今回はYOASOBIの「ハルジオン」の歌詞を考察していきます!
「ハルジオン」はYOASOBIの3作目の配信限定シングルとして2020年5月11日にリリースされました。Youtubeでは5500万回以上再生されており、YOASOBIを代表する一曲となっています。
橋爪駿輝さんの小説「それでも、ハッピーエンド」を原作として制作されており、YOASOBI初めてのプロの小説家とのコラボレーション楽曲です。
この物語の中では社会に生き抜くことに疲れしまったり失恋をしてしまったりしたことから心を失ったが、それでも前を向いていこうとする主人公の姿が描かれています。感情が細かく表現されているところも注目ポイントになります。
また、「ハルジオン」はエナジードリンクとのコラボ企画として書き下ろされた楽曲でもあり、「没入」がコンセプトとなっています。今回は、何に「没入」しているのかを考えながら「ハルジオン」の歌詞の考察をしていきたいと思います。
タイトルに込められた意味
ハルジオンとは、キク科ムカシヨモギ属の植物のことを指します。公園や道端などで誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
時期としては4〜6月ごろに咲き、花言葉は「追想の愛」となっています。タイトルであるハルジオンに込められたメッセージは「追想の愛」であり、追想とは過去を想い起こすことを意味します。

ハルジオン 歌詞考察!
恋人への未練

冒頭の歌詞からは失恋をしてしまった主人公が別れてしまった相手に対して未練があることがわかります。
相手のことを思い出しながら昔一緒に撮った写真を見ている様子が描かれています。

忙しい日々に押しつぶされてしまい、すれ違いが生まれたことから別れに繋がったのでしょうか。初めの3行から主人公自身が別れを切り出したことがわかります。
しかし、好意がなくなったというわけではなく、別れた後も受け入れきれずもう一度会いたいという強い想いが伝わってきます。
守られなかった約束

「ずっと一緒にいよう」
過去にこのような約束を交わしていたのでしょう。その言葉を信じていた主人公だけがまだ前に進めず、未練が残っています。
時間は過ぎていき、「あなた」と一緒にいる未来は無くなってしまい、もう元に戻ることはできないと分かっているのに自分だけが置いていかれた気持ちになります。
過去の思い出に手を伸ばし、「あなた」の気配、面影をどこかで探してしまい忘れられないという感情が描かれています。
これらの歌詞から主人公は「過去の恋」に「没入」しているのだとわかります。

小説の中で登場する、好きな絵を描いて個展を開くという夢を叶えた「友人」のことを歌っている部分だと思います。夢を追いかける友人に対して、絵を描いて生きていくなんて現実的ではないと思い込むことで自分自身を見ないふりしていたのでしょう。
主人公にも追いかけていた大切な夢があったのだとわかります。
自分にとっての色鮮やかな未来。「彼とずっと一緒にいる未来」を信じていたにもかかわらず、なぜ自ら別れを告げてしまったのでしょう。

主人公は多忙な毎日に疲れて余裕を失ってしまい、「美しさの無い私」になってしまいました。その結果、何もかもうまくいかず自分から別れを告げるところまで至ってしまったのでしょう。
しかし、いつまでも「美しさの無い私」のままではいられません。
夢を追いかけて努力していた私を愛してくれたあなた。
あなたが好きだと言ってくれた私を取り戻したいと主人公は決心します。
蕾から花に向かって

「この手で隠した想い」とは主人公が諦めてしまっていた夢のことではないでしょうか。
見て見ぬふりをして、隠していたとしても決して消えてなくなることはなかった夢。
「今も鮮やかに蘇る景色」というのは友人の個展で見た絵のことでしょう。この景色と恋人との戻れない日々から、自分の諦めた蕾のままだった夢について考え、もう一度夢だった絵を描いてみようという気持ちになったのです。
「あなた」が愛してくれた、夢に向かって絵を描いている私を取り戻すために。
これからの自分

最後のサビになります。主人公は「あなた」との思い出を描きます。そうすることで失ってしまった未来を作るのです。
辛い過去に向き合うことは難しいことですが、現実を受け入れて絵にすることで確かに未来が動き出したのです。一番の歌詞では「手を伸ばして」いたのですが最後には二人の日々に「手を振る」ことができています。
彼女は過去の恋にではなく、前を向いて夢である絵を描くことに「没入」できたのです。

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さいごに
主人公は過去の恋に囚われていましたが、最後にはその経験から前を向いて自分のための未来を作ることができました。
時には過去の辛い思い出が自分の未来に向かうための糧となるという強いメッセージが伝わってくる楽曲となっています。
原作を読んでから「ハルジオン」を聞いてみるとより一層深く曲を受け止められる気がします。ぜひ試してみてくださいね。