今回は、大人気ロックバンドKing Gnuさんの三作目の配信限定シングルである、【飛行艇】の歌詞を考察していきたいと思います!
意外と歌詞の意味を意識したことがないという人も多いのではないでしょうか。
King Gnuについて、もっと詳しくなりたい!という方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ストーリー性のあるMVが話題!
2021年5月現在、YouTube総再生回数が5800万超えという爆発的人気を誇るこの曲ですが、そのMVが深すぎると話題になっています。
クリエイターズチーム”PERIMETRON”が手掛けた今回のMVでは、ストーリー性のある物語に、King Gnu本人たちの出演、演奏が組み合わさり、圧巻の映像作品になっています。
ざっくりとストーリーを紹介すると、少年が螺旋階段を登っていき、様々な人々と出会いながら成長し、ヒーローになっていく。というお話。
今回は歌詞考察なので、MVの考察はしませんが、MV自体も考察のしがいがありそうな作品になっています。
「飛行艇」の意味、そしてタイトルの理由とは?
そもそも、飛行艇とはどういうものか、知っていますか?
飛行艇は、水面発着出来る機体のうち、胴体部分が水面に接するように設計された飛行機である。
wikipediaより
水上で離陸、着陸ができる飛行機というとわかりやすいかもしれませんね。
この曲はANAの国内版CM「ひとには翼がある」編の挿入曲として書き下ろされてものですが、わざわざ飛行艇という名前にしたのはどういう意味なのでしょうか。
歌詞を考察していくとその意味についてもわかるかもしれません

King Gnu 【飛行艇】 の歌詞を考察!
夢を見に行くためのフライト

誰もが子供のことは将来の「夢」を持っていたはずです
野球選手になりたい子供、パン屋さんになりたい子供。しかし、成長するにつれていつのまにか小さなころに抱いていた夢を忘れてしまいます。
どうして私達は夢を忘れてしまうのでしょうか。
きっとそれは、「野球選手になれるのは、才能のある一部の人間だけだ」「パン屋なんて儲からない職業はやめたほうがいい」などといった社会の正しいとされる常識を知るからでしょう。
しかし、そんな常識や正しさに恐れていては夢を見ることはできません
夢を見るにはある程度、無鉄砲のほうがいいのかもしれませんね。

この曲のタイトルが「飛行艇」であることから、歌詞には「飛ぶ」や「空」などの単語が頻出します。
人間は生身では飛び回ることはできませんが、飛行艇に乗れば可能です。
しかし、飛び回るという空中を連想する単語に対し、ステップバイステップというのは地面を一歩ずつ歩くようなイメージで一見、不釣り合いのようにも思えます。
これは、人間と人間が生み出した機械の両者の関係性を際立たせているのではないかと考えます。
人間だけでは飛ぶことはできないし、飛行艇も人が乗らなければ動きません。
人間が飛行艇に乗ることで、ようやく空を飛ぶことができ、そして、果てのないパーティー(夢を追う人生そのもの)を続けるのです。

時代に飛び乗るという表現は時代そのものを離陸前の飛行艇に例えているのではないでしょうか。
一度飛び立ってしまった飛行艇は下からその姿を眺めるしかありません。
乗ると決めたら、その瞬間に飛び乗る決意と度胸がなければ、大空を飛び回ることはできないでしょう。
夢を追うためには広い世界を見る必要があります。いつまでも生まれ育った町にいては、視野も狭いままです。
危険があるかもしれない、墜落してしまうかもしれない。
そんな不安を持ちながらも、夢を追うためには命を揺らすようなフライトをしなければならないのです。

離陸したら何もしなくてもいい。というわけでは決してありません。むしろ、出発してからの舵切りのほうが重要でしょう。
上空には様々な気流が混ざり合い、その時、その時で全く異なる風が吹き荒れています。これは人生でも同じです。
周囲を取り巻く人は成長するたびに変化していきます。自分のことを信じてくれる人、愛してくれる人、反対に騙そうとしてくる人、様々な人と出会うでしょう。
私達は自分がどの風に乗るべきか、見極めなければなりません。それを間違えると墜落してしまう可能性だってあります。
台風の目になって世間をあっと驚かせるような影響力を持つ人は、それに見合う風(人間関係)を見極める能力のある人です。
皆さんの周りには良い風が吹いていますか?
時代に飛び乗って大空に羽ばたくか、地上から指をくわえて眺めるか

