2023年4月12日よりアニメ「推しの子」のが放映開始、オープニング主題歌をYOASOBIが担当する事になりました!アニメ放映開始当日に配信リリースとなった楽曲名は「アイドル」
リリース2週間でストリーミング再生計1億回を突破するという話題作です。
一体どんな意味が込められているのでしょう。一つ一つ意味を紐ほどいていきたいと思います。
YOASOBIとは
2019年10月1日より活動開始した音楽ユニットでコンポーサーのAyaseさんとボーカルのikuraさんで構成れている音楽ユニットです。
Ayaseさんはボーカロイドプロデューサー、ikuraさんにはシンガーソングライターという個人での活動があり各々の活動の延長上に二人の活動があるという考えの元名付けられたのがYOASOBIという名前だそうです。
個人の活動を昼に行う活動、二人の活動を夜の行動に例えたという事なんだとか。
結成のきっかけは「小説を音楽にするユニットをやりたい」と声を掛けられたAyaseさんがインスタグラムで発見し声をかけたのがikuraさんだったそうです。
偶然と偶然が重なった出会いだと感じますね。
楽曲 アイドル
アニメ「推しの子」のオープニング主題歌に起用、2023年4月12日アニメ放送開始日と同日に配信リリースされました。
実はAyaseさんが元々作品の大ファンなんだそうです。
それも相まってか、非常にうまく作品とリンクした楽曲になっているような気がします。
歌詞MVに散りばめられたキーワードにそれぞれのシーンが浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。
ikuraさんも「アイになり切って歌った」とコメントされていましたので、YOASOBIの楽曲としては勿論の事、「推しの子」が好きな方も聴き込める一曲になっているのではないでしょうか。
「推しの子」とは
そもそも推しという言葉は「応援している人」を指す言葉で主にアイドルファンの間で使われてきました。
最近では言葉として世間一般に浸透してきたようで「好きなもの」という広い意味で使われるようになってきたのではないでしょうか。
例えば「この化粧品推せる」などお気に入りの物に対しても使用するようになってきた、比較的新しい言葉です。
登場人物である星野アイはアイドルグループ「B小町」のセンター。双子の子供アクアとルビーの母親としての顔も持っています。
しかし二人の存在は世間には公表していません。
そしてアクアはかつてアイが妊婦だった頃の主治医ゴローが死んで生まれ変わった姿であり、ルビーはゴローが担当していた患者の生まれ変わりという設定。
この二人実は患者と主治医というお互いの関係には気づいていないものの前世の記憶が残っており最大の共通点は前世でも「アイの信者だった」という事です。
それが「推しの子」です。
サスペンス要素と笑いどころのバランスが非常に良い作品で重いテーマも描かれますが触れやすい作品ではないかと思っています。
アイドル 歌詞考察
無敵の笑顔で荒らすメディア
出典:アイドル / 作詞・作曲:Ayase
知りたいその秘密ミステリアス
抜けてるとこさえ彼女のエリア
完璧で嘘つきな君は
天才的なアイドル様
この楽曲は星野アイをそれぞれの視点から見た3パートに分れています。
最初はファンから見た星野アイの姿が歌われていますね。
物語の最初にネットに書き込まれたよくも悪くもプロの笑顔、はアイが必死に掴んだ自分の表現方法であり、彼女の武器なのです。
隙の無い完璧なアイドルを演じるアイこそが人々が求めるアイドル像。
今日何食べた?
好きな本は?
遊びに行くならどこに行くの?
何も食べてない
それは内緒
何を聞かれても
のらりくらりそう淡々と
出典:アイドル / 作詞・作曲:Ayase
だけど燦々と
見えそうで見えない秘密は蜜の味
あれもないないない
これもないないない
好きなタイプは?
相手は?
