目次
今回はゲーム「アイドルマスターシャイニーカラーズ」より斑鳩ルカの歌う「神様は死んだ、って」の歌詞を考察したいと思います。
インパクトの強い楽曲名、どんなメッセージが読み取れるのか楽しみですね!
斑鳩ルカ(CV川口莉奈)とは
「アイドルマスターシャイニーカラーズ」に登場するキャラクターの一人で成人済み・ソロのアイドルとして活動しています。
悩める現代女子の「カミサマ」的な存在で一部ではカルト的な人気を得ており所謂「信者」の入れ込みようは強いと設定されているキャラクターです。
見た目や楽曲のイメージに反して母親との関係は良好とされており、スナックのママをしている母が作るナポリタンはルカの好物との事。
アイドルマスターシャイニーカラーズ
略称は「シャニマス」で2005年7月よりナムコから展開され続けているゲーム「THE iDOLM@STER」のシリーズの一つです。
シリーズに共通するスタイルはプレイヤーはプロデューサーとなり、登場人物達をアイドルとして育成し、他のプロデューサーが育成したアイドルと対戦するという流れが基本となっています。
声優 川口莉奈さん
斑鳩ルカを演じた声優である川口莉奈さんは2023年2月現在、出ている情報は少なく駆け出しの声優さんの一人です。
とはいえ今回楽曲「神様は死んだ、って」も素敵な表現力で歌い切っており、この先が非常に楽しみな声優さんではないでしょうか。
特技の一つに紅茶を美味しく入れられるという事が公表されており、ただ入れられるだけでなく美味しく・・・・とは、気になるポイントです。
またイラストが趣味との事で、Twitterには川口莉奈さんの描いた斑鳩ルカが挙げられていて、とってもお上手でした!
ご自身の気になる事や好きな事は極めていく性格なのかもしれませんね。
楽曲「神様は死んだ、って」
2021年12月19日に開催されていた「Xmas Party -Silent night-」のイベント公演終演の旨がアナウンスされた後に突然斑鳩ルカ役の川口莉奈さんが登場、楽曲を披露しMCも無く舞台を後にしたそうです。
その後配信限定で楽曲の販売。
2023年1月に「シャニマス歌ってみたキャンペーン」が開催され、そのキャンペーンに合わせてオリジナルMVが公開される運びになりました。
ジャケットの秘密
「神様は死んだ、って」の配信時のジャケットは「アイドル」とはあまりにもかけ離れた黒く塗りつぶされたようなジャケットです。
普段からヴィジュアル系などに触れていればさほど抵抗はないかもしれませんが、キラキラしたアイドルの世界観が好きな方は一瞬躊躇してしまった方もいるかもしれません。
しかしこのジャケットには秘密があると、配信当時から囁かれている噂があるのです。
同じシャイマスに登場するユニット「SHHis(シーズ)」のジャケットを反転させ塗りつぶしたものではないか・・・というのです。
SHHisには斑鳩ルカと深い関りを持つ緋田美琴というキャラクターがいる事を考えると、いい意味で心が平常心を失いそうになります。

神様は死んだ、って 歌詞考察
あぁ、嫌い
憐れむみたいなその眼が
あぁ、嫌い
何様気取り?あぁ、嫌い
出典:神様は死んだ、って / 作詞:烏屋茶房 作曲:水野谷怜(Arte Refact)
綺麗事の刃で
流れた血の黒さも知らずに
「大丈夫?可哀そうに。」良かれと思った言葉は、心が疲れ切っている人間には逆効果。
意図せず、更に傷付けてしまうのです。
主人公はまさに今その状態。
気にかけてくれる言葉もただのマウントに感じ、憐れむ様な視線だと受け取り、「何様?」と苛立ちを隠せません。
綺麗事は時に人を深く、深く傷付けます。
綺麗事は所謂「正義」だから、受け入れられない人間は自然と「悪」に仕立て上げられてしまう理不尽な構図。
主人公も、あぁ嫌いと嘆いています。
綺麗事の刃で傷付いたこの心も知らずに・・・。
深くえぐられた傷口からは黒い血が流れたというのに。
ちなみに、血液と言えば一般的には赤色ですが、暗い赤色の血も見かける事もあるのではないでしょうか。
