今回は2020年8月にリリースされた先行配信デジタルシングルの7作目「Ham」の歌詞考察をしていきます!
「Ham」はボーカル・ギターを担当するACAねさんが作詞作曲を担当しました。
ポップで疾走感のある曲が印象的な「ずっと真夜中でいいのに。」ですが、この「Ham」は儚いメロディーと歌詞が異色を放っています。
別れの曲と取ることもできますが、MVを見ると主人公「ニラ」の想いと取ることもできます。
MVではニラは人体実験場のようなところにおり、白いニラと一緒にいました。しかし白いニラは実験で黒い腕だけを残した異形となってしまい、もう2度と会うことのできないニラへの想いとして曲を取ることもできます。
ここでは一般的な恋愛をテーマとして考察をしていきます。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう!

Ham 歌詞考察
もう会えない相手への想い

曲冒頭では相手へのメッセージを送るように綴られています。
メッセージを送ってからソワソワとしており、「君」への想いが詰まっていることがわかります。
「君の鼓動」は文脈に合わせると「君」からのメッセージか電話によって携帯電話が振動することと思われます。
「君」からの連絡で飛び上がってしまうような生活にも少しずつ慣れてきた主人公。相手と離れてしまって少し落ち着いてきた様子です。

これだけ「君」からの連絡を楽しみにしている主人公ですが、もし実際に会ったら「久しぶり」と在り来りな言葉しか言えないと思っています。
もしかするとそんな在り来りな言葉すら出てこないかもしれない。それほど「君」への想いは強く、会うと気まずさや気恥ずかしさが出てしまうのでしょう。
「君」が夢に出てきた翌朝、「君」がいない現実に苦しめられている主人公の様子が描かれています。
過去の態度への後悔

ここでは離れた瞬間を強く後悔しています。
「君」が自分と離れることを告げたとき、主人公は平気な態度を取って受け止めたふりをしてしまいました。
しかし実際はもっと一緒にいたかったという思いが強く、繋ぎ止められたかもしれないという後悔の念に押しつぶされそうになっています。
しかしそれを実際に言ってしまうと相手を苦しめてしまうかもしれない。結局堂々巡りになってまた強い想いを封じ込めてしまいます。

「僕の立場と ちっちゃな嘘で 食べられた」というのは主人公が取った素直でない態度や小さな嘘によって徐々に相手は心にダメージを食らったという解釈ができます。
そして自分のせいで相手にいっぱい諦めさせた、と後悔が押し寄せています。
自分のせいで傷ついた「君」ですが、他の人に救われて欲しいとも思うことができず、また自分が一緒にいたいという想いが表れています。
「君」への想いが募る主人公

そうして後悔の言葉から続く歌詞は、まだ募る「君」への想いがストレートに綴られています。
特徴的なのは「血の温もり」「色素の距離」という言葉。これらはそれぞれ「実際に会って感じる生きている相手」と「夢でしか会えなくなってしまった相手と現実で会うこと」を表現していると思われます。
しかしもう「君」と会うことは叶わず、叶わない想いに振り回される主人公の様子が鮮明に浮かびます。
後悔を重ねる主人公

1番と同じようなフレーズで始まる2番ですが、離れたときの情景がより具体的に描かれています。
「身を引いた」というのは気持ちがありながらも相手の状況によって仕方なく別れを選択することを言います。
「君」が別れを選択したのは、自分と一緒にいることで苦しむ主人公の姿を見てのことだったのでしょう。
そして主人公もその苦しみから逃れることができ、ほっとした感情を持ちながらも諦めきれない。それでもまた相手を想って踏み出せないでいる様子がわかります。

当時主人公は自分のことしか考えられなかったのかもしれません。その「弱さ」は無意識的に相手を傷つけており、それを今、後悔して罰してももう手遅れ。「君」を想う気持ちへの答えは出せません。
どこに向けようもない感情

今更「君」を想って一緒にいたいというのは情けなく虚しいことだと主人公は自覚しています。
それでもかつてあまり知れなかった「君」のことを知りたいと思っています。
「硬い心」は分かり合えない気持ち、「鋭い爪」は相手のことを知って傷つくことを言っています。
それほど「君」を想っている感情が自分にあっても、「君」を想うからこそ先に進めない。そんな葛藤が見て取れます。

一旦は隠した「君」への強い想い。しかし逆に大きくなっていきます。
「君」がいない世界は主人公にとっては無意味です。どうしても「君」といたいと思っていますが、それでもやはり相手を想うからこそ先に進めません。
無理矢理生きがいを見出す

どれだけ「君」を想っても先に進めない主人公。また実際に会っても言葉が出ないこともわかっています。
どうすることもできない主人公は「君をさがして」「生きていけるよ」と言っていますが、「君」をさがすことに対して「意気込むことはないけれど」とも言っています。
これは「君」と再会する日を思い浮かべたり「君」が夢に出てくることを願ったり、脳内にいる「君」と会える日をさがしていこうと決心した様子です。
悲しい選択ではありますが、ある意味生きがいを見出したと言えます。
どうしても届けたいけれど届かない想い。優しいメロディーとは裏腹に、切ない感情が強く伝わってくる歌詞ですね。

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さいごに
タイトル「Ham」は単純に日本語に訳すと食べ物のハムという意味もありますが、「大根役者」や「素人」といった意味もあります。
歌詞から考察すると、このタイトルは不器用に平気なふりをした過去の主人公を表現しており、自分では平気なふりをしているつもりでも無理しているのが丸わかりだったのかも知れません。
また「ずっと真夜中でいいのに。」の歌詞ではよくあるダブルミーニングとして考えると、途中の歌詞に出てきた「僕の立場と ちっちゃな嘘で 食べられた」というところから漢字に変換して「食む」と考えることもできます。
自分のわがままで心にダメージを食らってしまった「君」のことも同時に表しているのかも知れませんね。
歌詞自体はシンプルですが所々こういった言葉遊びで深い意味を持たせるずっと真夜中でいいのに。が今後リリースする曲にも注目です!