yamaさん「ライカ」の歌詞の意味を考察します。
2ndアルバム「Versus the night」(2022年8月)の収録曲。
ササノマリイさんが作詞・作曲した「ライカ」の歌詞の意味をチェックしましょう。

ライカ 歌詞考察
ライカとは?
何も変わらない今日で
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
閉じた扉の向こうで
僕と似たような顔で
君は笑っていたんだ
曲名の「ライカ」は、ソ連が1957年に打ち上げた世界初の宇宙船「スプートニク2号」に乗った犬の名前でしょうか。
あるいは、その犬について描かれた、彩音P(初音ミク)さんのボカロ曲「ライカ」(2009年3月)や、ドイツのカメラ(ブランド、メーカー)「ライカ」が出てくる、yamada(初音ミク)さんのボカロ曲「ライカ」(2016年12月)へのオマージュかもしれません。
語り手の「僕」が、「閉じた扉の向こう」にいる「君」と「似たような孤独」を感じているようなので、「孤独な君」を宇宙船に乗った犬の「ライカ」になぞらえているとも考えられそうです。
何もかもが信じられない
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
覚えてしまった 裏切りとか
その言葉だって半信半疑
「僕も同じさ」
「僕」は人間関係に悩みを抱えているようです。
誰かにだまされて、世の中には本当に「裏切り」という行為が存在すると思い知ったのでしょうか。
そのせいで「何もかも信じられない」ほど落ち込み、愕然としているようです。
あるいは、自分自身も誰かを「裏切る」ようになってしまったとも考えられます。
それでも「半信半疑」ということは、どれほどだまされても相手を「信じたい」気持ちが残っているのではないでしょうか。
このように「僕」が悩んでいるときに聞こえてきたのが、「君」の声だったのでしょう。
「僕」から見て「君」が「似たような顔」だと感じられただけでなく、実際に「君」が「僕も同じさ」と言った展開になっています。
どうだっていいよ 滲んでいく
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
この薄い酸素みたいな不安
どうかこれ以上
苦しくさせないでくれないか
見えない答え欲しくて
眼鏡を外して俯いた
「薄い酸素みたいな不安」を抱えているのは「僕」なので、宇宙船に乗った犬の「ライカ」になぞらえているのは「僕」自身なのかもしれません。
「眼鏡を外す」と「見えなくなる」はずですが、そうすることによって「見えない答えが見つかるのではないか?」と考えたのでしょう。
あるいは「滲(にじ)んだ涙をぬぐうために、眼鏡を外した」とも受け取れます。
いずれにしても最終的に「俯(うつむ)いた」ことから、暗い気持ちのままでいることが伝わってくるでしょう。
いつでも僕らは孤独さ。
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
確かめる術も無いよ
信じられないまま冷め切った
日々を生きるだけで精一杯
1番のサビ前半では「孤独」な心情が吐露されています。
ただ、人称が「僕ら」と複数形になっているので、「僕」も「君」も同じように「孤独」だという話でしょう。
「僕=yamaさん、君=リスナー」という設定になっているのかもしれません。
犬の「ライカ」は自ら宇宙船に乗りたいと思ったわけではなく、人間に乗せられたのでしょう。
その行為を「裏切り」と捉えると、宇宙船では途方もない「孤独」を感じた可能性があります。
それでも「冷静に日々を生きるしかなかった」のではないでしょうか。
残りもしないこの今日も
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
ただ生きていたいと願った。
許せない、期待もない
けど どうだって いっか。
1番のサビ後半です。
「裏切り」に対しては「許せない」、誰かを「信じる」ことについても「期待しない」という投げやりな状態になってしまったけれど、それでも「生きていたい」と願っています。
こうしたネガティブな感情に執着せず、手放すコツが「どうだっていっか」という考え方かもしれません。
微妙な違いですが、「どうでもいいわ」と強めに発声すると自暴自棄な状態が長引きそうです。
曲名の「ライカ」のように「いっか」と軽く流して、とにかく「生きる」ところにポイントがあるのではないでしょうか。
まだ生きてみたい
どんな言葉もすり抜けてゆく
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
はぐれてしまった
僕にはまだ眩しく見えている
どこか似てる君を眺める
結局、「僕と君」のどちらが犬の「ライカ」なのか、あるいは犬ではなくカメラ(写真)やボカロ曲のことなのか、よくわからなくなってきました。
「僕と君」は「yamaさんとリスナー」や「ササノマリイさんとyamaさん」の可能性もあるものの、「どの言葉もすり抜け、はぐれてしまった」ように感じられます。
別に恨んでたいわけじゃない
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
思い出す声を聞きたくないから
扉が歪んでしまっただけだよ
触れないで
どうやら「扉を閉ざした」のは「僕」自身だったようです。
何があったのかはよくわかりませんが、「僕」が「裏切られた」と感じるような出来事を「思い出したくない」のでそっとしておいてほしい、という話でしょう。
笑ってごまかして言った
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
遮るように君も笑ったんだ
「僕も同じさ」
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
もしかしたら「僕が聞きたくない、何かを思い出してしまう君の声=君が言った、裏切りの言葉」が「僕も同じさ」なのでしょうか。
「君は僕と同じだと言ったのに、実際は違っていた」という話かもしれません。
いつでも僕らは孤独さ
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
それでも触れていたいよ
信じられないほど冷め切った
嘘だらけの日々も大正解?
2番のサビ前半です。
具体的な出来事が描かれていないので、「リスナー=僕」と捉えて感情移入し、それぞれの悩みを重ねるパターンもあり得るでしょう。
「すべてが嘘に思える日常で、何も信じられないほど孤独を感じているのに、それでも誰かと関わりたい」という心境が吐露されています。
聞こえやしないこの声で
出典:ライカ / 作詞・作曲:ササノマリイ
まだ生きてみたいと願った。
届かない、まだ見えない
でも そうだって。
2番のサビ後半です。
「扉を閉ざした」ままでは「声が届かない」かもしれませんが、それでも「まだ生きてみたい」という結末でした。
ラストに1番のサビが繰り返され、「ライカ」と響きが似ている「いっか」で締めくくられます。

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さいごに
「僕」自身が「心を閉ざしている」設定なので、結局「ライカ」の意味も、「裏切り」の内容もはっきりしませんでした。
それでも「同じ」ように感じた人も、「同じ」が「裏切りの言葉」に聞こえた人もいるでしょう。
ただ「どれほど孤独を感じても生きる」というメッセージは伝わったのではないでしょうか。