今回はyamaの『一寸の赤』(いっすんのあか)の歌詞の意味について考察していきます!
本楽曲はセブンイレブンのオリジナルアニメーション動画「レインボーファインダー」の最終話に提供されました。今やYouTube再生240万回を超える大人気曲になっています。
作詞作曲はにおさん。yamaさんは『一寸の赤』に対して次のようにコメントをしています。
「今回におさんに書き下ろしていただいた新曲『一寸の赤』は、何気なく自分のそばで支えてくれている存在をふと思い出し、心が暖かくなるも切なくもなる優しい楽曲となっています。鮮やかな赤い夕景を思い浮かべて聴いていただければ、より楽曲の暖かみを感じてもらえると思います。ともわかさんが書き下ろしてくださったイラストを使用したMVもぜひお楽しみください。」
「一寸の赤」の意味とは?
本楽曲において「赤」は夕日が輝く空の赤色を示しています。
そして「一寸」とは「わずか」と言う意味。
実は本楽曲は”別れ”をテーマにしています。その中に灯るわずかな希望が「一寸の赤」という言葉に凝縮されているのです。
別れに対する悲しみと、未来に託した希望の相反する感情が表現されているのです。
『一寸の赤』歌詞考察
今はいない”その人”を求めて
冒頭は主人公が、すでに別れてしまった相手のことを思い出している情景から始まります。
≪ずっと変わらないに日々の中でそっと揺れるもの≫
これは主人公の心の中で今も恋い慕う気持ちを表現しているのでしょう。
今はもういないその人の影を思い出し、心がつい揺れてしまう様が想像できます。
後悔の念に駆られて
1番サビ。
yamaさんのコメントには「何気なく自分を支えてくれる存在をふと思い出し」とあります。
この言葉が示すように、主人公は相手の存在の大きさと濃さを強く感じているのです。
なぜそんなに強く感じるかと言うと、もうその人はそばにいないから。
『一寸の赤』の切なさの神髄はここ。大切な人の存在の大きさが、いなくなってから身に染みるということ。だから≪ああ気付けなかった≫と後悔しているのです。
主人公は空を見上げ、夕日に染まる赤い空を仰ぎます。
心許ない約束
主人公と相手はかつて「ずっと一緒に居よう」と口約束をしたのでしょう。
当時からその約束が果たされるのかどうかわからないまま不安だったのが読み取れます。
しかし相手の笑顔と優しい瞳を主人公はずっと信じてきました。それが果たされなくなった今、失意の底で相手への追慕の念に苛まれているのです。
離れてしまう現実から逃避して
≪会えない時間でまた強くなれる?≫
会えない時間が愛を育てるとか、一人の時間が二人の時間をより濃くするとか、そんな言葉を鵜呑みにできない主人公による問い。
大好きな人と別れる悲しみに対して成す術もなく「ここで眠っていたい」と現実逃避をします。
≪君の髪が赤く染まる間≫とは、夕暮れ時の瞬間を指しています。つまりはとても「わずかな時間」なのです。ここにも「一寸」の意味が込められています。
わずかでもいいから悲しい現実とさようならをして、君と一緒にいたい。
そんな気持ちがはち切れるような場面です。
いなくなっても支えられている
ラストサビ。主人公はふと気付きます。一緒に帰った道があまりにも寂しいことを。
ラストサビの「ああ気付けなかった」は1番サビとは異なる意味合いを持ちます。それは、何の変哲もない風景は君によって輝いて見えていたということ。
君がすべてを照らしていてくれていた事実を痛感してしまうのです。
しかし主人公は「鮮やかな赤」=夕日を見て、それがいつも自分のそばに居てくれることを知り、いなくなってしまった存在もどこかで自分を支えてくれている事実にも気が付きます。
喪失を体験しても、必ず見えない形で支えてもらっている。
そんなことをひしひしと感じられるラストです。
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おわりに
いかがでしたか?
いなくなってからその存在の大きさに気が付く。それはとても切ないことでもあり、優しい真実でもある気がします。そんな大切な感情が凝縮された『一寸の赤』、ぜひ聴いてみてくださいね。