あいみょん「ジェニファー」の歌詞の意味を考察します。
1stアルバム「青春のエキサイトメント」(2017年9月)の収録曲。
あいみょんが作詞・作曲した「ジェニファー」の歌詞の意味をチェックしましょう。

ジェニファー 歌詞考察!
ジェニファーはリンダ?
今にもちぎれそうな雲は
出典:ジェニファー / 作詞・作曲:あいみょん
まるで僕たちのようだね
バランスのとれない2人は
いつも曖昧で
語り手の「僕」は「雲」を見て「僕たちのようだ」と誰かに語りかけています。
「2人」という表現もあり、曲名の「ジェニファー」は女性の名前なので、男性主人公が彼女の「ジェニファー」に語りかけるラブソングのような始まり方です。
しかし「2人」の関係性を「雲」になぞらえるにしても、「離れそう」とか「別れそう」ではなく、「バランスがとれない」と表現しているところに少々違和感を覚えるのではないでしょうか。
もしかしたら「僕たち」は恋人同士とは限らないのかもしれないという「曖昧」な雰囲気が漂います。
とくに難しい言葉は使われていませんが、ストレートに具体的な歌物語が展開されていくのではなく、「曖昧で抽象的な内容である」という前置きなのかもしれません。
心の奥じゃ今日も不安定
出典:ジェニファー / 作詞・作曲:あいみょん
夢でも見れたらいいけど
クスクスと笑うのはどいつだい?
そこにいるのかい?
どうやら「僕」が語りかけている相手は恋人ではなさそうです。
それどころか実在する第三者ではなさそうな気配が漂っています。
あえて言葉にするなら「心の奥」に潜む「もう1人の自分」とか「自分自身を俯瞰的・客観的に眺める存在」といったところでしょうか。
思ったことをストレートに口に出すことができず、「表の顔=建前」と「裏の顔=本音」にギャップが生じ、「バランスがとれない」という意味かもしれません。
あるいは現実の出来事に悩み、「夢の世界に逃避したい」と願う自分を「笑う」ような冷静なのか、自己防衛的なのか「曖昧」な視点が存在する可能性もあります。
さよならは言わないで
出典:ジェニファー / 作詞・作曲:あいみょん
ジェニファー 今もまだ覚えてる
君の胸の中でもいつか
思い出してほしいよ
1番のサビです。
「僕」が語りかけている「曖昧」な存在こそが「ジェニファー」だと判明しました。
実はあいみょんは、ブルハことTHE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)のメジャーデビューシングル「リンダリンダ」(1987年5月)の曲名について、甲本ヒロトさん自身が語ったインタビュー記事に触発されたとのこと。
「リンダは誰なのか?」は甲本ヒロトさんにもわからないそうで、「答えはなく、自由に歌ってほしい」といった考え方にあいみょんは魅かれたのでしょう。
もしかしたら「リンダ」や「ジェニファー」は「イマジナリーフレンド=想像上の友だち」なのかもしれませんし、あるいは「ファンタジックな妖精っぽい存在」とか「祈りを捧げる際に思い浮かべる尊い存在」など、自由に創造することができるのではないでしょうか。
答えはない
近所の犬が鳴いたベルで
出典:ジェニファー / 作詞・作曲:あいみょん
当たり前の朝が来たよ
バランスのとれない体が
また吸い込まれる
「僕」の家の近くには「いつも朝に鳴く犬」がいるようです。
その「犬の鳴き声」が目覚まし時計の「ベル」の役割を果たし、起きる日常なのでしょう。
「バランスがとれない」のは1番では「心」でしたが、2番では「体」になりました。
おそらく「犬」に起こされても「体」はまだ眠りたがっていて、布団に「吸い込まれる」ように二度寝してしまうことを「体のバランスがとれない」と表現しているのでしょう。
つまり1番では「思春期の心」、2番では「成長期の体」の「バランス」が崩れやすいところに焦点が当てられていると考えられます。
「ジェニファー」の存在を感じられるのは心身が不安定な思春期や成長期までで、大人になると「さよなら」しなくてはいけないのかもしれません。
約束を果たそうよ
出典:ジェニファー / 作詞・作曲:あいみょん
ジェニファー 今もまだ覚えてる
君の胸の中ではそうか
消えそうに揺れるのかい
2番のサビです。
「僕」と「ジェニファー」が交わした「約束」についても「曖昧」なままで、具体的には明かされていないので、自由に想像および創造するべきところでしょう。
もしかしたら「僕が大人になってもいつまでも消えずに、ずっと一緒にいよう」と「約束」していたのかもしれませんし、「リンダリンダ」の「愛の意味を知ってください」を匂わせているとも考えられます。
「ジェニファー」は「愛の意味を知らない」とか、「リンダリンダ」という楽曲から受けた衝撃を忘れそうになっているなど、ほかにもさまざま当てはまりそうですが、いずれにしても「答えはない」のではないでしょうか。
どうか忘れないでいて
出典:ジェニファー / 作詞・作曲:あいみょん
ちぎれそうな雲は
明日になれば繋がるだろう
ジェニファー 会いたいんだ
「雲が繋がる」とは「心が統一される」という意味でしょう。
矛盾する感情に悩まずに済むようになるのかもしれませんし、大人になって妖精っぽい存在を感じられなくなる可能性もあります。
「僕」と「ジェニファー」が「会える」ほうが幸せなのか、それとも「会えなくなる」ほうが自然な成り行きなのかも「曖昧」なままです。
結局「ジェニファー」はポジティブな存在だったのでしょうか、それともネガティブな存在だったのでしょうか。
どちらとも言いきれない存在も考えられますが、やはり答えはありません。
ラストに1番と2番のサビが繰り返されます。
どのような想像および創造が膨らんだでしょうか。

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さいごに
まとめると「ジェニファーとは誰なのか?」という質問については「答えはない」という答えでした。
ただ「ジェニファー」が「現代版リンダリンダ」というニュアンスは感じられたのではないでしょうか。
子どものときにしか会えない存在と考えると消えるのは寂しい気もしますが、心身のバランスが整うのであれば、愛の意味を知りつつ大人になりたいものですね。