今回は2022年5月11日にリリースされた「生きろ」の歌詞考察をしていきます。
映画『キングダム2 遥かなる大地へ』の主題歌となった「生きろ」は、桜井和寿さんが作詞と作曲を手掛けました。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう。

生きろ 歌詞考察
映画『キングダム2 遥かなる大地へ』について
本作は、壮大なスケールで中国春秋戦国時代の秦を舞台に描いた、原泰久さんの大ヒット漫画「キングダム」が原作となっています。
そのスケールの大きさ故に実写化不可能とも言われていた「キングダム」ですが、2019年に映画『キングダム』が公開されると、興行収入57億円を突破する大ヒットとなり映画界に多大なインパクトを与えるに至りました。
そして今回、続編である映画『キングダム2 遥かなる大地へ』は更にスケールも大きくなり非常に壮大な作品に仕上がっています。
あらすじですが、主人公の戦災孤児・信(シン)(山崎賢人)は大将軍になるのを夢見ています。そんな時に、クーデターにより追われる身となった若き国王で後の秦の始皇帝・嬴政(エイセイ)(吉沢亮)と出会い、内乱を鎮圧し王座を奪還します。しかし、そんな成功もつかの間、この後更なる壮絶な戦いが二人を待ち受け…といった内容となっています。
本作『キングダム2 遥かなる大地へ』は2022年7月15日公開予定です。
果たしたい約束
固く握った
出典:生きろ / 作詞・作曲:桜井和寿
震える掌
交わした約束が
脈打ち続けてる
冒頭の「掌」の描写は主人公の固い意志のようなものを表しているように思います。
その意思というのは、次に続く「約束」のことを指しています。
映画の内容と照らし合わせると、主人公・信と死別した幼馴染の漂(ひょう)とかつて誓った”天下の大将軍になる”、という途方もない夢のような「約束」を何が何でも守り叶えてみせる、という決意が「固く握った」「震える掌」そして「脈打ち続けて」といったフレーズに如実に表されていると解釈できるでしょう。
行く先々で
出典:生きろ / 作詞・作曲:桜井和寿
触れ合う温もり
優しさが苦しくて
幻だと言い聞かせ跳ね返した
主人公は孤独ではありますが、他者との関わりも持つようになります。
そこで人の温かさを感じずにはいられない瞬間もあるのです。
主人公には絶対に叶えたい夢があり、その夢の実現に向けてとてもストイックに生きています。
そんな主人公にとっては、人の「温もり」や「優しさ」が時に疎ましく「跳ね返し」たくなることもあるのでしょうか。
かつての友との「約束」がいかに主人公にとって最優先され、大事であるかが分かると同時に、主人公の頑なさが良くわかる箇所となっています。
眩い軌道を描き
出典:生きろ / 作詞・作曲:桜井和寿
流星が夜を駆ける
自分は小さな点(いのち)の一つでしかない
その当たり前を突きつけてくるんだ
ここでは主人公が夜空を眺めています。
数多の星を眺めていると、「流星」つまり流れ星を目にします。
昔から星に願い事をする、ということを人々はしていますが、主人公も「流星」を見て「約束」を果たせるように願い事をしたのかもしれません。
そして、夜空や星を見ながら己の小さな存在を再確認させられています。
昼間は虚勢を張ってみたり、大きく振舞っていたとしても、夜になり大宇宙を目の前にしたら「当たり前」の事ですが一人の人間の小ささという、何とも心もとない事実と向き合わざるを得ない状況になるものです。
主人公の謙虚さが垣間見られる箇所となっています。
それなら
出典:生きろ / 作詞・作曲:桜井和寿
追いかけろ 問いかけろ
いっそ裸足のままで
血をたぎらせながら
つまらぬ
水掛け論 鍵掛けろ
減らず口を塞いだら
思いきり笑える その日が来るまで
こちらのサビ部分ですが、「追いかけろ」と「問いかけろ」、「水掛け論」と「鍵掛けろ」と韻を踏んでいます。
自らに「問いかけ」ながらも「追いかけろ」「血をたぎらせながら」とあり、自分で自分を鼓舞している姿が見受けられます。
また「水掛け論」「減らず口」とあり、仲間内で諍いが絶えない様子も伺えます。
そんな言い争いを止めさせるという意味合いで「鍵掛けろ」とあり、災いを呼ぶような「口」は「塞い」でしまうのが賢明なようです。
映画の舞台は戦場ということもあり、荒々しい雰囲気が伝わってくる歌詞ですが、
最後「思い切り笑える その日がくるまで」と希望も垣間見られます。
勿論ここにある「その日」というのは、「約束」が果たされる日とイコールであることは間違いないでしょう。
強くあり生き抜けろ
瞼腫らして
出典:生きろ / 作詞・作曲:桜井和寿
泣き明かした夜は
薪をくべた炎の中で揺れている
ここでは主人公の弱さが見られます。
「瞼」が腫れてしまうまで夜通し泣いてしまうという側面も持ち合わせているようです。
昼間は気丈に振舞っていても、夜になるとふっと淋しくなったり哀しくなったり不安になったりして、内なる弱さが出てきてしまうものです。
鼻を突く嫌な匂いと
出典:生きろ / 作詞・作曲:桜井和寿
人恋しくなる光
とを同時に空へと放ちながら
蒼い煙は風に乗り消えた
次第に
燃え盛る 湧き上がる
想いは今も変わらねえ
夢に跨ったまま
そこから
またひとつ 強くなる
失くしたものの分まで
刻まれた傷を道標にして
行こう
こちらの冒頭で「鼻に突く嫌な匂い」とありますが、舞台が戦場ということもあり、人間の生き死にに関わる場所特有の匂いなのでしょう。
そして「燃え盛る」「湧き上がる」と続きテンションの高さが表されているようなフレーズが見られます。
その後に、「想いは今も変わらねえ」というフレーズと「夢」という言葉がでてきます。
これはかつて幼馴染の漂とともに誓った”天下の大将軍になる”という「夢」を指しています。
決してその「夢」は過去のものではなく今なお一層燃えるように存在しているもののようです。
「失くしたもの」とは命を落としてしまった幼馴染の漂だけでなく戦友のことをも指しているのでしょう。
その「失くしたもの」は心の「傷」となってはいますが、前向きに「道標にして」「行こう」と語っています。
悲しみはあるものの、後ろを向かず前進していこう、というポジティブさが伝わってきます。
追いかけろ 問いかけろ
いっそ裸足のままで
血をたぎらせながら
ここから
またひとつ 強くなる
失くしたものの分まで
思いきり笑える
その日が来るまで
生きろ生きろ
出典:生きろ / 作詞・作曲:桜井和寿
ラストサビは前出サビ部分のリピートとなっていますが、最後でこの楽曲のタイトルでもある「生きろ」というフレーズが二回繰り返されています。
戦場という場所ということもありますが、「強く」なり勝って生き延びてこそ、長きに渡り抱生き続けている「夢」も叶えられるでしょうし、戦友と笑いあうことも出来るのです。
やりたいことをやるためには、兎に角「生きろ」と自らを力強く鼓舞しているのです。

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さいごに
本楽曲「生きろ」は、ミスチルにとってデビュー30周年に相応しい記念碑のような立ち位置の作品となっているかと思います。
映画の世界観とも相まって、力強さや確固たる信念のようなものが伝わってくる「生きろ」。
本楽曲を手掛けたMr. Childrenの今後の楽曲や活動にも注目したいですね。