最初から諦めてしまうという人も多いでしょう。
しかし、「それでも手を伸ばす」とあり、敢えて挑戦をしているのがわかります。
そして「挫折」のみならず「傷跡」すらも「称え」て欲しいと願っているのです。
主人公の勇敢さや器の大きさといったものを感じずにはいられません。
どん底に咲く花
「諦めて疑って塞いで」「期待外れ」「失くした」「どん底」等、ネガティブな言葉が連なっています。
背負っていた様々な「荷物」は全て手放している状態の主人公たち。しかし、落ち込んだり卑屈になったりといったこともなく、逆にその状態こそが「武器」だと明言しています。
そして、「生きている」というただそれだけで「充分」だと非常にポジティブに現状を捕らえています。
一人であればここまではならないかもしれませんが、志を同じくする友達がいるというだけで、勇気を与えられ、ポジティブになれるのではないでしょうか。
ただ「生きる」ということや尊い「命」を称えて、ゼロの状態からまた新たに始めようとしている主人公。
そして「敗北」を味わった主人公ですが、「今日の君が笑った」ということでその「敗北」をポジティブに捕らえています。
「どん底」にいる主人公たちですが、そこには「花」=希望 が咲いているようです。
ラストで「末永い希望」=「ロングホープ」と提示され、過酷な状況にいながらにして仲間と共に末永く続く「希望」を抱いている主人公の雄姿が目に浮かぶような歌詞となっていますね。
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さいごに
本楽曲「ロングホープ・フィリア」は、非常にポジティブで、友情の美しさや尊さが感じられる普遍的な作品となっています。
勿論、”ヒロアカ”の登場人物たちの姿と歌詞を重ねてじっくり堪能することにより、リスナーである私たちも非常にアツくなるような楽曲でもあります。
本楽曲 「ロングホープ・フィリア」 を堂々と力強く歌い上げた菅田将暉さんの今後の楽曲にも是非注目したいですね!