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今更だって僕は言うかな【Saucy Dog】歌詞の意味を考察!好きだった相手を忘れられない男の気持ちを描いた失恋ソング

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今回はSaucy Dogの「今更だって僕は言うかな」の歌詞考察をしていきます。

この曲は2020年9月2日発売のメジャー2ndミニアルバム「テイクミー」の2曲目に収録されています。

一貫して相手に語りかけているような歌詞は、もう相手が居ないこと、言葉が決して届かないことを受け入れられない心理が表れています。

サウンド面から見ても、この曲は重めのミディアムテンポ。相手への気持ちを断ち切れずにずっと引きずっていることが見て取れます。

好きだった相手をずっと引きずっている人の心情が描かれている、この繊細な曲の歌詞を読み解いていきましょう。

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今更だって僕は言うかな 歌詞考察

誰かを守るための覚悟

早過ぎたかも 僕ら夢物語
約束のウエディングロードはもう守ってやれない
口だけなのは 最後まで変われなくて
こんな自分じゃきっと誰も守っていけないよ

出典:今更だって僕は言うかな / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog

二人でウエディングロードを歩こう。例えばそんな夢物語を語っていたけれど、本当はまだ、それだけの覚悟を持っていたわけではなくて。

結局、自分は口だけだった。君を守るどころか、約束一つ守ることが出来なかった。

そのような後悔が語られています。

だから、そんな自分にはきっと誰も守っていけない。

君を守れなかったし、今後、他の誰と付き合ったとしても。

泣いてる君が『またね』なんかじゃなくて
欲しかった言葉分かっていたけど

出典:今更だって僕は言うかな / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog

別れ際、泣いている相手にかけた言葉は「またね」。

相手がどんな言葉を欲しがっていたのか、この時点ではまだ分かりません。

しかし、「またね」のように二人の関係を曖昧なままにする言葉じゃなかったのは確かなのでしょう。

守れなかったから別れたはずなのに、そんな半端な覚悟じゃ次に出会う誰かを守ることなんて出来ない。

さよなら、最後まで愛していたんだ。嘘じゃない。
勝手だって怒るかな、本当馬鹿だったよ。ごめんな。
君の方はきっと新しい場所が出来たんだね
ごめんねとか要らないよ 君が言うなよ

出典:今更だって僕は言うかな / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog

サビの歌詞からも、まだ別れた相手のことを忘れられない気持ちを感じます。

「さよなら」と言いながら、「最後まで愛していたんだ」「勝手だって怒るかな」。

表面的には強がって、別れの言葉を口にするけれど。

それでも、自分の言葉がまだ相手に届く可能性に縋っているように見えます。

また、「君の方はきっと新しい場所が出来たんだね」という言葉からは、表面的な意味とは逆の本音を感じます。

君はまだ僕のことを思ってくれていたらいいな。

また元の場所に戻ってくれたらいいな。

そんな心の声。

もう会うことなんてないのに。

彼女が欲しかった言葉

髪の毛の色 変わったらしいね
黒からゴールド 赤 黒 それから青って一体
ふたりで居た日々も 塗り変えているんだろうか
信じ難いけど僕の方は今でも会おうって言いたい

出典:今更だって僕は言うかな / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog

「青って一体」「会おうって言いたい」という言葉遊びに紛れて目立たないのですが、二人の違いが最もよく表れているのはこの部分です。

髪の色を何度も変える「君」。

公式Webサイトのセルフライナーノーツにもある通り、

「外見が変わったことで、本当に気持ちにも変化が表れる生き物なのだ」。

「僕」が関与できたのは、せいぜい黒からゴールドに変わった変化だけ。そこから何度も外見が変わり、彼女はすっかり別人に変わっています。

どんどん進んでいき、今は遥か遠い存在。

「僕」が知っている彼女なんて、もうどこにも居ません。

彼女の外見が大きく変わったことさえ誰かからの又聞きでしか知らない「僕」。

「君」が髪色を青くした理由なんて想像すら出来ないのです。

「ふたりで居た日々も塗り変えているんだろうか」と語りかけるけれど、実際にはもう何重にも塗り重ねた後。

それほど遠くなってしまったにも関わらず、今でも会おうって言いたいくらいに引きずっています。

記憶に囚われている間に、もう何周もの差がついてしまっている。そのことに気づいてもいません。

また勝手な事言って、期待しちゃうじゃない。
いつだってそうだから、絶対以外約束しないで。
次の子にはきっと優しくしてあげてよね
「約束だからね」なんて 君が言うなよ

