今回は、RADWIMPSの新曲「KANASHIBARI feat.ao」の歌詞を考察していきたいと思います。
4月18日から放送が始める新ドラマ『unknown』の主題歌として書き下ろされた本楽曲。
フィーチャリングアーティストとして、16歳のシンガーソングライター・ao(アオ)さんが酸化しています。
ドラマの内容、楽曲コメントと合わせて見ていきましょう。
新ドラマ『unknown』
高畑充希さんと田中圭さんが主演のサスペンスドラマ。
人気ドラマ『おっさんずラブ』の制作陣が再集結して制作されたドラマで、注目を集めています。
どんな物語が展開されていくのか、こころの抱える秘密とは何なのか？
ドラマの放送が楽しみですね！
楽曲コメント
RADWIMPSの野田洋次郎さんのコメントをご紹介します。
昨年夏ごろ、プロデューサーの貴島さんとお会いし話をさせてもらいました。心から楽しそうにドラマの中身をお話しくださる貴島さんが印象的でした。
主題歌に関してたくさんの想いやキーワードをいただいた中で僕の中に強く残ったのが「絶望的なラブソング」という言葉でした。
諦める理由がいくつ生まれようとも、二人で進んでいこうとするこころと虎松の姿に心動かされました。二人の、そしてこの物語に出てくる登場人物みんなの背中を大きな力で押せるような楽曲にしたいと思いました。
音楽的にも、僕一人ではおそらく到達できなかったような面白い楽曲になりました。「unknown」に感謝です。これまでのキャリアの中でもまったく異質な面白い楽曲に仕上がったと思うので楽しみにしていてください。
aoさんとは今作ではじめてご一緒させてもらいます。この曲の2番を誰かに歌ってもらいたいと漠然と思っていた時、YouTubeで彼女の歌声を耳にし、引き込まれました。まだ高校生と聞いて驚きました。今しかないその声で、この曲を彩ってほしいと思いました。素晴らしい歌をありがとう。
いち早く脚本を読ませていただいた感想は、これでもかと観るものを振り回してくれる縦横無尽アトラクション型のドラマだなと思いました。きっと俳優の方々のお芝居によってさらに予測不能なエンターテイメントになることと思います。楽しみです。
これまでの曲とは違った「絶望的なラブソング」
どんな仕上がりになっているのか、楽しみですね！
KANASHIBARI feat.ao 歌詞考察
その声で僕の名を 呼ばれるたびに
僕の身体は明日を生きる意味を 一つもらうよ君のすべてを記した 手紙を僕が今手にしたら
迷わず破り捨てて ここで飲み込むよ
1番の歌詞は、田中圭さん演じる虎松の視点で描かれていると感じました。
僕＝虎松、君＝こころ、ですね。
“その声で僕の名を 呼ばれるたびに 僕の身体は明日を生きる意味を 一つもらうよ” という歌詞から、虎松にとってこころの存在がどれほど大きいものなのか推し量ることが出来ます。
“君のすべてを記した手紙” は、こころが抱える秘密が書かれた手紙でしょう。
もし、君の秘密を知る機会があったとしても、”迷わず破り捨てて ここで飲み込むよ”。
愛しているからこそ、どんな秘密があっても受け入れるという強い覚悟が読み取れます。
「一体何回生まれ変わったら」 悲しみなんかも愛せるのかな
一回こっきりの人生一気して 飛び込んだんだ この世のど真ん中泣きたくなるような君の笑顔とか 明日みたいに光るその声も
君がいないなら意味なんかないから 君に歌う キ ミ ニ ウタウ
LOVE SONG
秘密を抱えた二人の間には、幾度となく悲しい現実が訪れることでしょう。
それでも、一回きりの人生を後悔しないために、君という存在に向き合い続ける虎松の心が歌われているように感じます。
“泣きたくなるような君の笑顔とか 明日みたいに光るその声も”
虎松のこころに対する想いの強さ、深さが伝わってきますね。
2倍速の世界 4倍速で通過 そんな時代だが 君のことは
2分の1倍速でも足りないな スーパースローで一生見てたいや行ってみたいとこ やってみたいこと 無限にあるけど君がいないと
味がどうゆうわけかしないの 言ってる意味 わかるでしょ？
目まぐるしいスピードで変化していく現代社会。
倍速の世界の中で、愛おしい君の姿だけは、スーパースローで見ていたいと歌われています。
君との一瞬一瞬を大切にしたいという想いの表れではないでしょうか？
君がいないと何をしても味がしない。
それほど虎松にとってこころが大きい存在であることが分かります。
金縛りのように 身動き取れない 得体の知れない 気持ちの正体
知りたいようでやっぱ一生知らないでいたい 神様さえ知らないような愛し方したい
差し違える寸前で抱き合っていたい
“知りたいようでやっぱ一生知らないでいたい”
秘密があることは分かっていても、知ってしまうと関係が壊れてしまうかもしれない。