さあ答えて
溢れるアイへの質問も彼女のイメージを壊さないように明確な答えはもらえない。
教科書を読むかのように定型文を読み上げている星野アイ。
しかしふと見せる人間味のある視線の動かし方、返答に詰まる震え、まるで計算されたかのような仕草なのに、そこには世間が欲しがる答えが隠れているようで興味が集中するのではないでしょうか。
好きなタイプは?
相手はいるの?
いつの時代も、アイドルに答えを求める質問は同じなのは不思議ですね。
「誰かを好きになることなんて私分からなくてさ」
出典:アイドル / 作詞・作曲:Ayase
嘘か本当か知り得ない
そんな言葉にまた一人堕ちる
また好きにさせる
「誰かを好きになることなんて私分からなくてさ」・・・実はアイは特殊な環境で育ってきました。
だから「好きになる」という事が分からないというのはアイの本当の心の言葉なのではないでしょうか。
しかし世間はそれに気づかず考察に考察を重ね憶測が飛び交うのです。
本当の様で嘘っぽい・・・嘘っぽいけど本当のような話、という絶妙なバランスに立つこの言葉でアイに興味を持ちまた一人、更に一人と引き込まれていくのでしょう。
誰もが目を奪われていく
出典:アイドル / 作詞・作曲:Ayase
君は完璧で究極のアイドル
金輪際現れない
一番星の生まれ変わり
その笑顔で愛してるで
誰も彼も虜にしていく
その瞳がその言葉が
嘘でもそれは完全なアイ
後にも先にも現れる事のない、一番星の生まれ変わりの様な完璧で唯一無二のアイドル、星野アイ。
ちなみにここで一番星が例えに使われているのはゴローが病院の屋上でアイと話している時に真っすぐな想いを語る彼女を「一番星のように眩しかった」と言っているセリフからきているのではないでしょうか。
非の打ちどころのない笑顔と彼女の告げる「愛してる」という言葉は誰をもを虜にしていき、アイの信者になっていくのです。
平たく言えば非常に人気のアイドル、という事ですね。
それは完全なアイ、とありますがこのアイには3つの意味が込められていると考えます。
一つは星野アイの「アイ」そして愛の「アイ」、もう一つは瞳の「アイ」。
嘘で固められたアイこそが星野アイであり究極の愛であり、純粋で真っすぐな瞳であるという意味ではないでしょうか。
もしくはそのアイに魅了された信者の私「I」とも取れるのではないでしょうか。
この歌詞は「嘘はとびきりの愛なんだよ」という作品に出てきたアイのセリフに由来するものだと思います。
はいはいあの子は特別です
我々はハナからおまけです
お星様の引き立て役Bです
全てがあの子のお陰なわけない
洒落臭い
妬み嫉妬なんてないわけがない
これはネタじゃない
からこそ許せない
完璧じゃない君じゃ許せない
自分を許せない
誰よりも強い君以外は認めない誰もが信じ崇めてる
出典:アイドル / 作詞・作曲:Ayase
まさに最強で無敵のアイドル
弱点なんて見当たらない
一番星を宿している
弱いとこなんて見せちゃダメダメ
知りたくないとこは見せずに
唯一無二じゃなくちゃイヤイヤ
それこそ本物のアイ
ここからはアイと一緒に活動していた「B小町」というグループのメンバー視点になっていきますね。
アイを完璧なアイドルと奉っていた信者とは全く違う視点でアイが語られており、苛立ちを全面に出した歌詞となっています。
芸能界というよりも、二人以上の人間が集まって何かをやろうとする時に避けては通れない闇ともいえるのではないでしょうか。
注目の的であるアイは当然グループの人気としてもNo.1なのでしょう。
自分たちはおまけでアイの引き立て役でしかないというイライラが歌われています。
しかし自分たちだってそれなりに努力し真面目にやってきている、今あるB小町が星野アイのお陰だなんて思っていない、それが真意なのではないでしょうか。
キラキラしたアイドルグループの裏に妬みや嫉妬がないわけがない。
これは冗談でも話題作りでもなく真実なのです。
