Eveが2023年3月23日にリリースしたEP「ぼくらの」に収録されている「虎狼来」。
ギャツビー「メタラバー」のプロモーションタイアップソングに使用されているため、耳にして気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まずこの楽曲は最初に読み方に悩むところかもしれませんが「ころろん」と読むそうです。
一体どういう意味なのでしょうか。
気になる歌詞について考察していきたいと思います。
Eveとは
数多くの才能を開花させた方で、シンガーソングライター・作詞家・作曲家・ボカロP・ファッションデザイナー・漫画原作者・小説原作者という幅広い肩書をお持ちのEveさん。
2009年歌い手としてネットに登場、2015年以降作詞・作曲も行いながらボカロPとしても活動を始めます。
2019年にはアルバム「おとぎ」でメジャーデビューを果たす事になりました。
年齢は非公開・基本的に顔出しもしておりませんがライブに行った方の話だとやはりイケメンだとか!ファッションセンスも素敵で、そんな気がしていました・・・これは気になります!笑。
多方面での活躍
Eveさんの活躍は音楽のみならず多方面で才能を開花させています。
ファッションデザイナーとしてはイラストレーターの百瀬たろうさんと「はらぺこ商店」を立ち上げユニセックスのブランドとして展開。
お洒落とゆるさの共存にハマるファンも多いようです。
またコミックジーンに連載され2023年3月現在、第3巻まで刊行されている漫画「虚(から)の記憶」でEveさんは原作を担当されイラストをイラストレーター・ネヲさんが担当されています。
さらに小説の原案を担当。2022年9月22日「いのちの食べ方1」2022年12月23日には「いのちの食べ方2」がKADOKAWAから刊行されています。
おしみなく才能を発揮されており、これからの活動が素直に楽しみだと思えるアーティストではないでしょうか。
楽曲 虎狼来
Eveさんのコメントには❝心の奥底に眠る虎狼を飼いならし欲深く、貪欲に。❞と添えられているこの楽曲、ギャッツビーから新しく発売される「メタラバー」のタイアップソングとして書き下ろされました。
2023年3月22日にリリースされたEP「ぼくらの」に収録されているのに加えて、2023年8月に行われるツアーのタイトル「Eve Arena Tour 2023 虎狼来」にも使用されています。

虎狼来 歌詞考察
サンタマリア 起死回生の一打を放ってくれ
出典:虎狼来 / 作詞・作曲:Eve
湿っぽいのはいらんな 爽快に派手にやって終い
その答えは自問自答の向こう側にあんだしょうがない
アンダーグラウンドな世界の中
暗雲立ち込める人生に起死回生のきっかけ、チャンスが欲しいと願う主人公。
秩序が保たれていないアングラな世の中、自分の夢も自分自身も、己で守り抜かなければならない不安定な社会と化している。
湿っぽいのは好きじゃないから、終わるその時は派手に散りたい・・・その散り方が正解だったのか否だったのか、それは自問自答を超えた先に存在しているのだ、と主人公の言葉。
世の中や自分に対する諦めと希望と、その二つが入り乱れ混沌としている主人公の心の内が感じられますね。
ちなみに楽曲名に使用されている「虎狼(ころう)」とは虎と狼、つまり欲が深く残忍な事の例えとして使われる言葉です。
井の中の蛙大会優勝者 未練たらたら
SNS に夢中 自尊心なんてとうに無いなって愛を謳っては 愛されたことない未体験 応えよ
出典:虎狼来 / 作詞・作曲:Eve
毎度退場生涯引退生活安泰で居たい
井の中の蛙とは自分の知っている世界だけが全てだと思っている事の皮肉めいた例えなので、その大会に優勝したという事はあまりいい意味ではないでしょう。
また「未練たらたら」と続く為、表している人物像は自分の物差しでしか物事を図れず、過去の栄光にしがみつく悲しい生き物といったところでしょうか。
そんな不安定な心はSNSで承認欲求を満たす行為でしか満足させられず、自尊心、プライドなんてとっくに無くなっている姿。
愛を語ってみるけれど、本当の愛をまだ知らない矛盾。
主人公が目にする人達はそんなどうしようもない人達で、希望を持てない世の中から引退、陰でひっそりと暮らしたいと願ってしまったのではないでしょうか。
別に不満などないけれど 描いた夢と違うけれど
なぜか心に穴が空いたようだ 気づいてしまうからありきたりな人生に 今ピリオドを打て。
出典:虎狼来 / 作詞・作曲:Eve
今の平穏な暮らし、不満はないけど毎日なんとなく過ぎるだけ。
昔描いた夢と今の生活の差、それが心に穴が開いたように感じてしまう原因だと気づいてしまった。
今、この人生を変える時だと主人公の心に何かが宿ります。
勿論、平凡だったり平穏だったり、穏やかな人生が悪いというわけではありません。
ただ自分が「納得しない」人生ならそれは「ありきたりな人生」だから終わらせ新しい人生を模索すべき、そういうメッセージかなと思いました。