出典:今更だって僕は言うかな / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog

別れの瞬間に「君」が伝えた言葉。

あなたは色々な約束をくれるけれど、期待だけさせて、実際には守ってくれなかった。約束も私も両方とも。

だから、絶対に守れる約束以外はしないで。

そんな言葉でした。

先ほど見た歌詞の中で、君が欲しかった言葉は「またね」ではなかった、と言っていましたが、それは、「またね」が絶対に果たされないと知っていたということ。

「次の子にはきっと優しくしてあげてよね」という言葉の真の意味は、あなたは優しくなかった、ということです。

つまり、「君」から「僕」への愛情は、その場面では完全に無くなっていました。

「君」は、もう会う気なんてなかった。

だからその約束は嘘になってしまう。

そんな嘘なんて、もう聞きたくない。

だから私は、しっかりとした別れの挨拶が欲しかった。別の道に進む背中を押してくれるのが優しさだよ。

彼女が欲しかったのは、きっとそんな言葉だったのではないでしょうか。

また、この部分の「約束だからねなんて君が言うなよ」という言葉。

この言葉は、何度も約束をしながら一つも守れなかった「僕」への「君」からの強烈な皮肉なのですが、「君が言うなよ」という独白からは、「僕」がその真意、約束くらい守りなさいというメッセージに気付いていることが見て取れます。

つまり、相手の愛情がもう残っていないことには気づいていたと考えられます。

もう関係性が戻ることはない。

それは分かっているけれど、もう一度会ったら、もしかしたら。

そんな感覚でしょうか。

もしどこかで会えたならば

ラストの転調後のサビ。

さよなら 君はきっと忘れて行く道で
とっくのとうに もっとマシな人 捕まえたんだ
僕の方はずっと抜け殻みたいだよ
本当は今でも、なんて 君が言うなよ

今更だって僕は言うかな

出典:今更だって僕は言うかな / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog

転調した意味も含め、最後の言葉は2通りの解釈が出来ます。

(1) 君はもう遠くに行ってしまったのだから、戻ってきたら今度こそ背中を押すよ。

転調したのは、それまで捕らわれていた過去を振り切ったという意味。

君にとって、僕はもう過去の人間であり、こんな場所に戻ってきてはいけない。

迷わずに新しい道を進んでほしい。

(2) 僕がこんなに君のことを思って苦しいんだから、君にも欠片くらいは味わってほしい。

転調したのは、叫びたいくらいに苦しいのに何もできないという歯痒さ。

僕がこんなに思っているんだから、君だって僕への気持ちが少しくらい残っていたっていいじゃないか。

だから、君も僕に振り向いてもらえない苦しさを味わって、あの時の僕への気持ちを取り戻してほしい。

どちらでも意味は通じますが、その直前の歌詞を見ると大体の答えは見えると思います。

伝えたかった言葉など
ひとつも言えないまま

出典:今更だって僕は言うかな / 作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog

「僕」にはまだ、伝えたい言葉がたくさん残っています。

どうやったって相手にはもう伝わらないのに、それをずっと伝えたいと引きずっている。

本当に伝わるかは分かりませんが、少なくとも、「僕」が過去から解放されるのはもう少し先になりそうです。

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さいごに

過去に囚われたままの男性と、気持ちを入れ替えてどんどん先に進んでしまう女性を描いた歌詞。

ずっと引きずって進めない「僕」の弱さが際立って見えてしまいます。

しかし、好きだった相手と別れた後で長く引きずってしまうという経験を、もしかすると多くの人がしているのかもしれません。

もしかすると、今まさに同じ状況の中にいる人も。

そういう人が、深く共感できる歌詞かもしれませんね。

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