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廃墟の国のアリス【まふまふ】歌詞の意味を考察! アリスの純粋性と、壊れた世界

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今回は、まふまふさんの「廃墟の国のアリス」の歌詞考察をしていきます。

この曲は、『まふまふfeat.初音ミク』として初音ミクの歌うバージョンが2018年8月20日に公開され、その後『自分で歌ってみた』としてまふまふさん本人が歌うバージョンが2018年9月6日に公開される。そんな流れで発表されました。

初音ミクと同じ音域が出せるまふまふさんの歌声の力は凄いですね…

廃墟の国のアリス 歌詞考察

この歌詞の登場人物は二人。「ボク」と「君=アリス」です。

歌詞の大部分に主語が無いことから、誰が何をやったのか非常に分かりづらい構造になっています。

どのような解釈も出来そうに見えてしまいますので、別の視点から考察してみましょう。

アリスといえば、すぐに思いつくのは小説「不思議の国のアリス」です。

「廃墟の国のアリス」というタイトルがこれを意識しているのは明らかですね。

この小説の中でのアリスは、少女性の象徴であると言われています。

事実、著者のルイス・キャロルは、アリスの人物像について、「純粋な愛と優しさ、どんなにグロテスクなものにも向けられる礼儀正しさ、信じやすさ、好奇心」を持ったこどもであると語っています。

アリスは純粋な存在。

歌詞の中では、そのように位置づけることが出来るのではないでしょうか。

そう言える根拠はもう一つあります。

歌詞の中、情景描写で出てくる「黄金林檎」。

これは、様々な神話で使われているアイテムです。

ギリシャ神話では神が探し求める。

北欧神話では食べれば不死になることが出来る神の食べ物。

といった感じです。

この黄金の林檎ですが、ギリシャ語やラテン語ではオレンジのことを示します。

つまり、繰り返される「黄金林檎」とはオレンジのこと。

そして、オレンジの花言葉は「純粋」「愛らしさ」。

この歌詞は、「ボク」が「純粋なもの=アリス」を見つめる、そのような物語である。

そんな視点から考察してみましょう。

「ボク」とアリスの物語

曇天を揺らす警鐘と拡声器
ざらついた共感覚
泣き寝入りの合法 倫理 事なかれの大衆心理
昨夜の遺体は狙い通り 誰かが持ち去っていった
砂風味の黄金林檎 廃墟になった街

こんな灰被りの現状はボロ布で着飾って
いつかこの檻の向こうに いつかこの檻の向こうに
昨夜の願いは期待通り この銅貨2枚ちょっと
血生臭い両手洗って 愛を謳っている