実は酸素の含有量の違いなのですが、個人的には深い傷の時程血の色が暗いイメージがあるので、ここでは(心の)傷の深さを表しているのではと解釈しました。
イバラの中に落とされた体
出典:神様は死んだ、って / 作詞:烏屋茶房 作曲:水野谷怜(Arte Refact)
絡まって 痛くて 泣いて 裂けて 傷だらけ
いっそ死んでしまいたいな、って
抉り出された劣等感が
ズキズキ ズキズキ 毎日うるさいの
厭
この楽曲の歌詞には所々キリスト教の言葉が出てきます。
イバラとは植物を指すと解釈する場合、棘のある低木の総称の意味ですし、キリストの頭に乗せられた荊冠を連想する方もいるのではないでしょうか。
いづれにしてもここで出てくる「イバラ」とは棘を連想する事から主人公を傷付ける全てのものを表しているのではと考えています。
心無い言葉、表情、人間関係、耳からの情報、目からの情報、この世は荊の棘の様に主人公を痛めつけてきます。
刺さって痛いから動いてしまいますが、そうやって動く事でまた新しい棘が主人公を傷付けるのです。
こんなに傷だらけになるのなら、いっそのこと死ねればいいのにとの叫びに変わり、露わにされた主人公の劣等感は毎日痛むのです。
(Oh my god!
出典:神様は死んだ、って / 作詞:烏屋茶房 作曲:水野谷怜(Arte Refact)
紛い物の救済
楽園はどこにもない
満たされない渇き
病める子羊)
(助けたフリした、紛い物の救済。
「助けてあげた」という承認欲求を満たすだけの行為。
楽園なんてどこにも無くて、心は満たされる事無く渇いていく一方。
キリスト教で使われる「迷える子羊」を連想させる病める子羊、ですね)
最低 最低 最低 なにもかも
出典:神様は死んだ、って / 作詞:烏屋茶房 作曲:水野谷怜(Arte Refact)
絵空事 御飯事
こんな世界ごと今
壊して 壊して もう終わらせて
救えない祈りを
神様は死んだ、って
最低・最低・最低・・・・いいですね、病んでます。
この世の全てが絵空事、大袈裟でありもしないもの、そして御飯事(おままごと)・・・つまりお遊び、といいたいのでしょうか。
そんなくだらない世界なんて壊してもう終わらせて欲しい、という主人公の心の叫びです。
自分を救えない祈りなど必要ないから、神様は死んだ、って(誰かが言ってるよ)
ここで楽曲名でもある「神様は死んだ、って」という言葉が出てきますが、「、」で区切っている意味を考えると、第三者が言っていた言葉を主人公が漏らしたと考えると自然です。
あぁ、厭
心を探る太陽が
あぁ、厭
目が焼けそうだあぁ、厭
月も星も憂鬱ぶって
照らさないでよ
居場所を奪わないで ねぇ大事だった愚かな祈りが
出典:神様は死んだ、って / 作詞:烏屋茶房 作曲:水野谷怜(Arte Refact)
信じ込んだ偽の福音が
この悔いが この罪が この罰が
この痛みだけが私の全部
太陽は、自分を気にかけて近付いてくる「他人」ではないでしょうか。
一見優しくて太陽の様ですが「どうしたの?」「話聞くよ」の言葉の裏は興味本位だけ、という人達もいる事は事実。
ああ、そういう人は厭。
目が焼けそう、は見たくもない、という意味ではないでしょうか。
主人公にとって、そっと自分の殻にこもっているのが一番楽であり主人公の大事な居場所なのだと思います。
漸く落ち着ける夜(殻にこもって外を遮断した状態)になったのに、月や星(他人)がまた照らし出そう(気にかけよう)としてくるのです。
一人でいる事は主人公にとって唯一心が解放され、落ち着ける居場所なので、その居場所(時間)を奪うなとご立腹。
一人の時間が定期的に必要な人間は無理やり「悩んでいるなら騒いだ方がいいよ」と明るい場所に連れ出されてしまうと余計に疲れてしまうので要注意。
良かれと思った行為が余計に相手を追い詰める典型的な形です。
それでも主人公が前向きに祈りを持っていた時もあるのでしょう。
今思えば、救えない祈りであり信じていた自分が愚かだという事なのかなと思います。
