今回は2022年4月13日にリリースされるアルバム「angels」に収録される「歓声をさがして」の歌詞考察をしていきます。
テレビ朝日のバラエティ大改革プロジェクト『スーパーバラバラ大作戦』のタイアップとなった「歓声をさがして」は、椎木知仁さんが作詞と作曲を手掛けました。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう!
歓声をさがして 歌詞考察
エスケープして探すもの
歌詞の中の登場人物は主人公の「僕」です。
冒頭、主人公は起き上がれず「ベッドの上」にいる状態の様ですが、そんな中ラジオは聴いているのでしょう。「僕の曲をかけて」とリクエストをしています。
「僕の曲」とありますので、主人公は音楽を聴くのも演奏するのも好きな人物で、更に自分で曲も作っていることがわかります。
起き上がれない程の「悲しみ」を癒して欲しいという思いが感じられます。
次に場所は「ベッドの上」から「ファミレス」へ。
そこで勉強するのでもなく、ひたすら「ポエム」を書いていた主人公。
「ロック」や「フォーク」といった音楽のジャンルが出てきますが、そんな音楽に纏わるウンチクなどは「どうのこうのいいや」と明言しています。
ややこしい堅苦しいことは主人公にとってはどうでも良いことでしかなく、重きをおいているのは「君のことが好き」という気持ちのようです。
更に起きているにもかかわらず「夢見心地」とあります。
「君」への恋する気持ちをひたすらに「ポエム」にしていたなんて、とても健気でピュアな心の持ち主なのかな、と感じます。
主人公は「一週間」欠席してどうやらある種の「自分探し」的なことをしていた様です。
しかし、肝心の探し物はどこにも見つかってはいないのです。
「放送室」はどこの学校でもあるものですが、ここでは「心の放送室」とあります。とてもプライベートな印象を受けます。
「放送室」に「鍵」がかかって閉まっていたら音楽はかけられず誰もその音楽を聴くことができません。
主人公は常に音楽がかかっていて欲しい、そしてその音楽を皆に聴いて欲しいという願望があるのがわかります。
ここでのキーフレーズは「大好きばかり 見つけに行きたい」と言えるでしょう。
そして「好きならなんでもいい」とあり、「音楽」を筆頭に様々なものが列挙されています。
どんなものでもただ「好き」という思いさえあれば良しとする、という概念は大正解なのです。
「好き」であればおのずと「ドキドキでき」ますし、この「ドキドキ」がとても私たち、とりわけティーンエイジャーにとっては必要不可欠なものだと言えるでしょう。
そして「放送室」の件ですが、「みんなが帰っちゃう前に」主人公の曲をかけて欲しいと言っています。
多くの人に自分の曲を聴いてもらうのは「放送局」がうってつけですが、兎に角、多くの人に聴いてもらいたいという強い願望がここでもリピートされています。
どこにも売っていない探しもの
「渋谷原宿下北」と、ここでは若者が集まる東京都内の街の名前が並んでいます。
実際に「なんでもある」というのは過言ではないのですが、主人公が探している「ドキドキ」する「大好き」なものはそんな街の店頭に売られているものではないということなのです。
心惹かれる様々モノが前出の街では売られており、実際に主人公の手元にもあるのかもしれません。
どんなにモノを持っていても「足りないや」とあり、本当に欲しいもの=「ドキドキ」する「大好き」なものは簡単には手に入らないというジレンマを感じているのかも知れません。
探し物を見つける場所は、都内どころか宇宙にまでその範囲を広げています。
本当に「大好き」で「ドキドキ」するものは、この地球上にもなく宇宙にまで行かないとないのでは?という位、主人公にとって入手困難なものであるようです。
更に、再び「心の放送室」が登場し、音楽は「大音量」でかかっているようです。「全僕に聴かしていた」とありますが、これは好きでよく聴く楽曲が勝手に脳内再生されているようなイメージでしょうか。
よくわからない。でも明るく楽しく
ここでも更に、「ドキドキ」する「大好き」になる対象が羅列されています。
趣味的なものだけでなく、人によってはその対象が「仕事」であったり「恋愛」であったりもします。千差万別です。
そして、今現在その対象を見つけていて手に入れようとしている人もいれば、まだそれが何であるかわかっていない、という人も大勢いるはずです。
主人公は「いつか それに 出会えたらいい」と明言しています。
そして、「もう人生なんて よくわからないし」と、真理とも言えるような言葉をストレートに投げかけています。
「よくわからない」と言うものの、「少しでも 明るく楽しくいたい」と続き、決してネガティブであったり投げやりであるわけではないのが見て取れます。
「それはそれでいいじゃん」と「みつからない」ことに対して、あるがままに受けとめてポジティブな印象が見受けられます。
そして最後に、DJに対して「僕の曲」をかけてもらうことに固執するのではなく、「僕の曲は僕が歌うこと」を選択し、主人公の主体性が感じられます。
それと同時に、音楽をライブで届けることを大事にする、というマイヘアの音楽に対するスタンスが感じられる部分でもあります。
ここでは「大歓声や拍手」が実際にその場で聞こえてこないこと、つまり現在の音楽を演奏する方々の現場が描かれています。
ライブハウスやコンサート会場で、何とか演奏することは出来るものの無観客であったり、有人であっても声を発することが禁じられ、これまで当たり前だった光景がなくなってしまっています。
しかし演者である主人公の「心の中」では「大歓声や拍手」は聴こえており、無観客のライブであっても、音楽の現場に戻ってこれた嬉しさを感じているのでしょうか。
「ただいまと漏らしてしまった」というフレーズは心に響くものがあります。
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さいごに
本楽曲「歓声をさがして」は、様々なリスナーの心に響くメッセージ性の高い作品となっています。
ティーンエイジャーの自分探しを歌った楽曲であると同時に、音楽の受け手や送り手にとって、コロナ前の「ライブ」が如何にかけがえのないものであったかを思い巡らす楽曲となっている「歓声をさがして」。
本楽曲を手掛けたMy Hair is Badの今後の活動にも是非注目したいですね!