爆ぜるようなこの気持ちが
抑えようもない衝動が
望み通り叶わない
現実になってまだまだ
くたばってなんかないぜ
神に誓って泣いた思い出
実態ない将来に不安定で痛い騒ぐ心の音を聞こう
夢の狭間で廃れぬよう足を止めていられぬよう
出典:虎狼来 / 作詞・作曲:Eve
虎狼来 迷子ステイホーム
熱い想いや、思い描いた夢から抑えきれない気持ちが溢れる。
想えば叶う、願えば叶う、努力すれば必ず報われる・・・わけにはいかず、現実はそんなに甘くないけれど、まだまだ負けずに生きている。
それでも・・・希望が見えない、この社会。
問題しかない社会、漠然とした不安が一向に払拭されない将来を考えると心は不安定で痛い、という風刺に近い主人公の心のメッセージではないでしょうか。
だからこそ、自分の心の声、心の音に素直になるべき、だというEveさんの想いではないでしょうか。
自分に素直に生きる事で夢と現実に押し潰されないために、日々の流れの中で足を止めないように。
「虎狼来・迷子・ステイホーム」で私は胸に秘めている夢に息巻く虎狼の心を生き物(ペット)に例え、その気持ちを見失わないように=「ころろん」が迷子にならないように「ステイホーム」ちゃんと主人公の傍にいるように声をかけているイメージが浮かびました。
言葉では なんとでも言えるここが正念場
出典:虎狼来 / 作詞・作曲:Eve
そういや外野は 愛のない Dis カッション 派手にやってくれ
その結果が全てなんだ 許しがたいが
チャンスは1回だ まだ生かしてくれよ世界の中
Dis カッションとは勿論ディスカッションの意味ですが、Dis=ディスってるでしょうから、主に批判めいた、嘲笑的な討論を意味しているのではないでしょうか。
実は世の中、許しがたい事にそういった自分の人生の外野を生きている人間からの愛の無い無責任な評価こそが、全てなのです。
しかしこの主人公は「派手にやってくれ」「チャンスは一回だ」とあるので、「受けて立つ」といった強気な姿勢でいるのが分かりますね。
定かではないがまだ僕の中には
数 数多余すこともない事実が虎狼に飼いならされるこの毎日が
嫌 食べられて終い実は不安しかないけれど 描いた夢もないけれど
だから心に穴が空いたようだ 気づいてしまったありきたりな人生に 今ピリオドを打て。
出典:虎狼来 / 作詞・作曲:Eve
きちんと数えた事は無いけれど、「数多余すこともない事実」=夢や実力があるはず。
虎狼に飼いならされている、とは「虎狼」は夢や願望、希望や欲望を意味し、その「欲」に支配されている自分を俯瞰してみた時に、マイナスの感情を抱いてしまったのかなと思います。
夢や希望に溢れているのは本来ならば良い事なんですが、主人公は少し苦手なのかもしれませんね。
本当はこれから先「不安」しかなくて、夢もなく毎日なんとなく生きているだけなのだけど、そんな日々に物足りなさを感じ始めた、と主人公は打ち明けます。
ずっと気づかないふりしてきた、虎狼の心「虎狼来」の存在を認めた主人公。
物足りない人生を惰性で生き続けることをやめる決意をします。
爆ぜるようなこの気持ちが
抑えようもない衝動が
望み通り叶わない
現実になってまだまだ
くたばってなんかないぜ
神に誓って泣いた思い出
実態ない将来に不安定で痛い騒ぐ心の音を聞こう
夢の狭間で廃れぬよう足を止めていられぬよう
出典:虎狼来 / 作詞・作曲:Eve
虎狼来 迷子ステイホーム
このフレーズは繰り返しになりますので、ここにEveさんが一番言いたいメッセージが詰め込まれているのだろうと思いました。
夢を持ったなら、繰り返される毎日に不満を覚えたなら、虎狼の心を持って強く前へ歩きだすべき。
そして他の誰でもない自分の人生を大胆に好きなように歩くのがいい、というメッセージが込められているのではないでしょうか。
そうやって強く生きる事で胸に飼ってる虎狼来を飼いならす事が出来るのだという事ではと考えました。
ちなみに「虎狼」という言葉はありますが「虎狼来(ころろん)」という言葉は実際にはありません。
なので心に秘めた気持ちに対して付けた名前だとも考えられますね。
また、麻雀の用語で「他の人が捨てた牌であがる事」を「ロン」といいます。
また歌詞の中に何度かピリオドという言葉が出てきます。
つまり、虎狼の心を得た(来た)事で、惰性で生きた今までの人生からあがる(終わらせる)、という意味があると考えるのも面白いかなと思いました!

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さいごに
いかがでしょうか。
今回はEveさんの楽曲「虎狼来」の歌詞について考察してみました。
激高する程の激しさがあるわけではない演奏とEveさんの歌声ですが、しっかりと前を向いている強さを感じる楽曲ではないでしょうか。
新しく何かを始める春という季節にピッタリな楽曲だと感じました。
多彩な才能をお持ちのEveさん。これからの活躍に目が離せませんね!