「Laughter」(読み方:ラフター)は2020年7月に配信リリースされた、ヒゲダンことOfficial髭男dismのデジタルシングル。
長澤まさみさん主演の映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」(2020年7月公開)の主題歌に起用されたタイアップソングです。
2020年8月にリリースされた3rd EP「HELLO EP」、2021年8月にリリースされたメジャー2nd(通算3rd)アルバム「Editorial」にも収録されています。
ボーカル&ピアノの藤原聡さんが作詞・作曲した「Laughter」の歌詞の意味を考察していきましょう。

Laughter 歌詞考察!
ラフターとは?

「Laughter」は映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」の主題歌ですが、特定の登場人物に寄り添う歌詞ではなく、「真実とは何か?」という大きなテーマを共有するスタイルです。
歌詞の主人公は藤原聡さん自身。
鳥取県米子市出身の藤原聡さんは島根大学を卒業後、地元で2年間、銀行員として働いてから音楽活動に専念するため上京しました。
その際、家族やまわりの人たちから引き止められたり、大丈夫かどうか心配されたりしたそうです。
「鳥」に重ねられているのは「やりたいことへと向かう心」。
将来どうなるかはわからないものの、「音楽をやりたい」という気持ちを大切にして、地元から東京へ飛び立つ決意が表現されています。

社会人としてやりがいのある仕事に就いていたら、退職することで充実した暮らしを失い、安定した将来を諦めなければなりません。
こうした現実から目を逸らさずに葛藤しつつも、藤原聡さんは音楽の道へ進むと決めました。
周囲の反対を押し切って自分の意志を貫くことになるので、「後悔する権利はない」と自覚しています。

「ラフター」とは「笑い、笑い声」のことです。
「コンフィデンスマンJP」はお金を騙し取るコンフィデンスマン(信用詐欺師)を中心としたコメディ作品なので、「笑い」という共通点を持たせたのでしょう。
さらに「ラフター」は内面を表す「鳥」につけられた名前なので、「本当にやりたい音楽で、自分もまわりも笑顔にしたい」といった藤原聡さんの熱い思いが伝わってきます。
とくに映画「プリンセス編」は「本物か偽物か、真実か嘘か」が主題です。
白か黒かはっきりしない場合でも、自然と笑顔になることを信じ、笑える方向へ進もうという人生応援歌になっています。
自分らしく羽ばたこう!

たとえば映画の主題歌であれば、特定の登場人物の心情に寄り添うのが王道のスタイルかもしれません。
しかし「Laughter」では、Official髭男dismというバンドの在り方が描かれています。
誰かの正解と自分の正解は必ずしも同じではないので、今回はバンドの物語を描きながら、幅広く解釈できる方法を選択したのでしょう。
これがOfficial髭男dismにとっての正解であり、「創造」です。
他人と比べて悩むことがあっても、大事にしたいのは自分らしさ。
映画の「騙す、信じる」というテーマにもつながります。

「コンフィデンスマンJP プリンセス編」にはスパイ映画「キングスマン」でも引用されている、アメリカの小説家アーネスト・ヘミングウェイの名言が出てきます。
その名言を意識しつつ、藤原聡さん流に再構築したかのような歌詞です。
「比べる相手は他人ではなく、過去の自分」というところが大事なポイントでしょう。
「自分らしさ、やりがい、生きがい」といった生活の質、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を向上させることが幸せにつながります。

映画を観た人は「過去、予想を覆す、やっと気付く」などのさり気ないキーワードに笑みがこぼれることでしょう。
ネタバレになるので登場人物の心情を描くこともできず、はっきりとしたことは何も言えませんでした。
こうした状況を逆手にとって、「過去」の上京物語になぞらえたところが微笑ましいですね。
「ラフター」は「笑い声」であり、「誰もが笑っている状態、Official髭男dismのメンバー全員が満面の笑みを浮かべる音楽」でもあります。
「Laughter」自体、Official髭男dismらしい満足度の高い楽曲に仕上がったようです。
見習いつつ、それぞれ自分らしく羽ばたきましょう。

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さいごに
「Laughter」は映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」サイドから、Official髭男dismなりの「ホール・ニュー・ワールド」(A Whole New World)という指示があったそうです。
ディズニーのアニメ映画「アラジン」の主題歌をイメージしながら、ストリングスを効かせたバンドサウンド重視のロックバラードに仕上げたところがOfficial髭男dismらしいですね。
新保拓人監督によるMVでは、近未来で2人の少女が花畑を作るために奮闘する物語が描かれています。
出演しているのは、モデルの藤田エミリさんとLillyさん。
さまざまに解釈できるストーリーになっているので、併せてお楽しみください。