ONE OK ROCK(ワンオクロック)「In the Stars (feat. Kiiara)」の歌詞の意味を考察します。
9thアルバム「Eye of the Storm」(2019年2月)の収録曲。
神木隆之介さん主演の映画「フォルトゥナの瞳」(2019年2月)の主題歌・挿入歌に起用された「In the Stars (feat. Kiiara)」の歌詞の意味をチェックしましょう。
映画の概要
百田尚樹さんの恋愛小説を原作とした、三木孝浩監督の映画「フォルトゥナの瞳」。
幼い頃に飛行機事故で家族を失い、自動車塗装工として働く青年・木山慎一郎(神木隆之介さん)が主人公です。
死を目前にした人間が透けて見える不思議な能力「フォルトゥナ(運命の女神)の瞳」が宿っていることに気づいて苦悩するなか、桐生葵(有村架純さん)と出会って愛を育む「愛と死の運命」の物語が描かれています。

In the Stars (feat. Kiiara) 歌詞考察
星に書かれた運命とは?
Sick and tired of waiting
出典:In the Stars (feat. Kiiara) / 作詞・作曲:Taka・Dan Book・Brian Howes・Jamil Kazmi
So we learned to fly
What a wild ride
僕らは待ちくたびれて
飛ぶことを覚えた
ワイルドな冒険さ
「In the Stars」はワンオクの楽曲として制作された後、映画主題歌に起用されたという流れなので、基本的には独自の歌物語と考えられます。
アメリカ・シカゴ出身の女性シンガーソングライター、キアーラ(Kiiara)をフィーチャリングアーティストとして迎えているので、「僕ら」は「Takaさんとキアーラ」あるいは「ワンオクとキアーラ」になるでしょう。
「飛ぶ」というのは、「気分が高まる(精神的な高みに達する)音楽」という意味でしょうか。
「ありきたりな音楽にうんざりして、ゴキゲンな音楽という冒険を始めた」といったニュアンスが感じられます。
また、映画になぞらえると、「Takaさんとキアーラ」のツインボーカルを「主人公の慎一郎と葵」に重ねることもできるでしょう。
慎一郎が家族を亡くした原因は、原作小説では「火事」でしたが、映画では「飛行機事故」に変更されている点が「飛ぶ」につながるのかもしれません。
Brave enough to make it
出典:In the Stars (feat. Kiiara) / 作詞・作曲:Taka・Dan Book・Brian Howes・Jamil Kazmi
And we’re here to stay
Yeah we found a way
勇気はあるよ
そのために僕らはここにいる
そう、道が見つかったんだ
独自和訳に意訳を追加すると「ありきたりな音楽ではなく、新たな音楽に挑戦するためにワンオクとキアーラは集結していて、そのために必要な勇敢さは持ち合わせている。つまり新たな音楽に挑戦する方法がわかったということ」といったニュアンスになるでしょう。
映画の場合は、「フォルトゥナの瞳」によって誰かの「死の運命」が見えたとき、その人の死を回避する行動に出ると、慎一郎自身の命が削られることがわかってきますが、この「愛と死」の二択を迫られる現実に立ち向かう「勇気はある」と解釈することもできそうです。
進むべき道のその向こうに
出典:In the Stars (feat. Kiiara) / 作詞・作曲:Taka・Dan Book・Brian Howes・Jamil Kazmi
We can make a new world where nobody knows
いつか夢に見たあの場所を
進むべき道のその向こうに
誰も知らない新しい世界を作れる
いつか夢に見たあの場所を
「ワンオクとキアーラ」は音楽によって「新しい世界」を創造しようと決意しているようです。
また、どうにか「死の運命」を乗り越えて「愛の運命」を新たに築こうと奮闘する、「慎一郎と葵」の姿も重なるのではないでしょうか。
We’re all the way up up up
出典:In the Stars (feat. Kiiara) / 作詞・作曲:Taka・Dan Book・Brian Howes・Jamil Kazmi
We’ll never look down down down
Breaking the ceiling ‘cause I believe the world is ours
We’re all the way up up up
We’ll never look down down down
I got a feeling that it was written in the stars
Written in the stars
僕らはずっと上にいる
決して下を見ない
天を突き破る 世界は僕らのものだと信じているから
僕らはずっと上にいる
