今回はback numberのメジャーデビュー曲である、切ないバラード「はなびら」について歌詞考察したいと思います。
また、聖地巡礼についても触れているのでお楽しみに。
back numberとは
2004年に群馬県で結成されたロックバンド。
恋愛に関する切ない楽曲を披露するバンドとして定評があり、20代から30代を中心に幅広い世代から支持されています。
2011年4月6日に発売された「はなびら」でメジャーデビューを果たし現在も人気が衰える事は無く、実力派バンドとなっています。
メンバーはボーカル・ギターの清水依与吏さん、ベース・コーラスの小島和也さん、ドラムスの栗原寿さんの3名で構成され、作詞作曲は清水依与吏さんが担っていらっしゃいます。
楽曲「はなびら」
2011年4月6日にリリースされテレビ東京系「JAPAN COUNTDOUN」のエンディングテーマに起用されていました。
更にこの楽曲はback numberのメジャーデビュー曲でありながらゴールドディスクに認定されています。
ゴールドディスクとはCDの発売日からの出荷枚数が10万枚を超えると認定され、back numberが実力派バンドと言われる所以が伺えますね。
また2ndアルバム「スーパースター」・ベストアルバム「アンコール」にも収録されている楽曲です。
back numberの聖地
「はなびら」の歌詞には「歩道橋」や「横断歩道」が出てきますが実はこの場所にはモデルがあり群馬県伊勢崎市にある三郷横断歩道橋だと言われており、ファンの聖地巡礼の地の一つになっています。
このようにback numberの楽曲には場所がモデルとなっている歌詞が多数あり、ファンの間ではMVの撮影場所を含め聖地巡礼して楽しむ方も多くいらっしゃいます。
■「西藤公園」より西藤中央公園
■「電車の窓から」より東武伊勢崎線
■「SISTER」よりHOTEL EMANON(東京都)
■「ハッピーエンド」代々木公園(東京都)でPV撮影
掘り下げると数多く出てきますので楽しそうですね。実際に足を運ぶことで歌詞の感じ方もまた変わったりするかもしれません。

はなびら 歌詞考察
桜の花が舞い落ちるこの景色を
出典:はなびら / 作詞・作曲:清水依与吏
いつか僕たちは並んで見ていた
今ではそのほとんどが嘘になってしまった言葉を
心から伝え合いながら
春。咲き誇り、少し散るようになってきた桜の花を恋人と肩を寄せ合い眺めていたのでしょう。
「好きだよ」「愛してるよ」「ずっと一緒にいようね」そんな言葉を付き合っていた頃は本気で伝え合っていたのだと歌われています。
その時の二人は間違いなく同じ未来を、同じ方向を見ていたのだと思います。
今はほとんどが嘘になってしまった、とあるので二人は終わりを迎えたのだと分かりますが、私が注目したのは「ほとんど」という言葉。
どんな言葉が嘘にならず、今も「本当の」言葉として残っているのでしょうか、気になりますね。
見上げれば空は
出典:はなびら / 作詞・作曲:清水依与吏
君に見せたいくらい綺麗で
耳をすませば
今でも君の声が聞こえる
見上げた空がとても綺麗で、主人公は彼女に見せたいと思います。
心動いたものを見せたいと思う程に主人公はまだ、彼女の事が好きなんだと伝わってきます。
すぐに彼女の声を思い出す事が出来るし、彼女だったら「こう返してくるのではないか」という会話の癖もすぐに思い返す事ができる程、彼女の存在が大きかったのでしょう。
抱きしめても
出典:はなびら / 作詞・作曲:清水依与吏
春ははなびらのように
僕の腕をすり抜けて
それでも忘れたくなくて
何度も何度も
巻き戻して
君ともう一回出会って
もう一回恋したいんだって
今度はもう離さないよ
離さない
思い返す想い出は一人になった今は「記憶」でしかなくて、抱きしめられそうで抱きしめられない花びらのように、主人公の心をすり抜けていきます。
記憶はいつしか色褪せていくものですが、主人公は少しも忘れたくないから毎日頭の中で巻き戻し、再生しているのかなと思いました。
そして出会った頃に戻りたい、戻ったらもう一度彼女を好きでいる事を許されたいと願ってしまうのでしょう。
そして「今度はもう離さない」とあるので、今回二人が終わりを迎えたのは主人公に悪気があったのか運命の悪戯なのかは別として、きっかけは主人公が作ってしまったのかなと私は読み取りました。
