「レモンパイ」は「マカえん」ことマカロニえんぴつの2ndシングル(2018年10月リリース)。
そのジャケット写真がアイルランドのロックバンド、ジ・アカデミック(The Academic)の1stアルバム「Tales from the Backseat」(2018年7月リリース)を大胆にオマージュしていることでも話題になりました。
全14曲入りの2ndアルバム「hope」(2020年4月リリース)のオープニングも飾っています。
TBSテレビ「王様のブランチ」の2018年10月度エンディングテーマにもなり、タイアップ曲としてマカロニえんぴつの知名度を高めました。
シングルなのにミディアムテンポ、16ビートのオールディーズっぽいポップミュージック。
ラップも入っていて、展開は多いもののコード数は少ないサウンドも人気です。
枝優花監督によるMVのロケ地は、群馬県太田市にあるコンビニ、オレンジハット沖之郷店。
レトロ自販機やゲーム機の聖地にもなっています。
男の子と女優さんの甘酸っぱいストーリーとバンド演奏のコントラストがおもしろいですね。
今回はボーカル&ギターはっとりさんが作詞・作曲した「レモンパイ」の歌詞の意味を考察します。

レモンパイ 歌詞考察!
数字がらみの言葉遊びが炸裂

好きな女の子の前では、なぜかふざけてばかり。
これ、男の子の「あるある」ですね。
10代の初恋はもちろん、20代の何度目かの恋でも、かっこつけるのが恥ずかしいのでしょう。
普通にしていればいいのに、緊張を隠そうとして自滅するパターン。
そんな男性心理を数字がらみの言葉遊びで表現しています。
「亀は万年」とは続けず、自嘲気味にずらしながらも、女性に嫌われないか気にしているところがお茶目です。

主人公の男性には仲のいい女性がいて、友だちのように楽しく会話している時期。
女性のことが気になるから話しかけているわけで、もしかしたら好きかもしれない、好きに違いないと自分の気持ちに気づいたところ。
つまり恋の始まりですね。
「ブルーベリー・ナイツ」にも「神様」が登場しますが、「レモンパイ」では「神さま」すら初々しいという違いがあります。

楽曲制作時の仮タイトルは後に変わることが多いものの、「レモンパイ」の場合はそのままだったそうです。
はっとりさんは実際に食べたことがない状態で作詞したとか。
レモンだけだと酸っぱすぎる、アップルパイだと甘すぎる、レモンパイはちょうど恋の始まりのように甘酸っぱいというイメージ。
最後まで食べずに残すことで、まだ恋が始まっていない、告白していないことが伝わってきます。
ラップは照れ隠し?

2番のラップパートです。
ありえない、信じられないという意味の「No way」と「の上」で韻を踏んでいます。
数字がらみの言葉遊びだけでなく、お酒に酔って下町言葉で自分を責める様子まで披露。
初々しくふざけ合う時期は過ぎ、3年経ってもまだ告白できないイラ立ちが見え隠れします。
それでも3年も思い続けるなんて純愛です。
やはりラップは照れ隠しなのでしょう。

1番では「悲しいキス」でしたが、2番では「少し雑なキス」に変化しています。
どちらにしてもまだ恋は始まっておらず、男性がイメージした想像の話でしょう。
本当にキスをしてしまったら、仲のいい友だち関係すら壊れてしまうかもしれません。
悲しい結末が訪れる可能性があるので、臆病になっています。
それでも思い切って先に進みたいという気持ちは募り、想像だけが前のめりになっている状態です。
恋の行方はどうなった?

とうとう告白するのかと思いきや、やっぱり友だちのままがいいと尻込みしてしまいました。
実は、甘酸っぱいレモンパイには「酸いも甘いも噛み分ける」という意味が含まれているとか。
告白して撃沈するだけでなく、付き合ったところで上手くいかなくなる恋愛もあります。
ネガティブな思い出があると、なかなか前へ進めません。
そんな苦い経験がある人しかわからないような「悶々とした感情」こそ、はっとりさんが描きたかったものだそうです。

恋が始まるのか、始まらないのか、はっきりとしない曖昧な状態。
そのときが一番楽しいのか、付き合ったほうがもっと楽しくなるのかはまだわかりません。
告白が実って付き合ったとしても、いつかは恋が終わることを知っているから「悲しいキス」と表現しているのかもしれませんね。

最後まで数字がらみの言葉遊びになっています。
二つ折りのパイはよくありますが、1回折るのが二つ折りだとすると、「一つ折り」は折らずに開いた状態、もしくは折らずに重ねた状態かもしれません。
どちらにしても夜を一緒に過ごすシーンが描かれています。
ただし、恋の行方はこの曲を聴く人の想像、あるいは創造におまかせとのこと。
この夜のシーンが現実なのか、男性の想像のままなのか、どちらにも解釈できるのでお好みでお召し上がりくださいませ。

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さいごに
4thミニアルバム「LiKE」(2019年2月リリース)の1曲目「ワンルームデイト」が「レモンパイ」のアンサーソングであり、続編です。
「レモンパイ」では「結局どうなったの?」とヤキモキしたままでしたが、「ワンルームデイト」では同棲して幸せに暮らしています。
告白しようか迷っている人は「ワンルームデイト」も聴いてみるといいですね。