福音とは「キリストの教え」だったり「喜ばしい知らせ」という意味がありますが、その時は本気で信じていた未来、そして今抱えている後悔、罪と罰、そして痛む心の傷だけが私の全部、つまりそれ以外は何も持っていないと主人公は思っているのではないでしょうか。
(罪人たちの冠
楽園はどこにもない
満たされない渇き
病める子羊)誰か
出典:神様は死んだ、って / 作詞:烏屋茶房 作曲:水野谷怜(Arte Refact)
福音なんていらない
偶像も崇拝もいらない
たった一つだけ教えて
もがき苦しんで生きてゆく理由を
(罪人たちの冠とは、荊冠の事でしょう。
楽園なんてどこにも無くて、望む心は何も得られず渇いていく
病んでゆく私)
福音、教えや明るい未来も信じる対象も、何かを信じようとする心も自分にはいらない、と主人公は言い放ちます。
だけど、その代わり誰か教えて、と。
こんなに苦しくて辛い思いをしながらも生きていく意味を・・・。
どうしようもなく辛い時、私もそう思います。
神様が与えた試練だとか、七転び八起きとか言いますが、辛い思いをしてまで生きる事に何の意味があるのでしょうか。
(いつか消えて失くすのに
きっと誰も彼もみな 忘れるのに
この胸の痛みだけが 私の永遠Oh my god!
出典:神様は死んだ、って / 作詞:烏屋茶房 作曲:水野谷怜(Arte Refact)
紛い物の救済
楽園はどこにもない
満たされない渇き
神の嘘つき)
(辛さに耐えて生き抜いても、いつか全て手放して人生という長い道が終わっていくのに。
失った悲しみすら、誰も彼もが忘れてゆくのに。
この胸の傷の痛みは私にとって永遠だけど)
人の人生いつか終わってしまうのに、記憶からも消えていくのだろうに、なぜ辛い思いをしてまで生きていくのか、主人公の疑問はきっとずっと昔から答えが出ないまま何百代と世代を超えて受け継がれてきた問いかけではないでしょうか。
神様が気まぐれに与えてくれる救済では楽園を見つけられなくて、満たされない心はどんどん渇いてゆく。
希望だとか、未来だとか信じて進めと言った神様の、嘘つき。
主人公は神様に八つ当たりしているのでしょうか。
最低 最低 最低 なにひとつ
変われない 満たせない
こんな私ごと今
壊して 壊して おかしくなるまで
叫び続けている誰かのための絶望じゃないんだ
綺麗事 もう沢山だありものの言葉で
救おうとなんてしないで
全てをもう終わりにさせてこの夜のどこかで
出典:神様は死んだ、って / 作詞:烏屋茶房 作曲:水野谷怜(Arte Refact)
神様は死んだ、って
主人公は本当は分かっているのではないでしょうか。最低なのは変わろうとしない、不満ばかり目についてしまう自分なのだと。
だから、壊して欲しいのは「こんな私」。
修復出来ないほどに壊して欲しい、と主人公の心は叫び続けるのです。
他の誰でもない自分の為の「絶望」
気にかけたフリをして近付いて、聞き出して、陰で嘲笑う、他人の承認欲求を満たす為の「絶望」ではない、笑顔で近付き優しいふりをされるのはもう沢山だ、という主人公の叫びは捻くれているようで、真意でもあるのではと思っています。
ありふれた、月並みの言葉で私を救おうとしないで、と。
そんな言葉達に何の効力もない、そうやって全てを拒絶したこの暗い世界で微かに聞いた福音は「神様は死んだ」という言葉・・・。
主人公にとって神がいない世界こそが、堕ちてもいい世界。
救ってくれる存在がいないことで、救われないことが当たり前になる都合のいい世界なのです。

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さいごに
いかがでしょうか。
アイドルマスターシャイニーカラーズのキャラクター斑鳩ルカの歌う「神様は死んだ、って」の歌詞を考察してみました。
最初から最後まで一貫して病んでる雰囲気が私を含め好きな方にはたまらない楽曲だったのではないでしょうか。
同時に、儚くも力強い川口莉奈さんの声に心地よささえ感じました!
駆け出し中の声優さんとは思えない含んだ歌唱力に、今後の期待が膨らみますね。