歩道橋の上にも横断歩道の向こうにも
駐車場の緑のフェンスの前にも
いたる所で君の想い出が笑ってて
ずいぶん住みにくい街になったな言い忘れたけど君の事がまだ好きだよ
出典:はなびら / 作詞・作曲:清水依与吏
ひとりでつぶやいただけなのにな
溢れてくる
なんの変哲もない日常の風景、住み慣れた街あちこちに彼女との記憶を見つける事が出来て辛いと嘆きます。
記憶の中の彼女はMVでも描かれているように、一番幸せな時に見る事が出来た笑顔で溢れているのでしょう。
大切な人の涙を思いだす事も辛い事ですが、もう会ってはいけない人の笑顔を思い出す事も非常に辛い事ではないでしょうか。
住みにくい、と少し悪態つくことで主人公の精一杯の強がりが見て取れて切なさを助長していますね。
ちなみにここで登場する歩道橋・横断歩道が実際に群馬県伊勢崎市にある三郷横断歩道橋とされています。
まだ彼女の事が好きなのだと思う主人公。
誰に伝えるでもなく、ただ自分の中で言葉にしただけなのに溢れてきたのは気持ちなのでしょうか、涙でしょうか。
私は両方だと思います。
辛い失恋を経験し、懸命に踏ん張っている主人公の姿が思い浮かびますね。
抱きしめても
出典:はなびら / 作詞・作曲:清水依与吏
春ははなびらのように
僕の腕をすり抜けて
それでも忘れたくなくて
何度も何度も
巻き戻して
君ともう一回出会って
もう一回恋したいんだって
今度はもう離さないよ
嘘じゃない
彼女がまだ好きなのだと、溢れた気持ちを表現するかの様にサビに入っていきますね。
忘れないように、繰り返し思い出し出会った頃に戻れれば、と願います。
そして「今度はもう離さない、嘘じゃない」という歌詞が出てきますね。
この嘘じゃない、が始まりに歌われた「ほとんどが嘘になってしまった言葉」に繋がっていくのではないでしょうか。
お互い離れる事を決意した時、「離さないよって言ったのに、嘘つき」そんな風に主人公は彼女に告げられたのもしれませんね。
枯れ落ちた花があの日と同じ風に吹かれて
終われなかった恋をつれて今
舞い上がってく抱きしめても
出典:はなびら / 作詞・作曲:清水依与吏
春ははなびらのように
僕の腕をすり抜けて
それでも忘れたくなくて
何度も何度も
巻き戻して
君ともう一回出会って
もう一回恋したいんだって
今度はもう離さないよ
離さない
君を離さない
別れ話をした時に吹いていた風によく似た風が主人公を吹き抜けていったのでしょうか。
頬に残る涙の後を撫でて、今も引きずっている恋を吹き消す様に風にのまれたはなびらと一緒に吹き上げていきます。
そして最後のサビへと歌詞も曲も続いていくのですが、ここからMVで彼女役を演じている辻本舞さんの表情に変化がみて取れました。
楽しかった時間を思い出すかのようにずっと笑顔を見せ続けていたのに、最後のサビに入ると笑顔は減り真顔や切ない表情が増え、そして最終的には「場所」から彼女は姿を消してしまったのです。
そして階段を上り扉を開けると、彼女が立っていて楽曲も映像も終わりを告げることとなりました。
私はこの映像を、楽しかった事だけを思い出していた主人公がそれ以外の彼女を思い出せる様になり、ほんの少しだけ前に進めたという表現では、と思っています。
最後、彼女の姿が見れたのは「君を離さない」という歌詞が嘘ではなく本当なのだと強い決意が見せた主人公の心の中ではないか、とも感じています。
一緒に居た頃に伝えた言葉で今も嘘にならず本当の言葉として残っているものは主人公が彼女に伝えてきた「好き」という言葉と、一度は手放してしまいましたが「離さない」という言葉となるのではないでしょうか。
大切なものは一度手放したら戻ってこない、そんな事も伝えてくれている楽曲だと思っています。

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さいごに
いかがだったでしょうか。
back numberのメジャーデビュー曲であり、失恋した切ない気持ちを歌い上げた名曲「はなびら」について考察してみました。
別れてなお、好きでいるのはとても辛くなかなか前に進む事が出来ないのではないでしょうか。
その気持ちを丁寧で分かりやすい歌詞でしっかりと表現されている楽曲だと感じました。
まだまだ疾走感あふれるback numberにこれからも期待が高まります!