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「毎日毎日同じことの繰り返しで疲れちゃったよ…」と思っている人はいませんか?
そんな時はMr.Childrenの『HANABI』を聴くことをおすすめします!
『HANABI』は2008年に発売されたMr.Childrenの33枚目のシングル。当たり前の中にある儚さと美しさを描いた、 Mr.Childrenを代表する大人気の楽曲です。
『HANABI』はドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の主題歌にも起用され有名になりました。
ドラマプロデューサーに「『HANABI』という曲は言うなれば6人目の登場人物」と言わしめるほどに物語性の高い楽曲でもあります。
単調な毎日の中でも素敵な明日を願ってやまない人間の心の機微を描いた『HANABI』。
作詞したボーカル・桜井和寿は、金魚の世話をしている時にインスピレーションを受けて『HANABI』を書いたそう。
ペットショップの店員に、”水槽の水は新鮮な空気を取り込んでおかないと死んでいき水が腐ってしまう”と聞いたところから、人間も同じだと思ったのだそうです。すごい才能ですね!
少し疲れてしまいがちな私たちに寄り添ってくれる『HANABI』は、一体どんな歌詞なのでしょうか?考察していきます!

『HANABI』歌詞考察
代わり映えのないモノクロの毎日

冒頭は少々暗く、センチメンタルになっている主人公の気持ちから。
予想するに、代わり映えのない毎日を送っている主人公の姿が浮かびます。
変わりのない仕事、うるさい上司や嫌なニュース。
挙げたらきりのない小さな嫌な出来事が浮かびます。
そんなことも続くと「すべてが無意味だって思える」と感じてしまったことはないでしょうか?
「手に入れたものと引き換えにして 切り捨てたいくつもの輝き」 ー。
そんなモノクロな毎日を送るもっと昔は、たくさんの夢に囲まれていた日々だってあったはず。
しかしその輝きも失ってしまい、今は憂いてばかり。
愚痴や文句だって、誰に拾われることもなく、自らの心の中に蓄積されてゆきます。
日々に埋もれてゆく憂鬱

「答えようもないその問いかけ」を自らに投げかける主人公。
もちろん「答え」がでるはずもなく、同じような毎日は繰り返されます。
ここで登場するのは「君」という存在。主人公の恋人でしょうか。
「君」に「暗いね」と笑顔で言われた時のことを想像しています。
きっと主人公の「僕」にとって、「君」はかけがえのない存在なのでしょう。
実際に、近しい人に「大丈夫だよ」なんて言われれば案外肩の荷が下りるもの。
でも、自分で自分に「大丈夫だよ」と言える強さも持っていたいもの。
そんな何気ない瞬間の救いを求めている主人公の姿がイメージできます。
かすかな希望を空に放って

タイトルにもなっている”花火”とは、凄まじい輝きと一瞬で終わってしまう儚さを持ち合わせています。
信じて期待する強い気持ちと、すぐに散ってしまう儚い心。
そんな人間のメンタリティを花火に例えているのではないでしょうか?
サビのこの節では、手に届かないけれど確実に目に映る花火の光のような「何か」を摑もうともがく主人公。
この「何か」とは、夢かもしれないし、大切な人かもしれないし、人それぞれです。
筆者が一番好きなのは次の歌詞。「だけど素敵な明日を願っている」という部分。
どんなに毎日が単調で瞬時に消費されたとしても、「どうか明日は良い日であってくれ!」と願わざるを得ない人間の姿があります。
それは時に、愚かで滑稽に見えるかもしれません。
でも諦められないのが人間の方が、よっぽど美しくはありませんか?
取り繕う自分への嫌悪

まさに歌詞通りの経験をしたことのある人は多いのではないでしょうか?
うまく立ち振る舞えない自分。
「そんな自分を知られたくない」と、嘘偽って上辺だけうまく行う自分。
どれが本当の自分か分からなくなってしまうこと、今もたくさんの人が経験していることだと思います。
しかし、無情にも時は流れてゆきます。
もしこのまま変わらない時間を過ごせば、未来も同じ状況でしょう。
「希望を捨ててはいけない!」と危機感を抱く主人公は、未来からの声に耳を傾けます。
ここに登場する「君」は、深読みすれば「自分自身」のことを示唆しているようにも感じます。
輝きを得ようと頑張った自分から、今を憂う自分への呼び声とも読み取れます。
おわりがあるからこそ、諦めたくない

「さよならが迎えにくること」—。ここで言う「さよなら」とは、死や、大切な人とのお別れかもしれません。
しかし、そんな終焉があるからこそ、「諦めたくない」という気持ちは強まります。
だって、永久に「さよなら」が無い世界ならば、諦める必要がないからです。
「めぐり逢えた」とは、大好きな恋人に会うことかもしれせん。
または先ほどの考察のように、諦めなかった自分に出逢うことかもしれません。
そんな邂逅を通じれば「世界は美しい」と思えるのだという、ほのかな希望をMr.Childrenは提示してくれています。
そこに生じるのは、あたたかな「ありがとう」です。
いき水を日常に

「滞らないように 揺れて流れて」—。
この歌詞からは、桜井さんが金魚の世話の際に受けたインスピレーションを彷彿とさせます。
私たちの日常も同じ空気、同じ作業の繰り返しでは、心も腐敗していきます。
少しの輝きがあれば潤うのです。
ここで歌われる「もう一回 もう一回」という歌詞からは、今まで以上に強く「何か」への欲求が強くなっているように感じられます。
それはまさに、どれだけ悲しくても「明日は良い日になる」と信じてやまない気持ちのよう。
「焼き付けたい」という文からは、花火の”火”・”熱さ”をイメージさせます。
主人公の心の中で、新たな灯火が滾っている(たぎっている)証ではないでしょうか?
問題を抱えながらも、明日を願って良い

人は皆、何かしらの悩みを抱えています。
突破口は見えないかもしれない、しかし、「明日は少しでも光が差すのではないか?」と期待してしまうのが人間存在です。
願えば願うほど、裏切られてしまう時の悲しみは大きいのは常ですが、その世界線から降りるのはもったいない。
いくら裏切られてもなお、信じ貫く者が辿り着く境地がある。
そんな強さにみなぎったメッセージを最後に受け取ることができるのが『HANABI』です。

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おわりに
いかがでしたか?
抱える悩みは十人十色。しかし、通底する強い痛みは一緒です。
そんな痛みに寄り添ってくれ、明日への仄かな希望を提供してくれる『HANABI』。
「こんな毎日、生きる意味はあるのか?」と問う人に、ぜひ聴いてほしい一曲です!