知りたいけど知れないもどかしい気持ちと、秘密があっても愛し続けるという想いが混ざり合って “得体の知れない” 感情になっているのではないでしょうか？
“差し違える寸前で抱き合っていたい” とあることから、虎松は秘密を抱えたこころを、そのまま愛することを選択したようです。
この日々だけは 何言われても 私が確かに 掴んだ光
私の全部なんて知らないでいい あなたの全部で 私を見てて君の痛みと私のこの痛みは 生まれも育ちも違う他人同士だ
けど私たちで二人の細い手と手 繋がせて結ばせてあげられないかな絶望なんてきっと 生きようによっちゃリアル体験版 障害物競走
それならばもういっそ 走り切る 今を 君とわからないことばかり溢れてる それが何？
そんなステキな世界を私たち二人で一緒に笑って迷子になろう
「迷子の最後」を確かめにいこう
ここからはaoさんのパートになります。
歌詞を見ると、一人称が “私” に変わっていることから、秘密を抱えたこころの目線で描かれていると考えられます。
虎松と過ごす幸せな日々は、秘密を抱えた私がやっと掴んだ光。
ずっとこの日々が続いてほしいという、こころの願いが歌われているように感じます。
“君の痛みと私のこの痛みは 生まれも育ちも違う他人同士だ”
これは、こころと虎松に限らず、全ての人に当てはまる歌詞ですね。
付き合っても、結婚して家族になっても、相手の全てを知っているわけではありません。
全てを知らなくても、お互いに信じあって生きていきたいという希望が読み取れます。
「あなたは、大切な人のすべてを本当に知っていますか？」というドラマのテーマに対する答えが歌われている気がしました。
猛スピードで進んでいく時代を、君と一緒に駆け抜ける。
これから先の人生も、ずっと一緒に進んで、”一緒に笑って迷子になろう” と、紆余曲折を経て進んでいく人生がRADWIMPSらしい歌詞で表現されています。
間違い続ける僕が 君を見つけたことだけは
何万の間違いなんか 帳消し起死回正解だった痛みを超える強さとか 絶望も黙る希望とか
君がいなきゃ一つとて 知ることのない光どれだけ違っているかより たった一つだけでいい
この宇宙で僕らだけが知る 絆があれば
再び虎松視点に戻ります。
これまでの人生の中で、何万回もの間違いを犯してきた自分が、君と出会えたのは、それまでの間違いを帳消しにするほどの大正解だった。
君と出会ったことで、”痛みを超える強さ”、”絶望も黙る希望” を知ることが出来たと歌っています。
絶望の中でも、お互いを信じ合う絆が大切であることが分かりますね。
八方塞がって がんじがらめも慣れっこの運命
君と出逢って これもまたいっかななんて思えて「自分」をなんでか選べず生まれ落ちた僕ら
せめて生きている間だけのたった一つは選びたいの 君じゃないと もう離さないよ
ざまみろよ
君と出会って、迷子になることの恐怖もなくなった主人公。
君と一緒に迷子になって、迷子の最後を見つけに行くのなら、それもまた楽しそうだと、君と過ごす明るい未来を想像している様子が浮かびます。
最後は、運命そのものに対しての想いが歌われているのではないでしょうか？
運命に導かれて、環境や自分を選べず生まれ落ちた僕たち。
でも生きている間は、自分で選択して生きたいように生きてやる、せっかく出会えた大切な君を離してたまるかという強い想いが読み取れます。
“ざまみろよ” は、運命に対して、お前の思い通りにはならないぞ、生きている間は精一杯自分の好きなように生きてやるという想いが込められているように感じました。
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さいごに
いかがでしたか？
これまでになかったRADWIMPSの一面が見れる素敵な楽曲でした。
ドラマの放送が楽しみです！
降りしきる雨、地面に広がる赤い血。
そこに薬指に指輪をした、ウエディングドレス姿の女性が横たわっている――。
夜明け前。路肩に停めた車の中で、あくびをする闇原こころ（高畑充希）。
『週刊熱波』のエース記者である彼女は、相棒カメラマンの加賀美圭介（町田啓太）と共に、清純派女優のスクープつかむため張り込みをしている。
こころは、恋人である交番勤務の警察官・朝田虎松（田中圭）と付き合い始めて１年。さらには次のデートがこころ30歳の誕生日のまさに当日だと知った加賀美は、「そろそろプロポーズ来るんじゃない？」と囃し立てるも、こころは複雑な表情を浮かべる。
時は巻き戻り2年前。最悪の出会いを果たすこころと虎松。その後も、職質をかけられスクープを逃したり、泥棒に間違えられたところを救出されたり…しかし、喧嘩ばかりで犬猿の仲だった真逆な2人は、いつしか恋に落ちてゆく。
しかし、こころには結婚に踏み切れない理由があった――。
ドラマ公式サイトより