Saucy Dog(サウシードッグ)「雷に打たれて」の歌詞の意味を考察します。
4thミニアルバム「テイクミー」(2020年9月)の収録曲。
石原慎也さんが作詞、Saucy Dogが作曲した「雷に打たれて」の歌詞の意味を紐解きましょう。

雷に打たれて 歌詞考察
夢を諦めたのは自分自身
とっくのとうに死んでしまった夢だと
出典:雷に打たれて / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
思い込み ただ逃げ出した
殺したのは自分自身じゃないか
冒頭から激しい言葉遣いでドキッとさせられますが、語り手の「僕」が「夢を諦め、逃げ出したのは自分自身じゃないか」と自責の念にかられている状況です。
この「夢」は睡眠中に見るものではなく、「理想、希望、目標、憧れ」などの意味でしょう。
たとえば「バンドマンになりたい」という「夢」があり、音楽活動をしていたけれど、それだけで食べていくことはできなかったので、諦めて他の職業に就いているといった状況が考えられます。
音楽に限らず、リスナー自身もそれぞれの「夢」を当てはめることができるのではないでしょうか。
真っ暗な中沈んでしまった心を
出典:雷に打たれて / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
取り戻す為走り出せ 幾らでも
何度だって間違ったっていいよ
「夢を諦めたので、心が沈んでいる」という展開です。
たとえば「現実と理想」を天秤にかけ、生きるためにはお金を稼ぐ必要があり、本当にやりたいことを犠牲にせざるを得ない場合もあるでしょう。
そうしているうちに「何のために生きているのか?」と迷いが生じるようになり、気分が晴れないまま落ち込んだ日々を過ごすこともあるものです。
本当にやりたいことは趣味として続け、お金を稼ぐための仕事にもやりがいを感じるようになるなどの妥協点が見つかり、自分の人生にどうにか折り合いがつくといいのですが、必ずしもそうならないこともあるでしょう。
「夢を諦めたのは間違いだった」と気づいたら、「心を取り戻す」方向に動こうと呼びかけています。
止まったままの時間で
出典:雷に打たれて / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
泣いたから分かったんでしょ?
崩れ落ちそうな時は迎えに行くよ 僕が
「仕事と趣味」の二択に限らず、「心」のなかで思っていることと行動にギャップがある日々を続けると「時間が止まったように感じる」場合もあるかもしれません。
「悲しみに暮れたときは僕が迎えに行く」という流れです。
石原慎也さんやサウシーがリスナーを「迎えに行く」という意味なのでしょうか。
雷に打たれたみたいだ
出典:雷に打たれて / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
僕が僕を助けなくちゃダメなの
冒険は好きだよ ララル
鼻唄混じりで生きていけないか ずっと
1番のサビです。
曲名の「雷に打たれて」に通じる歌詞が出てきました。
おそらく「雷を伴う大雨が降ったくらい涙を流した」という意味でしょう。
「どん底状態まで落ち込んだら、雷に打たれたみたいに気がつくこともある」というイメージです。
その「気がついたこと」が「僕が僕を~」に該当するでしょう。
「自分が自分を愛していなければ、誰にも愛されるはずがない」と同じ理論で、「自分が自分を助けなければ、誰にも助けられるはずがない」という話のようです。
「誰かに愛してもらうこと、助けてもらうこと」を期待する受け身状態では何も解決しないので、能動的に自分自身に働きかけるべきだと気がついたのでしょう。
「自分で自分を助ける」行為を「冒険」と称しています。
しかも「ララル」の「鼻唄混じり」で何だか楽しそうです。
泣き暮らした果てに「雷に打たれたみたい」な気づきがあり、「心」が軽くなったのでしょう。
鼻唄混じりで生きていこう
スーツを着たら背筋が伸びるあの感覚
出典:雷に打たれて / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
20歳の頃 ただ笑ってさ
夢を謳ってた僕を思い出すんだ
「僕」は「20歳の頃」学生だったのでしょうか、あるいはバンド活動に明け暮れるなど「夢」を追いかけていたのかもしれません。
「スーツ」といえば社会人の制服のようなイメージです。
とくに若い頃は自由度の高い職業に憧れ、「スーツ」に象徴される真面目さをカッコ悪いと思いがち。
しかし「スーツ」を着る、着ないにかかわらず、誰しもコツコツ働いたり、家事や育児をこなしたりする大人になるものです。
そのうちに描かなくなった「夢」を「思い出す」という話でしょう。
マイナスな事は1つも過らない
出典:雷に打たれて / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
無敵だったあの頃とは
確かに違うかもしれないよ だけどまぁ
「若い頃に描いた夢」と「大人になってから思い出す夢」には「違い」があると指摘しています。
停滞や挫折を経験した後に見る「夢」の場合、可能性が無限に広がるような「無敵感」を覚えることはなさそうです。
「プラス思考ばかりでいられるか、マイナス思考が過(よ)ぎるか」という点が異なります。
僕は僕でしかないし
出典:雷に打たれて / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
数えきれない失敗も
誰かにとっての汚点でも
全て愛してみせるよ
「失敗」や「汚点」だらけの人生でも、落ち込んだ果てに「自分で自分を助ける必要がある」と気づき、そのためには「自分を愛する」ことがポイントだと実感したのでしょう。
「自己愛が強すぎるナルシスト」とは真逆の「自己肯定感が低いタイプ」の人は、「自分で自分をゆるす」ところから始めると「自分を愛せる」ようになるのではないでしょうか。
いつの間にか泣いてた夜は
出典:雷に打たれて / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
誰にも分からない悲しみ 苦しさの渦
虚しさ背中を押してよ 僕ら
迷ったり 泣いたり 悔やんだり 遠回りばっか
「僕ら」と複数形になっているので、石原慎也さん自身が「自分を助け、自分を愛する」ようでもあり、サウシーとリスナーも一緒になって「悲しみ」を乗り越えようとしている様子が伝わってきます。
雷に打たれて
出典:雷に打たれて / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
ララル
鼻唄歌って
ララル
大雨のような涙を流し続けると、その果てには「雷に打たれる」ほどの気づきがあり、「鼻唄を歌える」ようになるという結末でした。
ラストに1番のサビが繰り返されます。
ともに「自分を助ける冒険」を続けられるといいですね。

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さいごに
「現実が忙しくて、夢を追いかける暇などない」という人もいるでしょう。
その場合は「大がかりな夢」に限らず、「心の潤い」と捉えると共感しやすいかもしれません。
自分を愛し、自分を助けるようにしていくと、まわりにも優しくできるようになり、「心の潤い」が生まれるのではないでしょうか。