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いとをかし【椎名林檎】歌詞の意味を考察!現代版枕草子!おじゃる丸のEDに込められた想いとは?

今回は椎名林檎さんの2年ぶりとなる新曲「いとをかし」の歌詞を考察していきたいと思います。

作詞、作曲、編曲を椎名林檎さんが手がけ、ピアニストの林正樹さんと一緒に演奏しています。

新曲「いとをかし」は、アニメ『おじゃる丸』の新シリーズエンディングテーマとして書き下ろされた楽曲で、椎名林檎さんがTVアニメのテーマ曲を担当するのは今回が初めてだそうです。

“いとしのお菓子=いとをかし”という意味も込められているという本楽曲。

早速歌詞を見ていきましょう!

いとをかし 歌詞考察

夕映えにそっと懐(おも)えば古里遠い二親の顔
父上母上よ会いたい

冒頭は、1000年前のヘイアンチョウから現代にやってきたおじゃる丸の心を表しているのでしょうか?

夕日を見ながら、故郷にいる両親を思い浮かべ懐かしんでいる様子を、林檎さんが書くとここまで雅な印象になるのですね。

物語の設定では、おじゃる丸は5歳、両親が恋しくなるのも仕方がありません。

また、おじゃる丸に限らず、コロナの影響もあってなかなか実家に帰れない人も、恋しさを感じているのではないでしょうか?

月並みな価値ほどもっと幾らでも分かち合えて嬉しかったろう
きょうは偲んでいます誰そ彼秋
雲が捷い擽ったい

月並みな価値ほどもっと幾らでも分かち合えて嬉しかったろう

この部分は、後述の歌詞とリンクしています。

詳しくは後ほど解説しますが、どこにでもあるような月並みな価値であっても、他の人と分かち合うことによって喜びを感じることができる、という意味と解釈しました。

偲ぶとは、過去や遠くの人を懐かしむこと。

既にSNSなどでも話題になっていますが、この楽曲には枕草子の要素が散りばめられています。

誰そ彼秋」の部分ですね。

誰そ彼とは、暗くなってきて人の顔が判別しづらくなる夕暮れを表します。

枕草子

秋は夕暮れ。

夕日の差して山の端いと近うなりたるに、からすの寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。

まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。

日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず。 

枕草子を書いた清少納言も平安時代に生きた人なので、ヘイアンチョウからやってきたおじゃる丸からインスパイアされているようですね。

雲が捷い擽ったい

捷い(はしこい)とは、動きが早くすばしっこいこと。

カラスが寝床へ急いでいる背景で、空に浮かぶ雲も速く動いている様子が浮かんできます。

皆が皆 等しく満ち足りた場合にやっと心身が寛ぎ幸せを知る

この部分には椎名林檎さんの想いが特に込められているのではないでしょうか?

この世界に生きる全ての人々が、公平に幸せになれた時、初めて自らの幸せを感じることが出来る。

寛大さ、優しさという言葉では片付けられない、無償の愛を歌う椎名林檎さんの神々しさを感じる歌詞ですね。

絶世の価値ほどもっと独り占めした途端こう虚しかったろう
きょうは祝っています海よ山よ
命はどうせ美しい

先程ご紹介した「月並みな価値ほどもっと幾らでも分かち合えて嬉しかったろう」という歌詞とリンクする部分です。

前半は、月並みな価値でも人と分け合うことで幸せを感じることができるという意味でした。

しかし、後半は「絶世の価値ほどもっと独り占めした途端こう虚しかったろう」と歌われています。

比べ物にならないほどの価値を手に入れたとしても、虚しさを感じるだけだ。

人は一人では生きていけないのだという訓戒が込められているように感じました。

命はどうせ美しいという歌詞は、これまで多くの「命」を表現してきた林檎さんだからこそ歌える歌詞ですね。

ゆっくりとしたピアノの音色も相まって涙が溢れます。

噫澄んでいます真冬は朝
空が大きい柔らかい
あの移ろいも この恥じらいも涙に変えて
全部背負い込んで熟そう

「真冬は朝」という歌詞は、枕草子の要素ですね。

枕草子

冬はつとめて。

雪の降りたるは、言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、また、さらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るも、いとつきづきし。

昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。

澄んだ空が大きく見える冬は、早朝の凛と張り詰めた朝が良い。

あの移ろいも この恥じらいも涙に変えて 全部背負い込んで熟そう

これまでの人生で経験してきた酸いも甘いも、自分の成長につながるから、全て背負って生きていこうという前向きなメッセージが歌われています。

仕様がないとは決して考えないし
不要不急という概念もない
万事便利なだけじゃ勿体ないし
風情を重んじたい許して給も

仕様がないとは決して考えないしという歌詞は、何か困難にぶつかった時、しょうがないと諦めるのではなく、必死に考えて答えを出すという気持ちが込められているように感じました。

不要不急というワードは、最近よく耳にするようになりましたが、「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もないこと」という意味です。

ここでは、その概念もないと歌われているので、新型コロナウイルスが蔓延する前の世界を指しているのかもしれません。

技術が進歩して、どんどん便利にアップデートされていく私たちの生活も「便利なだけじゃ勿体ない 風情を重んじたい」と歌われています。

平安時代、清少納言が感じたような「いとをかし」なことを後世に伝えていきたいという想いが込められているように感じました。

「許して給も(たも)」にもおじゃる丸へのリスペクトが感じられますね。

また、この部分はおじゃる丸の初期OP『詠人(北島三郎)』の「まったり まったり まったりな 急がず焦らず 参ろうか」という歌詞ともリンクしているように感じました。

きょうは恋しています彼は誰春
命がずっと透明に
冴えていきます真夏は夜
いまが眩しい焦れったい
枕草子

春はあけぼの。

やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

夏は夜。

月のころはさらなり、闇もなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。

また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

「彼は誰」とは、明け方のことで、枕草子の「あけぼの」と通じます。

命がずっと透明に 冴えていきます真夏は夜の部分は、枕草子のホタルが飛んでいる場面を表しているのでしょうか?

真っ暗な夏の夜、ホタルの優しい光がふわ~っと飛んでいる様子が浮かんできました。

この「いとをかし」は、『同アニメのエンディングでは、春夏秋冬おのおの異なるTV尺をご用意しております。』と紹介されており、実際4月4日に放送されたエンディングでは、曲が切り抜かれて放送されていました。

ピアノのゆっくりとしたテンポで、各場面ごとに間奏が入っていることから、当初から切り抜いて使用する案があったことが分かりますね。

これから1年かけて放送されるシリーズの中で、季節ごとにどの部分が切り抜かれるのか楽しみです。

さいごに

いかがでしたか?

椎名林檎さんの文学愛、命への想い、価値観が反映された素敵な楽曲でした。

今おじゃる丸のを見ている世代が大人になって、枕草子や時代背景を理解した上でこの曲を聴いた時、どんな気持ちになるのか気になります。

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