今回は、2023年2月3日に公開される映画「スクロール」の主題歌としてSaucy Dogが書き下ろした「怪物たちよ」という楽曲を考察していきたいと思います。
今までになくかなり攻めた歌詞だという本楽曲。
どんな物語が歌われているのか楽しみです!
映画のあらすじ、楽曲コメントと合わせて見ていきましょう。
映画「スクロール」
2023年2月3日公開の北村匠海さんと中川大志さんのW主演映画作品。
YOASOBIのヒット曲「ハルジオン」の原作者としても知られる橋⽖駿輝先生のデビュー小説を映画化した作品で、理想と現実のギャップを感じつつも、必死に自分と向き合う若者たちの姿が描かれます。
どんな結末を迎えるのか、映画の公開が楽しみですね!
楽曲コメント
Saucy Dog・石原慎也さんのコメントをご紹介します。
現代社会に生きる人々に刺さる物語。
Saucy Dogがどう表現しているのか、歌詞の公開が楽しみです!

怪物たちよ 歌詞考察
タイトルの怪物は歌詞の中にも登場します。
石原さんもツイートしていますが、この怪物とは何を指しているのでしょうか?
早速歌詞を見ていきましょう!
だらしのない生活に息を潜める怪物達よ
なんて素晴らしくって退屈な日々なんだ!
穏やかな夜に乾杯
しけたツラした僕にジャスハイ幸せの価値観なんて人によって違うもんなのさ
出典:怪物たちよ / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
定規で測れるような生き方はひとつもない
僕らの明るい未来に乾杯
もう嫌いなやつらはバイバイ
冒頭では、何の変哲もない毎日を、ただ惰性で過ごしている人々の生活が歌われています。
代わり映えのない日々の中で息を潜める怪物たち。
なにもない=平和というメッセージが伺えます。
“幸せの価値観なんて人によって違うもんなのさ” とあるように、何が幸せなのかは一人ひとり違います。
「みんな違ってみんないい」人生を送っているのだから、自分の嫌いな人とは関わらずに平和に暮らしていきたいという主人公の想いが伝わってきますね。
耳元で聞こえた誹謗が消えてくれない
忘れる為また飲んで後悔を繰り返す見えないやつの視線に怯えて
出典:怪物たちよ / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
夢の中で号き疲れて壊れてしまいそう
全てが黒く見えてしまうけど
麻ロープで首を括り手にする自由よりも
僕らはきっと強くなれるはず
こんな世界でもまだ
しかし、そんな平和な暮らしは長く続いてくれません。
“耳元で聞こえた誹謗が消えてくれない”
これはTwitterや他のSNSで書かれた心無いコメントを指しているのでしょう。
たくさんのポジティブなコメントがあったとしても、一つのアンチコメントのほうが記憶に残ってしまうものです。
ネットの普及で、個人の情報発信が簡単になったことで、画面越しの相手を思いやることの出来ない人が増えていますよね。
この楽曲のタイトル「怪物たちよ」は、そうした簡単に人を傷つけてしまう人々を指しているのだと考えます。
一度、気になってしまえば疑心暗鬼に陥り、世界中の誰もが自分を誹謗しているように感じてしまいます。
“麻ロープで首を括り手にする自由よりも 僕らはきっと強くなれるはず”
これは自殺して死による自由を手に入れるよりも、もっと他にするべきことがあるだろう、という力強いメッセージが込められているように感じました。
映画のプロローグとの関連性が伺える一節です。
人を傷つけて嬉しそうな愚かなる怪物達よ
出来ることといえばせいぜい陰口くらいだもんな
可哀想な君に乾杯
もうそのままでいいよララバイ気に入らない事を取り上げて叩いてみたり
出典:怪物たちよ / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
誰も幸せになれない気がすんだ。もう気が済んだ?
心無い言葉で画面越しの相手を傷つけてしまう “怪物達” に向けたメッセージが歌われています。
お前らができることなんて、せいぜい陰口をたたくだけ。
人を貶すことしか出来ず、自分では何も出来ない “可哀想な君に乾杯”。
ネット社会に潜む怪物達を痛烈に批判しています。
“気に入らない事を取り上げて叩いてみたり 誰も幸せになれない気がすんだ。もう気が済んだ?”
