セカオワことSEKAI NO OWARI「炎の戦士」の歌詞の意味を考察します。

炎の戦士 歌詞考察
作り上げた鎧は窮屈だった
誰よりも強くなりたくて一生懸命努力して
出典:炎の戦士 / 作詞・作曲:中島真一
やっとの思いで作り上げた鎧は
中にいてもただ窮屈で身体は弱ってく一方で
たまらず自ら脱ぎ捨てたんだ
ギターのNakajinさんが作詞、作曲、ボーカルを担当した「炎の戦士」。
短期間で作り上げたそうで、シンプルな構成、ストレートなメッセージの歌詞になっています。
基本的に、セカオワのメンバーとして音楽活動をする際の「努力」やその際の心情が描かれているでしょう。
「強くなる」ためには「攻めるための武器」よりも、敵から身を守るための防具となる「鎧(よろい)」が必要だと考えたようです。
ところが「一生懸命」守りを固めても、「作り上げた鎧は窮屈(きゅうくつ)で脱ぎ捨てた」とのこと。
日本のメジャーシーンの音楽業界では、いったん売れると守りに入るアーティストが多いかもしれません。
それまでのイメージにない攻めた楽曲を作っても、リスナーはついていけない可能性があり、結果的に売れた楽曲と似たような路線で回すことが多くなるという話です。
もしかしたらセカオワにもそのような葛藤があったのかもしれませんが、守るばかりでは「窮屈」だと感じたのでしょう。
あるいはリスナーそれぞれに「強くなりたい」と思う場面を重ね合わせることもできそうです。
それでも流した汗の痕は僕にしみついて
出典:炎の戦士 / 作詞・作曲:中島真一
血となり肉となり骨となり僕を動かしている
「努力」をした際に「汗」が流れたとすると、「汗の痕」は「努力の過程」とも考えられるでしょう。
「鎧」は結局「脱ぎ捨てた」ので、実用的な防具としては機能しなかったかもしれませんが、それを「作り上げる」までの「努力の過程」が身につき、原動力になっていると解釈できます。
ミュージシャンにとっての音楽活動に限らず、誰の人生においてもさまざまな場面で当てはまることではないでしょうか。
本楽の目的は叶わず、失敗に終わったとしても、それまでの「努力の過程」は決してムダではなく、自分を形作る財産となり、今後の人生で何らかの役に立つはずです。
「あのときの努力はムダではなかった」と感じるまでに時間がかかるケースもありますが、たとえば「鎧」を作ってみなければ「窮屈」だと気づけなかったなど、失敗を積み重ねて成長するのが人生といえるでしょう。
僕を飾る宝石がなくなったって守り続けたいものがある
出典:炎の戦士 / 作詞・作曲:中島真一
「あの日」灯したこのロウソクだけはずっと守り続けていく
1番のサビです。
「僕を飾る宝石」は「鎧」のことでしょう。
どちらも「身にまとう高価なもの」ですが、体の外側の防具や装飾品がなくなっても、体の内側、つまり「心に灯したロウソクは守り続ける」という宣言です。
これが曲名の「炎の戦士」につながります。
「あの日」は音楽を志した日や、セカオワとして結束を固めた日などが考えられるでしょう。
「守る、攻める」の対比というより、守るべき対象や守り方の違いに気づいたのかもしれません。
音楽活動も人生もある意味戦いのような過酷な側面がありますが、どれほど外側を武装したり着飾ったりしても身動きがとれなくなるばかりで、大切なのは内側から情熱を燃やし続けることだと悟ったようです。
山頂の上にも山があった
誰よりも自由になりたくて一生懸命走って
出典:炎の戦士 / 作詞・作曲:中島真一
やっとの思いで辿り着いた山頂で
まだ顔を上げなきゃ見えない山がこんなにもあるなんてさ
自分の小ささに嫌になっちゃうよ
「強くなりたい」と願って武装しても身動きがとれなくなると気づいたので、今度は「自由になりたい」と考えるようになりました。
それは「山頂を目指して走る」行為にたとえられています。
ところが「山頂の上にもたくさん山があった」という顛末です。
どれほど高みを目指して頑張ってもゴールはないというか、何かを達成したと思った矢先に、次の目標が見えてくるようなイメージかもしれません。
大きなことを成し遂げたと自信をもちたいときでも、「山」と比較すると人間は「小さい」といえそうです。
それでも流した泪の痕は僕にしみついて
出典:炎の戦士 / 作詞・作曲:中島真一
血となり肉となり骨となり僕を動かしている
1番では「汗の痕」でしたが、2番では「泪の痕」になりました。
「自分の小ささに嫌になる」など、「泪」を流す場面が多々あったのでしょう。
こうした悔しい思いも自分の体の一部となって、次の目標へと向かうバネになるはずです。
あるいは悲しい思いをしたからこそ、その後の喜びが倍増するといった経験をした人も多いのではないでしょうか。
生きることだけで精一杯だって守り続けたいものがある
出典:炎の戦士 / 作詞・作曲:中島真一
「あの日」灯したこのロウソクだけは強く燃やし続けていく
2番のサビです。
「生きるだけで精一杯」と感じながら生活している人もたくさんいるでしょう。
目の前に立ちはだかる「山々」に押しつぶされそうになっている人は、それでも「情熱の炎を守り続けたい」という思いに共感しかないはず。
「食べるために生きているのか、生きるために食べているのか」がわからなくなるほど生活に追われているときでも、大切にしたい思いはあるものです。
むしろ「何のために生きているのだろう」と混乱するほど忙しいときこそ、それぞれの「あの日」に立ち返って、何があっても消せない思いは何なのか、シンプルに自分を見つめ直す必要があるかもしれません。
渡れるはずの石橋を叩きすぎて
出典:炎の戦士 / 作詞・作曲:中島真一
壊してしまった「あの日」の後悔だって
血となり肉となり骨となり僕を動かしていく
「壊した石橋」は「脱ぎ捨てた鎧」に通じるところがあるかもしれません。
「慎重になりすぎたあまり、できるはずだったことがダメになる後悔」というのもいろいろありそうです。
ラストに1番のサビが繰り返されます。
「炎の戦士」として生き続けるNakajinさんやセカオワのメンバーたちに勇気づけられたのではないでしょうか。

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さいごに
報われない努力、辿り着かない目標、あり得ない後悔など、汗と泪を流しながら経験しているのは自分だけではないと励まされたことでしょう。
誰もが「炎の戦士」といえそうです。