だからこそ星野アイは完璧でなければならないのでしょう。
完璧な、どうやっても太刀打ちできない存在に負けたという事実でなければ彼女たちは自分を許せないということではないでしょうか。
歪んではいますが、それも一つの愛の形ととる事が出来そうですね。
残念ながら愛とは美しいだけのものではないのです。
得意の笑顔で沸かすメディア
出典:アイドル / 作詞・作曲:Ayase
隠しきるこの秘密だけは
愛してるって嘘で積むキャリア
これこそ私なりの愛だ
流れる汗も綺麗なアクア
ルビーを隠したこの瞼
歌い踊り舞う私はマリア
そう嘘はとびきりの愛だ
視点が変わり、最後は星野アイ本人から見たアイの姿が歌われます。
「隠しきるこの秘密だけは」の秘密とは、アクアとルビーという双子の子供の事。
実は星野アイは世間に子供がいる事を公表せず、出産し育てていました。
アイドル生命をかけたこの嘘は単に自分がアイドルで居続けたいという陳腐な理由ではなく「母としての幸せとアイドルとしての幸せどっちも欲しい」というアイの願いから生まれた嘘です。
母である星野アイとアイドルである自分、二つの愛を胸に秘めた自分を「マリア」と例えています。
楽曲や作品を通して嘘の愛というキーワードが出てきますが、そこに嫌悪感を抱く事は少ないのではないでしょうか。
それははっきり書かれているわけではないにしろ、騙す為の「嘘」ではなく人を幸せにするための嘘であるというのが前提としてあるからではと考えます。
それがこの愛の象徴である「マリア」という言葉に込められているのではと考察する事が出来ますね。
誰かに愛されたことも
誰かのこと愛したこともない
そんな私の嘘がいつか本当になること
信じてるいつかきっと全部手に入れる
出典:アイドル / 作詞・作曲:Ayase
私はそう欲張りなアイドル
等身大でみんなのこと
ちゃんと愛したいから
今日も嘘をつくの
この言葉がいつか本当になる日を願って
それでもまだ
君と君にだけは言えずにいたけど
やっと言えた
これは絶対嘘じゃない
愛してる
アイの生い立ちは先ほども触れたように少し特殊で愛を知らずに生きてきた少女。
そんな自分だけど、愛してると嘘でも言い続けた事がいつか本物になる事を信じているという意味ではないでしょうか。
アクアの前世であるゴローに「星野アイは欲張りなんだ」と言ったことがあるアイ。
いつか努力が実を結び一人前のアイドルとなった時に素直な自分の言葉で皆に気持ちを伝えられればとアイは思っているのです。
そしてここの「君と君」はアクアとルビーの事ですね。
作品を知っている人には涙無しに聴けないフレーズになるのではないでしょうか。
まだ言えずにいた理由、そして愛してると二人に伝えた背景・・・それはぜひ作品に触れてから知って欲しいと私は思います。
またMVではこのフレーズでアイは着用していた着ぐるみを脱ぎ、アクアとルビーに後ろから駆け寄っています。
そして明確な描写はありませんがおそらく「愛してる」と伝えているのです。
着ぐるみは紛れもなく「偽っていた自分」であり、それを脱ぎ捨てたという事は着飾る必要も自分を創る必要もない状態で伝えた「本物の」愛してるだという事ではないでしょうか。
そして本来なら着ぐるみを脱ぎ捨てた星野アイがステージからファンに「愛してる」を伝えるる未来があった・・・と思ってしまうMVのラストでした。
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さいごに
いかがでしょうか。「推しの子」のオープニング主題歌となっているYOASOBIの「アイドル」についての歌詞を考察してみました。
歌詞やMVに作品のキーワードが散りばめられており、YOASOBIファンだけでなく作品のファンの方も世界観に浸れる楽曲になっていたのではないでしょうか。
作品もおすすめなのでぜひ機会があれば触れてみていただけると、Ayaseさんとしても本望かもしれません!