今回は、yamaさんの新曲「くびったけ」の歌詞を考察していきたいと思います。
映画『線は、僕を描く』の主題歌として起用されている本楽曲。
作詞作曲は、現役大学生アーティスト・Vaundyさんが担当しています。
yamaさんとVaundyさんの初タッグ作品、また、yamaさんにとっては、初の長編映画主題歌とあって注目を集めています。
映画の内容、楽曲コメントと合わせて見ていきましょう!
映画『線は、僕を描く』
砥上裕將先生原作の同名小説を実写化した作品。
10月21日に全国公開されます。
横浜流星さんが主演を務め、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』や『ちはやふる』シリーズの小泉徳宏監督の元製作されました。
作品の主題歌について、監督とプロデューサーが話をしていたところ、横浜流星さんから「yamaさんに歌ってほしい」と言う提案があり、今回の起用に繋がったそうです。
映画の公開が楽しみですね!
楽曲コメント
yamaさんとVaundyさんのコメントをご紹介します。
主題歌を決める際に横浜流星さんが自分を推薦してくださったと知った時はとても驚きました。
素敵な作品に関わることができて本当に嬉しいです。ありがとうございます。
今回の主題歌『くびったけ』はVaundyさんに書き下ろしていただきました。
今までのyamaにはないエネルギッシュな楽曲だったので、レコーディングではVaundyさんに立ち会ってもらいながら納得いくまでトライしました。
過去と向き合い、前へ歩み始めた映画の主人公を「大丈夫!」と力強く抱きしめる気持ちで歌いました。応援歌のような楽曲です。
是非、映画と共にお楽しみください。
このお話をいただいたときは、僕でいいのかな、と少し不安もありましたが、yamaさんの新たな魅力を最大限引き出せるような曲を目指して、「くびったけ」が完成しました。
曲をつくるにあたって先に映像を見たときに、一番印象的だったのは登場人物達の光と影を感じる”モノクロ性”でした。
それそれのキャラクター像がはっきりしていて、でもそれを安易に感じさせない画力に引き込まれ、少しがむしゃらなサウンドの方が綺麗なキャラクター達に最後の味付けができるのでは、と思いこのようなロックサウンドにしました。
映画を観終わって劇場を出るときに、みんなが口ずさんでくれるような曲になっていたら嬉しいです。
Vaundyさん立ち会いのもと、何度もレコーディングを重ねて制作された本楽曲。
これまでのyama作品とは違ったエネルギッシュな一面を見られるということで、ますます曲のリリースが楽しみです!

くびったけ 歌詞考察
考察の中で、映画のストーリーについて触れています。まだご覧になっていない方は、ネタバレにご注意ください。
目に映ったその一本線には
言葉なんか忘れちまうくらいな
ありったけにくびったけさ
今まで出会った何よりも今ならちゃんと言葉にできるから
聞いてよちゃんと
「あの日出会った君の姿よりも、何よりも先に心を感じていた。」
この曲は、映画の主人公・霜介の視点で描かれています。
霜介に、言葉を失うくらいの衝撃を与えた「水墨画」の世界。
白と黒だけで表現されたモノクロの世界には、作者のありったけの心が詰め込まれています。
タイトルにもなっている “くびったけ” とは、「すっかり惚れ込んで夢中になること」という意味です。
首まで沼に使っている状態を表しています。
高校生のときに両親を亡くし、心を閉ざしていた霜介が、アルバイト先で偶然水墨画に出会い、のめり込んでいく様子がVaundyさんの言葉で描かれていますね。
展覧会の会場で、水墨画家の大家「篠田湖山」に、センスを見抜かれた霜介は、よくわからないまま内弟子として水墨画を始めることになります。
「あの日出会った君の姿よりも、何よりも先に心を感じていた。」
“あの日出会った君” とは、水墨画の世界そのものを指しているのではないでしょうか?
水墨画のどこが良いかは、言葉で表せないけど、”何よりも先に心を感じていた。”
「僕はたぶん水墨画が好きになる」という霜介のセリフが浮かんできますね。
でも君は上の空
遠き記憶の中でフッと膨らんだ
「美しき」を眺めてるそれじゃ
世界はもう
僕らじゃ問題にならないほど
温かいみたいじゃないか
ならば
明日はもう
愛とか問題にならないほど温かく
ぎゅっと抱きしめよう
水墨画にのめり込み、まさしく ”くびったけ” な霜介ですが、”君” は簡単に振り向いてはくれません。
小説のストーリーにはなりますが、ある日、湖山先生からのお題で春蘭を描いた霜介は、先生からの絶賛を受け「いつも何気なく見ているものが実はとても美しいものだった…僕はようやく何かを見ることができるようになった」と悟ります。
水墨画は、何気ない草木を美しいものに変えることができると悟った霜介。
“それじゃ 世界はもう 僕らじゃ問題にならないほど 温かいみたいじゃないか”
目に映る全てのものは、言葉にならない温かさを秘めている。
その温かさを水墨画で美しさに変えて、大切にしていこうという霜介の心が描かれているように感じます。
Vaundyさんが、他の作品でも描いている世界への “愛” というテーマと通じる部分がありますね。
きらり光ったあの一等星よりも
淡く光って溶けてくるような
ありったけで困っちまうな
瞳たらしの君の瞳には今ならちゃんと言葉にできるから
振り向いてちゃんと見せてよ
あの日流した涙よりも
不意に咲かせる君の笑顔を
光り輝く一等星とは違い、淡く優しい光で美しさを照らし出す水墨の世界。
白と黒で表現された水墨画ですが、とてつもなく深い世界が広がっています。
たった2色のモノクロの世界で、多くの人を魅了する水墨画の奥深さについて歌われていますね。
よくわからないまま、お手本をひたすら真似ていた霜介も、周りの人に助けられながら成長し、立派な一枚を描けるようになりました。
水墨画の技術の上達、霜介の人間としての成長が描かれているように思います。
時の交差点ですれ違う
でもね
言うから聞いてよ絶対
「流れる笑顔に救われてる。」「そうね」
これは、霜介が湖山先生の孫・千瑛と一緒に、両親と住んでいた家を訪れたシーンを描いているように思いました。
「僕は、本当はここから始めなければいけなかったんだ」と、過去と向き合う霜介。
一人の人間としても成長する様子が描かれていますね。
世界はもう
僕らじゃ問題にならないほど
温かいみたいじゃないか
だから
明日はもう
愛とか問題にならないほど温かく
ぎゅっと抱きしめよう
心を閉ざしていた霜介が、水墨画を通して多くの人と出会い、触れ合うことで自身の過去も乗り越え、成長していく姿が描かれた一曲。
yamaさんとVaundyさんの奇跡のコラボで実現した「くびったけ」は、映画と合わせて聞くと、より感情移入できそうです!

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さいごに
いかがでしたか?
映画の公開が楽しみですね!
今後の活躍からも目が離せません!
大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で運命の出会いを果たす。
白と黒だけで表現された【水墨画】が霜介の前に色鮮やかに拡がる。
深い悲しみに包まれていた霜介の世界が、変わる。
巨匠・篠田湖山に声をかけられ【水墨画】を学び始める霜介。
【水墨画】は筆先から生み出す「線」のみで描かれる芸術。描くのは「命」。
霜介は初めての【水墨画】に戸惑いながらもその世界に魅了されていく ――