決して下を見ない
これは運命だと感じた
運命なんだ
1番のサビです。
曲名の「In the Stars」を直訳すると「星のなかで」になりますが、歌詞の「Written in the stars」は「星に書かれた」が転じて「運命」という意味で使われる表現です。
「飛ぶ方法を覚えて高みに達し、星に書かれた運命になった」と捉えると、とてもロマンチックですね。
映画の「死の運命」が「愛の運命」に変わるかどうかという展開とも重なります。
メインボーカルはキアーラ
I wasn’t born to follow
出典:In the Stars (feat. Kiiara) / 作詞・作曲:Taka・Dan Book・Brian Howes・Jamil Kazmi
So I took the lead
I didn’t lose the dream
誰かに従うために生まれたわけじゃない
だから私が主導権を握った
私は夢を失わなかった
コーラスを重ねてハーモニーを奏でつつ、1番ではTakaさんがメインボーカルを務めてきましたが、2番ではその役割がキアーラに変わりました。
こうした楽曲構成をそのまま表現するような歌詞になっていて、キアーラが「今度は私がリードするわ」と宣言しているイメージです。
この点も「慎一郎と葵」の関係性を彷彿とさせます。
Forget about tomorrow
出典:In the Stars (feat. Kiiara) / 作詞・作曲:Taka・Dan Book・Brian Howes・Jamil Kazmi
Bring it on tonight
The sky’s burning bright
明日を忘れて
今夜かかってきなさい
空が燃え盛っている
キアーラが「先のことを心配せず、今を楽しみましょう」と誘いかけています。
地上の日常生活のしがらみから解放されて、曲名の「In the Stars」や「飛ぶ冒険」などの歌詞から連想される「新しい世界」が「空」に築かれ、盛り上がっている感覚です。
ただ、深読みすると映画の「飛行機事故」と小説の「火事」という慎一郎の家族が亡くなった原因にもつながるようで、切なさも漂うかもしれません。
この後、1番のサビが繰り返されます。
If you ever get stuck with no where to run
出典:In the Stars (feat. Kiiara) / 作詞・作曲:Taka・Dan Book・Brian Howes・Jamil Kazmi
When you’re covered in clouds, I’ll show you the sun
Our time to shine, we’ve just begun
君が逃げ場を失って行き詰まったり
雲に覆われたときは、私が太陽を見せてあげる
私たちの輝く時間は始まったばかり
「運命」を意味する「星」に続き、「雲」や「太陽」といった「空」にまつわる言葉が出てくるところが詩的ですね。
「リスナーが悩みを抱えていても、音楽で明るい気持ちにしてあげる」というメッセージが込められているのではないでしょうか。
さらに「慎一郎が困ったときは私が支えになる」という葵のセリフのようにも聞こえます。
We’re all the way up up up
出典:In the Stars (feat. Kiiara) / 作詞・作曲:Taka・Dan Book・Brian Howes・Jamil Kazmi
これ以上はもうないくらい
Breaking the ceiling, ‘cause I believe the world is ours
We’re all the way up up up
届かないくらいfly high
I got a feeling that it was written in the stars
That it was written in the stars
Written in the stars
僕らはずっと上にいる
これ以上はもうないくらい
天を突き破る 世界は僕らのものだと信じているから
僕らはずっと上にいる
届かないくらい 高く飛ぶ
これは運命だと感じた
そう、運命だ
運命なんだ
ラスサビは1番のサビに日本語が混ざるスタイルになっています。
楽曲独自の歌物語として捉えると、心理学者マズローが唱える「至高体験」のような「幸せ」が感じられるものの、映画の内容を重ねると、「運命」の一言に悲喜こもごもが入り混じっている可能性も否めません。
その「悲しみ」すら乗り越える高みに達することができるといいですね。

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さいごに
楽曲独自としても、映画の内容を重ねても、それぞれ壮大な想像が膨らむ歌詞になっていたのではないでしょうか。
さらに新型コロナのパンデミック以降の現実になぞらえると、ますます心に染みるバラードかもしれませんね。