なにかトラブルが起きると、鬼の首を取ったように燃え上がるアンチ達。
炎上というワードも珍しく無くなりましたが、それは何も生まないじゃないかと訴えかけています。
言葉はピストル引き金を引けば
出典:怪物たちよ / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
当たり前に人は死ぬぞ分かってて言ってんの?
そんなやつらに耳を貸さなくていい
「だから何?」と微笑ってやれ
遇らってしまえばいい
“言葉はピストル引き金を引けば 当たり前に人は死ぬぞ分かってて言ってんの?”
この部分は、いちばん大切なメッセージですね。
たかが言葉、文字だけど、それで人は簡単に死んでしまう。
言葉は、一人の人間を死に追いやってしまうことのできる凶器になりえるんだと強く訴えかけています。
それでも無くならない誹謗中傷。
石原さんは “そんなやつらに耳を貸さなくていい” と呼びかけています。
人間の気持ちがわからない怪物達の言葉なんて知ったことではない。
今を生きる多くの人々に刺さるメッセージです。
嫌いで良いからもう
関わらないでくれよ
雑音に怯えながら生きる事は難しい誰かの所為にしたい
出典:怪物たちよ / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
でも全部自分の決めた道ならば
悩みながら生きることも素晴らしい
ここでは石原さん自身の想いが歌われていると感じました。
聴きたくない人は聴かなきゃいいのに。
音楽に好き嫌いがあるのは当たり前、だから “嫌いで良いからもう 関わらないでくれよ” 。
有名になればなるほど、アンチ、意味もなく批判してくる人は増えてきます。
でも自分で決めた道だから一歩ずつ進んでいこうという前向きな想いが伺えますね。
“悩みながら生きることも素晴らしい”
悩みの種が多い現代社会で生きる人々に救いを与えてくれる優しい歌詞です。
「これが僕だ」と言えなくなるような
世界なんて変えてしまえ心まで渡さないで
嵐の中に星を探すような
生きている意味を越えていく日々
枯らさないで「これが僕だ」って自信がなくたって
出典:怪物たちよ / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
らしさなんてきっと死ぬまで判らないもんなのさ
「それが僕だ」って答えはなくたって
悩め、生きて。怪物達よ
出る杭は打たれる、個性を出しちゃいけないなんて世界は変えてしまえ。
自分のアイデンティティ、意見、想いは誰からも批判されることのない世界でありたいという願いが歌われています。
自分らしさが分からなくても、生きている意味が分からなくても、迷いながら悩みながら生きるのが人生なのだ、というメッセージが歌われています。
まさに ”嵐の中に星を探すような” 途方も無い道でも、希望を捨てずに進み続けていこうという応援の想いが伝わってきました。
“悩め、生きて。怪物達よ”
誰しもが怪物になる可能性を持っている、だからこそ、言葉は凶器になり得ると自覚し、一人ひとりが思いやって生きていくことが大切なのです。
今を生きるすべての人々に聴いてもらいたい素敵すぎる楽曲でした。

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さいごに
いかがでしたか?
石原さんの深すぎるメッセージ。
映画と合わせて見ると更に印象深く感じられそうです。
学生時代に友だちだった〈僕〉とユウスケのもとに、友人の森が自殺したという報せが届く。
就職はしたものの上司からすべてを否定され、「この社会で夢など見てはいけない」とSNSに想いをアップすることで何とか自分を保っていた〈僕〉と、毎日が楽しければそれでいいと刹那的に生きてきたユウスケ。
森の死をきっかけに“生きること・愛すること”を見つめ直す二人に、〈僕〉の書き込みに共鳴し特別な自分になりたい願う〈私〉と、ユウスケとの結婚がからっぽな心を満たしてくれると信じる菜穂の時間が交錯していく。
青春の出口に立った4人が見つけた、きらめく明日への入口とは──?
何者にもなれない4人が、ひとつの死をきっかけに、明日への一歩を踏み出す。
私たちが目にするのは、4人の中にきらめく、私たち自身の欠片。
痛みを知る者にしか見えない光を描く、絶望を抱きしめる希望の物語。
映画公式サイトより