時代に飛び乗り、荒れ狂う風の中フライトをするのはとても危険で、できればやりたくないですよね
なんの変哲もない日常をそのまま過ごし続ける選択肢もあります。
この日常とは大空に羽ばたくものではなく、地上での生活のことでしょう。
ここではそんな日常を過ごすのもいい、と言っているのか、はたまた刺激も夢もないような生活を皮肉っているのでしょうか。
私は後者だと考えます。「代わり映えのしない」というのがすこし棘のあるフレーズに感じます。
しかし、一度飛んだ飛行艇はいづれは着陸し、また飛び立つためには燃料を補給しなければなりません。
挑戦をするためにはありふれた日常も重要であるということを意味しているのかもしれません。

地上でありふれた日常を過ごす人々からしてみたら、何度も、夢を追い続けるためにフライトを繰り返すのは無意味だと感じるかもしれません。
でも、そんな評価をいちいち気にしていては夢を叶えることはできません。地上にいる人々は「正しさ」に毒されているのです。
着陸するときには「よく頑張った」と歓声を上げる人もいるでしょう。「意味のないことを」と罵倒する人もいるかも知れません。
そんな評価を気にせず、一歩ずつ進めばいい、というメッセージが読み取れます。

もう一度飛び立つのです。時代に飛び乗りましょう。
そして、他人からしたら自分は名もなき風のひとつです。其の人にとって自分が役に立つのか、立たないのか。
それを決めるのは自分ではありません。自分は自分の飛行艇を行きたい場所まで操縦することだけに注力すればいいのです。
他の飛行艇の役に立とう。なんて考えは不要だという意味だと解釈します。
清濁とは「歓声」と「罵倒」のことでしょう。
罵倒はさることながら、歓声も気にしすぎてはいけません。
自分は自分の夢に向かって飛ぶ。ただそれだけを考えるのです。
過去と現在、そして未来を見据える

ここは、とても印象に残る歌詞ですよね
大雨を降らせて、大地を震わせる。これは自然現象であり、人の手でどうにかできる問題ではありません。
しかし、夢を追いかけるフライトをしている人はそれすらも可能にしてしまうほどの内なる力が宿っているのでしょう。
過去、現在、未来、どれも恥じるものではありません。
これまでの自分が歩んできた(飛んできた)道のり、そしてこれから自分が進もうとしている進路、自信を持つべきなのです。

もう一度サビが繰り返されています。
タイトル「飛行艇」の意味とは?
ここで、この曲のタイトルが「飛行機」でもなく「飛行船」でもなく「飛行艇」である理由について考えてみます。
最初に書いたように、飛行艇とは、水上で離着陸のできる飛行機です。これが何を意味しているのでしょうか。
私達が普段乗る飛行機は滑走路から離陸し、滑走路に着陸します。それは時間も場所も厳密に限られていて自由度は低いです。
しかし、水上から離着陸できる飛行艇は、言ってしまえば、どこからでも出発できます。そして、どこに着陸してもよいのです。
このことから、夢を叶えるためには、いつ動き出そう。何歳までに始めなければ。もしだめだったらどうしよう。などと離着陸の制限ばかり気にするべきではない。というメッセージが込められているのではないでしょうか。
飛行艇であれば、いつ、どこからでも、そしてどこへでも飛ぶことができます。
時代の波に乗るような人間になるためには制限なんて気にするべきではないというメッセージが読み取れますね。
ここまでの成功を収めたKing Gnuさんが歌うからこその説得力だと思います。
貴女と私の関係性

貴女というのは特定の人物を指しているような気がしますね。
ここまでに一切登場してこなかったことから、聞き手がそれぞれのストーリーを想像できるようにしているのでしょう。
そして、貴女の期待というフレーズも「貴女の機体」という捉え方ができます。
貴女というのを、結婚している奥さんという捉え方をしてみます。そう仮定すると、期待に飛び乗るというのは一番近くで支えてくれる人の為に、夢を叶えようと離陸していく情景が浮かびます
そして機体に飛び乗るという意味で捉えると、一緒に操縦し、夢を叶えるたびに出よう!という意味にも取ることができます。
結婚とは赤の他人が家族になり、同じ運命をたどる契約です。同じ機体に乗り合わせている人は上昇するのも、墜落するのも同じ運命なのです。
一人の旅、そして二人の旅。どちらにしてもやることは同じです。夢に向かって進み続けるのです。

1ヶ月無料で音楽聴き放題!
通常880円/月のAmazonMusicUnlimitedが今なら1ヶ月で体験可能!
この機会に聴き放題サービスをお試ししてみよう!
いつでも解約OK!
最後に
この曲を考察すると、「夢」を追いかける人を鼓舞するような歌であることが読み取れました。
ストーリー性のある曲ではないですが、常田さんのアツい想いが直接感じ取れるような歌詞でしたね。
夢を追う自分と、明確ではない貴女。歌詞の考察は一様ではないので、みなさんもどのような意味だったのか、考えてみてくださいね!
他にもさまざまなアーティストの歌詞を考察しているので、よければ他記事もご覧ください。