ONE OK ROCK(ワンオクロック)「カゲロウ」の歌詞の意味を考察します。
1stアルバム「ゼイタクビョウ」(2007年11月)の収録曲。
TAKAさんが作詞・作曲、Alexさんが作曲した「カゲロウ」の歌詞の意味をチェックしましょう。

カゲロウ 歌詞考察
カゲロウは陽炎?それとも蜉蝣?
君を想う気持はカゲロウ
出典:カゲロウ / 作詞:TAKA 作曲:Alex・Taka
伝えられず僕は漂う…
頭サビから始まる「カゲロウ」の曲名は、空気の密度に差があるとき、光が屈折してゆらゆら揺れ動くように見える気象現象の「陽炎」のことでしょう。
あるいは昆虫の「蜉蝣」のゆらゆら飛ぶ様子やホバリング(空中停止)、はかない命も込みで、語り手の「僕」自身の「君」に対する「気持ち」を「カゲロウ」にたとえているのかもしれません。
「気持ち」自体が実体のないものなので、どのような「想い」であっても「カゲロウ」になぞらえることはできるでしょう。
そのなかでも「まだ君に伝えられていない」ところが「ゆらゆら揺れ動くカゲロウ」と重なるようです。
こうした「気持ち」を抱えた「僕」自身も「カゲロウ」のようにゆらゆら「漂っている」ことが伝わってきます。
ふと気づくと僕はここに立っていた
抱くはずのない気持ちを片手に
巻き戻してみたら この想いは見えるかな?
早送りしたら この感情は残るのかな?そんなワケないって 笑ってみるけど
出典:カゲロウ / 作詞:TAKA 作曲:Alex・Taka
その笑いすらもう不自然で
引き続き、「僕」の「君」に対する「気持ち、想い、感情」についての自問自答が描かれていますが、「巻き戻し」や「早送り」という言葉が出てきました。
こうなると、フィルムに光を当て、レンズでスクリーンに投影する「映写、映写機、映画、映像」なども「カゲロウ」になぞらえているのかもしれません
いずれにしても「君」に対する「気持ち」が芽生えたのは「僕」にとって想定外のことで、「いつどのように湧き起こり、今後いつまで続くのか、映像で見ることができるものなら見てみたいものだ」と自分の「感情」でありながら不思議に思っている様子が感じられます。
もちろん自分の「気持ち」を過去や未来へ時間移動させることも、目で見ることもできないと認識しつつ、そのような想像をする自分に「苦笑い」するほど平常心ではないのでしょう。
君を想う気持はカゲロウ
出典:カゲロウ / 作詞:TAKA 作曲:Alex・Taka
まだ自分に素直になれない
本当はもう気付いているのに
ただ言葉にできない自分がうずいているの!
1番のサビです。
結局、曲名の「カゲロウ」には「気象現象の陽炎、昆虫の蜉蝣、映像」の3つの意味が込められていると考えられます。
その「想いがどのようなものなのか?」についてはリスナーもすでに「気付いている」はずですが、まだ「言葉にできない」とのことで、実際に具体的には表現されていないところが「カゲロウ」のようだともいえるでしょう。
そのような「感情」に陥ることが照れ臭いあまり、「認めたくない、受け入れたくない」といった拒否反応が出ているのかもしれません。
「カゲロウ」がリリースされた2007年11月当時、Takaさんは19歳だったので、思春期や反抗期特有の態度と裏腹な「感情」が表現されているとも解釈できそうです。
言葉にできないまま終わる?
意識すればするほど遠のいていく
それが淋しいのは何でなんだろう?別にって態度で話流したり
出典:カゲロウ / 作詞:TAKA 作曲:Alex・Taka
いつもより何故か冷たくして…
特定の「感情」を抱いている相手に「冷たくしたり、無関心な態度をとったり」するのは、その「感情」を認めたくないという自己矛盾が生じているからだと判明しました。
やはりこれは「思春期あるある」でしょう。
自分の「気持ち」を受け入れて優しく接すれば、その「感情」や相手が「遠のいたり、淋しくなったり」することもないはずです。
このように頭では論理的にわかっていることでも、「感情」と「態度」がちぐはぐになってしまうところに青春っぽさが感じられます。
それでも「冷たくされたり、無関心な態度をとられたり」するほうは「嫌われている」と誤解するのではないでしょうか。
あるいは「照れ隠しの真逆の態度」だとバレバレの可能性もあります。
君を想う気持はカゲロウ
出典:カゲロウ / 作詞:TAKA 作曲:Alex・Taka
まだ自分に素直になれない
本当はもう気付いているのに
ただ言葉にできない自分がいるだけなの!
2番のサビは1番のサビとほとんど同じですが、ラストが「うずいているの!」から「いるだけなの!」に変わりました。
相変わらず「気持ちはカゲロウ」のままで、まだ具体的な「言葉」としては表現されていません。
これほどあの「言葉」がゆらゆら揺れ動いているのに、実体としては姿を現さないところが「カゲロウ」のようです。
このままあの「言葉」を出さずに、最後まで「カゲロウ」で押し切るつもりなのでしょうか。
何気ない仕草でも 目だけは君だけを追っていた
出典:カゲロウ / 作詞:TAKA 作曲:Alex・Taka
…なんて考えた時はもう好きだった
君と会うと決めた日は どれだけ自分を隠しただろう?
嫌われるのが恐くて…って考えた時には愛してた
ようやく「好き」や「愛している」という「言葉」になりました。
「言葉にならないカゲロウ状態」が長かったものの、自分でも認めざるを得ないほどの「感情」だと確信したのでしょう。
「冷たくしたり、無関心な態度をとったり」するのは「嫌われるのが恐くて、自分を隠す」行為だったようです。
そこまではなかなか相手に伝わらないでしょう。
ただ、こうして冷静に自己分析できているところは思春期を脱したからなのかもしれません。
すでに「君と会う」こともできているようなので、「照れ隠しの真逆の態度」だとバレバレのパターンだったのではないでしょうか。
「カゲロウ」が「リアルな恋愛」に発展したようで良かったですね。

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さいごに
最終的に「好き」や「愛している」という「自分の気持ちを隠す」ために「カゲロウ」という言葉が使われていたことがわかりました。
つまり「気象現象の陽炎、昆虫の蜉蝣、映像」の3つはミスリード。
リスナーに対しても、歌詞で「冷たくしたり、無関心な態度をとったり」していたことになります。
それでも歌物語の内容と同じように、「カゲロウ=好き、愛している」だとバレバレだったのではないでしょうか。