RADWIMPSの「Light The Light」は、新型コロナウイルスと闘う現代に向けた楽曲として発表されました。
当初、RADWIMPSの野田洋次郎は「中国で不安な生活を送る人のための楽曲を制作してほしい」と依頼を受けました。
しかし曲を作りながら、中国はもちろん日本も含めて、全世界で新型コロナウイルスと闘う人のための楽曲になったそです。
「Light The Light」は全て英語ですが、今回は横に日本語訳を付けて歌詞を考察していきます。

Light The Light 歌詞考察!
現れた「闇」の中で

きっと怖いだろう でもそれは君の強さだ
疲れているよね あともうひと踏ん張り
裏切られた気持ちかな 惨めな感情?
でも半分まで来たよ この闇を抜ける光まで
タイトルの「Light The Light」は「光を付ける」という意味です。
コロナウイルスによる苦境に対して、光をもたらしたいという思いが伝わってきます。
私たちが闘っているのは、ウイルスだけではありません。
感染への恐怖や、感染者への差別的視線。
時にはスーパーで物々が品薄になったり、休業要請により経済的な困難に陥ることもあります。
コロナに伴い、人間の「悪」が露呈されたのも事実。
そんな暗闇に対しても光を灯したい、という思いが感じられる冒頭です。

希望が見えない? どうして良いかわからない?
申し訳ないけど それでも僕は君を信じてる
歌詞の通り、希望も見えず今後を打開していく方法も分かりません。
しかし「それでも僕は信じている」という強い信念に、なんだかふわりと心が軽くならないでしょうか?
きっと根拠はありません。
でも、強く断言された歌詞からは、そこはかとない強さと頼もしさを感じられます。
「申し訳ないけど」という前置きからは、「未来を信じられない人」への皮肉にも似た強い明るさがこもっているようにも感じます

君の中の孤独 それだけが支配している?
でも知ってるかい 君のせいではないということを
不要不急の外出自粛が強いられると、人との直接的なコミュニケーションも少なくなりました。
スマホやパソコン上でのコミュニケーションもありますが、どことなく温もりを感じられない心細さが残ります。
そんな時、深い孤独に人間は陥ります。
「どうしたらいいんだろう」と私たちは自責の念に苛まれることもしばしばありますが、その孤独は、みんなが今感じているもの。
そして、特定の誰かによって生じたものでもないのです。
だからあなたのせいでもないのです。
いつか「その時」が来るまで

いつか僕らは一晩中語り合うんだ 共に必死にくぐり抜けたこの時のことを
そこには涙も 憂いもなく あるのは君の弾ける笑い声だけ
いつか僕らは一晩中笑い合うんだ この何よりも大変だったときのことを
それまで僕らは手をつなぎ合おう 優しく、力強く共に歩もう
私たちがたどり着きたい未来の様子が垣間見れる歌詞です。
たまの夜に友人たちと昔話を懐かしむようなくすぐったくてあたたかい様子が目に見えるようです。
そのような時間を迎えるためには、今まで露呈されてきた心の中にある悪や醜い部分を払拭し、隣にいる人とと協力して手を取り合う必要があります。
最後の「Together」には力強さが溢れています。
優しい命令

さぁ 涙を拭いて 君には似合わないよ
笑ってくれないかい? 僕のわがままだけど、お願い
自分を責めちゃだめだよ 自分を嫌いになるのも
意地悪になっても良い 嫌なヤツになっても良い
ここでは、全て命令形なのが特徴。
弱って泣いている人へ「笑ってくれ」と優しく命令をしているのが印象的です。
コロナウイルスによって私たちの「当たり前」は一瞬で奪われ、全世界で約1年以上も不穏な空気の中を耐えてきました。
目に見えない苦しみがじりじりとやって来る不安からの涙を「どうか隠さないでほしい」というエールにも似た歌詞が染み渡ります。
ここまで来ると、不安の根源はコロナウイルス単独ではないことが予想に容易いでしょう。
目に見えない感染症への恐怖によって、人を労る心を忘却してしまった人間同士がいかに傷つけあってきたのか強く理解できます。

それでもまた必ず帰ってくるでしょ いつも僕らがいたところに
そのままの君が好きだ そのままの君が好きだ
「I know」で綴られている歌詞からは、未来が元通りになる強い気持ちが感じられます。
「帰ってくる」というのは、全世界からコロナウイルスが消える壮大な未来でもある一方、大好きな人たちと小さな食卓を囲む未来かもしれません。
ひとりひとりが固有に想像する幸せな未来がここで歌われているような気がします。
「Ilike who you are(そのままの君が好きだ)」という言葉からは、コロナウイルスがいくら蔓延しようとも、大事な人を想う心だけは蝕まれないという強い思いが感じられます。
その思いがある限り、どんな未来がやってきても頑張ることができる。
「当たり前」が帰って来るまで、寄り添い続けたいというしなやかで、強い優しさが感じられないでしょうか。
MVのように星空が輝く世界に

いつか僕らは一晩中語り合うんだ 共に必死にくぐり抜けたこの時のことを
そこには涙も 憂いもなく あるのは君の弾ける笑い声だけ
いつか僕らは一晩中笑い合うんだ この何よりも大変だったときのことを
それまで僕らは手をつなぎ合おう 優しく、力強く共に歩もう
「Light The Light」のMVは、宇宙の星空と思しき美しい映像がずっと続きます。
最後の歌詞を聴きながらその映像を見ていると、今の苦しみが重なりつつも人類が一つの歴史を乗り越えようとする苦労と努力を痛切に感じられます。
そして、その力は私たちひとりひとりに宿っていること、その責任の重みも一緒に感受できます。
人間の悪い側面に直面しつつも、美しい側面をしっかり尊ぶ。
その清濁併せ吞む迫真の歌詞が身に迫ります。

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おわりに
RADWIMPS「Light The Light」の歌詞考察を行いました。
今すぐに人類を変えることはできなくても、部屋の明かりを点けるようにひとりひとりにできることはあります。
そんな力強いメッセージ性のある「Light The light」。
少しでも気を落としそうになった時に聴き、心のエネルギーや滋養に変えたい楽曲です。