共感覚とは、何かの感覚が別の感覚を生むこと。音に色を感じるものが有名です。

ここでは、両手の血生臭さ、または両手に誰かの血が流れる感覚が、警鐘と拡声器の音のように感じられたと解釈するのが自然でしょう。

大衆心理は事なかれですので、「ボク」を捕まえようとする意思を持ちません。また、後に出てくる通り、アリスはこのことを知らずにいます。

実際には静かな廃墟の町の中、誰かが自分に危害を加えるという強迫観念に駆られているように思えます。

「ボク」は生きるため、銅貨2枚ちょっとの報酬を受け取り、誰かの命を奪うことを繰り返しています。

それを灰被りの現状と表現しています。

醒めない夢のような感情が 泥まみれに落っこちて
見たことない惨状が 現実だと知ったんだ
ノスタルジア環状線 雲の上を半回転
格子状に咲く天井を今日も見ている

疑うことなく箱庭で踊るアリス
天空に広がる鳥籠のアリス
数えきれぬ感傷と忘却の夜に
澄みきった瞳でボクを見ないでくれ

「見たことない惨状が現実だと知った」から読み取れるのは、この町が廃墟になったのはごく最近であること。

突然それまでの世界から変質してしまった廃墟の中で、生きること以外は何も考えられない状況。

そんな世界の中で、「ボク」とアリスは対照的な存在として描かれています。

感情が泥まみれに落ち、地面でもがきながら他者を傷つけて生きる「ボク」。

見上げた空で、鳥籠に囚われながらも、世界の美しさを疑うことなく生きる純粋なアリス。

過去のことを感傷的に思い出しながら、格子状に咲く美しい天井の中に住まうアリスを見上げる疲れ切った「ボク」。

なにも疑わず、そこに何があるか理解しないまま、ただ好奇心から見下ろすアリス。

この世界では、アリスは神に近い存在です。

格子状の檻の向こうからこちらを眺める、絶対に手出しできない存在。

「澄み切った瞳でボクを見ないでくれ」は、美しいアリスと比べてしまうと、自分の悲惨な状況が際立ってしまうから。

歌詞の中で出てくる、この世界のオレンジは偽物ばかり。

砂風味で果実とは程遠いオレンジ、

ペンキで黄金に塗ったオレンジ。

つまり、この世界にはオレンジが象徴する純粋さなど存在せず、それっぽい偽物が溢れています。

「ボク」がその事実を受け入れられていないことから、廃墟になる前には本物の純粋さがあったはずですけれど。

その中で、アリスは唯一の純粋な存在。

「ボク」は頭上のアリスを、世界がまだ正常だった頃と重ねて見上げています。

いつまでも捨てられず、何度も求めてしまう純粋さ。それを「ノスタルジア環状線」と表現しているのでしょう。

アリスに抱く感情は憧れです。

失くしてしまった過去への憧れ。

檻に捕らわれているもの

明日が来れば明日を求めてしまうように
満たされない心情と表裏一体の幸福感
どこへ行けば此処以外の所に行けるの?
どこへ行けば単純な愛に触れるの?
愛されるの?

「ボク」は愛を求めていますが、この世界では愛を手に入れられないことも知っています。

どこへ行っても変わらない景色の中、ただ生きるために明日を求めてしまう。

それはまさに、檻に捕らわれていると言っても良い状況。

どこにでも歩いて行けるように見えるけれど、どこに行っても何も変わらない。

世界はとても狭い。

そんな果てで辿り着いた
誰かが捨てた夢の上
きっとこれは悲しい戯曲さ
「君もそうなの?」

この「君もそうなの?」は、「ボク」からアリスへの問いかけです。

鳥籠は天空に広がっていて、実は、檻のこちら側と向こう側でしかなかった。

血塗られた世界の檻に囚われ、愛を求め続ける、純粋性を失った「ボク」。

檻の向こう側に囚われ、世界のことを何も知らず踊り続ける、純粋性しか持たないアリス。

一体、何が違うというのだろう?

檻のこちら側と向こう側、手を取り合うことさえ出来ない状況で。

それは一つの絶望です。

この世界には、自由な存在なんて何ひとつ無かった。

そしてアリスは、こちらの世界には来られない囚われた存在であるからこそ、純粋さを保ち続けることが出来た。

「ボク」は純粋さを求めるけれど、遠くに見上げることしか出来ません。

カラスが手招く
際限ないデフォルメと廃棄のリリック
君を飼い殺す鉄格子
ここに来ちゃいけない

でもせめて、アリスはこの世界に来ないでほしい。

ずっと向こう側で踊っていてほしい。

せめて、君だけは純粋でいてほしいから。

「ボク」はそう願います。

変わってほしくない、ずっとそのままでいてほしい。

それはある意味では呪いです。アリスを閉じ込め続けるための呪い。

実際に、アリスがどう願っているのかは分かりません。

純粋性のかたまりであるアリスは、何も考えていないのかもしれない。

しかし、血塗られた廃墟の世界の中、やはり「ボク」がいる側の世界には愛情は存在しない。悪意や呪いだけの世界。

そのことを「ボク」自身が証明してしまっているのはやはり絶望的ですね。

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さいごに

「廃墟の国のアリス」というタイトルの曲ですが、オマージュ元とは違い、壊れた世界の中でアリスを見つめる「ボク」の物語です。

アリスという絶対的に美しく純粋な存在があることで、世界の絶望感がより濃く浮き上がっていますね。

求めているものに近づけない絶望感。

この部分に共感できる人は、実は、結構多いのではないでしょうか。

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