米津玄師さんの「ひまわり」は、メジャー4th(通算5th)アルバム「STRAY SHEEP」(2020年8月)の収録曲。
米津玄師さんが作詞・作曲・編曲、坂東祐大さんが共同編曲した「ひまわり」の歌詞の意味を考察します。
ひまわり 歌詞考察!
花言葉は憧れ
「ひまわり」は米津さんのシングル「LOSER」(2016年9月)や「TEENAGE RIOT」(2018年10月)の流れをくむギターロック。
LAMP IN TERREN(ランプ・イン・テレン)のボーカル&ギター松本大さんがギターを奏でています。
米津さん自身は「ひまわり」について言及しておらず、真意は不明ですが、よく3人で飲んでいたということもあり、ファンのあいだでは2019年4月5日に亡くなったwowakaさん(ヒトリエのボーカル&ギター)への哀歌ではないかと推察されています。
冒頭では、盟友を失った悲しみや苛立ちと共に、wowakaさんの音楽や人間に対する愛のすさまじさや美しさが表現されているのかもしれません。
「凍て星」(いてぼし)とは「凍りついたように光る、冬の夜空の星」のこと。
米津(ハチ)さんは、同時期にボカロPとして活躍し、ボカロから離れたwowakaさんに思いを馳せているのではないでしょうか。
孤高を貫いて夜通し新たな音楽を生み出し、傷つきながらも革新的な模索を続けていたwowakaさんの姿が目に浮かぶようです。
1番のサビ前半です。
多くのファンが「ひまわり」をwowakaさんへの哀歌と推察する理由は、wowakaさん好みのギターロック、松本大さんのギターのほか、歌詞にもあります。
たとえば「追いかけていたんだ」はwowakaさんの「追いかける」(2ndミニアルバム「World 0123456789」2010年2月)、「転がるように」は「ローリンガール」(3rdミニアルバム「SEVEN GIRLS’ DISCORD」2010年11月、1stアルバム「アンハッピーリフレイン」2011年5月)、「線」は「ラインアート」(1stミニアルバム「the monochrome disc」2009年11月、1stアルバム)を連想できます。
さらにタイトルにもなっている「ひまわり」の花言葉は「憧れ、あなただけを見つめる、情熱」。
米津さん自身を「日陰に~ひまわり」になぞらえ、先導者でもあったwowakaさんに対する熱い思いを叫んでいるようです。
1番のサビ後半です。
wowakaさんを彷彿とさせる歌詞のなかでも強烈なのが、wowakaさんの「アンハッピーリフレイン」(1stアルバム)の歌詞にも登場する「散弾銃」、ヒトリエのシングル「ポラリス」(2018年11月、4thアルバム「HOWLS」2019年2月)と重なる「北極星」ではないでしょうか。
「ポラリス=こぐま座α星」は現在の「北極星」で、収録アルバム「HOWLS」はwowakaさんの遺作。
既出の「凍て星」も「北極星」や「ポラリス」につながりそうです。
遠く離れても、お互いに音楽で「明日へ」進もうとしているのかもしれません。
侘び戯れの意味
「あの時」とは、おそらく米津さんがwowakaさんの「ワールズエンド・ダンスホール」(3rdミニアルバム、1stアルバム)を初めて聴いたときでしょう。
米津さんのブログに、この「哀歌」(エレジー)から受けた衝撃が記されています。
「エレキ」に込められたギター愛をとおして、wowakaさんを失った米津さんの無念さが痛いほど伝わってくるのではないでしょうか。
2番のサビ前半です。
米津さんのブログには2人の似ているところや関係性、「海」にまつわる約束、wowakaさんが「名前」を呼ぶ様子も綴られています。
「誰かのようになりたい」という憧れは、最大級の賛辞ではないでしょうか。
もしかしたらwowakaさんも米津さんのようになりたいと考えていたかもしれないと想像して、涙が止まらないファンも多いことでしょう。
2番のサビ後半です。
「鳴き声」から連想されるのは、ヒトリエの4thアルバムのタイトル「HOWLS」(読み:ハウルズ、意味:遠吠え)。
「困り果てた結果、気を紛らわすためにする冗談事、おふざけ」という意味の「侘び戯れ」(わびざれ)からも察することができるとおり、「鳴き声、街路で、侘び戯れ、解き放て、乱反射して、遠くへ、鳴り響け」とすべての語尾が「え」段になっています。
まるで、ずっと「ヒトリエ」と遠吠えしているようなおふざけぶり。
直前の「名前を強く叫ぶ」というフリを回収したようにも受け取れます。
ラストに繰り返される1番のサビも、語尾はすべて「え」段です。
おかげで、少しは悲しみや苛立ちから解放されたのではないでしょうか。
1ヶ月無料で音楽聴き放題!
通常880円/月のAmazonMusicUnlimitedが今なら1ヶ月で体験可能!
この機会に聴き放題サービスをお試ししてみよう!
いつでも解約OK!
さいごに
米津さんがwowakaさんについて綴ったブログ記事のタイトルは「野暮」。
この時点ですでに「野暮」とのことなので、「ひまわり」について何も言及しないのは「推して知るべし」でしょう。
本人が明らかにしないことを推察するのも「野暮」なので、この記事も「侘び戯れ」として明日へつながるよう鳴り響けば幸いです。