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強盗と花束【ヨルシカ】歌詞の意味を考察!強盗と花束の違いを問い詰める物語

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ヨルシカ「強盗と花束」の歌詞の意味を考察します。

1st EP「創作」(2021年1月)の収録曲。

n-bunaさんが作詞・作曲した「強盗と花束」の歌詞の意味をチェックしましょう。

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強盗と花束 歌詞考察

ソファを強盗した

ある朝、僕は気付いたんですが
思ったよりもソファが狭い
お金が足りないわけでもないけど
家具屋は生活圏外
そうして僕は思ったんですが
隣の家なら徒歩一分
何とかなると思った
僕は包丁を持った

出典:強盗と花束 / 作詞・作曲:n-buna

「強盗と花束」が収録されている1st EP「創作」は、「音楽の盗作をする男の物語」というコンセプトの3rdアルバム「盗作」(2020年7月)の延長線上にあるという位置付けになります。

つまり「強盗と花束」の語り手の「僕」も、アルバム「盗作」の主人公と同じような「盗作家」という設定です。

その「僕」は「ソファが狭い」という理由で、「隣の家」に「強盗」に入ることを決意します。

収録EPのタイトルどおり、あくまでも「創作」で現実の話ではありませんが、それにしても「お金」を出して買うこともできるのに、「家具屋」が遠いから近場で調達するという発想には驚かされるのではないでしょうか。

何にも満たされないなら
行こう、僕らで全部奪うのさ
紙みたいな理性なんてほら、飛ばしてしまえ
神様、本当にこの世の全部が人に優しいんだったら
少しくらいは僕らにくれたっていいじゃないですか

出典:強盗と花束 / 作詞・作曲:n-buna

現実社会で「理性を飛ばす」ととんでもないカオス状態になるはずですが、「創作」上の話なら構わないだろうという問題提起です。

ただ「僕」が「理性を飛ばす」のは「強盗」に対する善悪のみなのでしょう。

「奪う」という発想は、「理性」的な「所有」の概念が大前提となって成立する話なので、何もかも「理性を飛ばす」わけではなさそうです。

しかし「神様」が存在することが大前提となって語りかけているところは「理性的ではない」かもしれません。

さらにその「神様」は「この世の全部が人に優しい」と言ったことになっていますが、こちらも「理性的ではない」でしょう。

どうにか「創作」上の「強盗」を正当化したいようですが、「僕」の都合のいいように「理性を飛ばす」状況になっているので、なかなか感情移入が難しいのではないでしょうか。

花束を強盗した

ある昼、僕は思ったんですが
死にゆく貴方に花を上げたい
お金が足りないどころか無いから
花束は予算圏外
そうして僕は気付いたんですが
隣の花屋は定休日
盗めばいいと思った
僕は信号を待った

出典:強盗と花束 / 作詞・作曲:n-buna

今度は「花」を「強盗」する物語になりましたが、「ソファ」のときとは「強盗」する理由と「お金がない」点が異なります。

「お金はあるけれど、家具屋が遠いから」という自己中心的な理由ではなく、「お金がなくて、貴方が死にそうだから」という他者を思いやる理由だと、「強盗」が「理性」的に許される行為ではないとしても、感情的に腑に落ちる部分はあるでしょう。

なぜ「お金」の有無に変化があったのか、「隣の家」と「隣の花屋」は別なのか、などの疑問は残るものの、それより「資本主義的所有」について「創作」上で「理性を飛ばす」ことを目的としているのかもしれません。

笑え、真面目な顔で澄ましてる
実はあんたもまともじゃないのさ
金にならない常識なんてもう、忘れてしまえ
他人の痛みが他人にわかるかよ
百年経てば誰でも骨だ
今日くらいは僕らも間違っていいじゃないですか

出典:強盗と花束 / 作詞・作曲:n-buna

「常識はお金になる」かもしれませんし、「お金になるかどうか」で判断すること自体が「常識的」なような気もしますが、いずれにしても「創作上では間違ってもいい」と主張したいのでしょう。

「真面目、まとも、常識」を毛嫌いしているようなので、「まとも」に考察するほうがナンセンスとも考えられます。

ただ「自分の痛みは誰にもわかってもらえない」と嘆いているようにも受け取れそうです。

「貴方が死にそうになっているのがあまりにも辛くて、どうしても花を上げたかった」のではないでしょうか。

それならば「強盗」という「間違い」を犯しても情状酌量の余地はありそうです。

強盗と花束の違い

ある夜、僕はわかったんですが
これから先には夢が無い
貴方が居なくなるなんて
考えたこともなかった
花屋の主人は優しかった
けど盗んだことすら咎めない
強盗と花束に何かの違いがあるのですか
それ、何かが違うのですか

出典:強盗と花束 / 作詞・作曲:n-buna

結局「貴方」は亡くなってしまいました。

このような経緯を踏まえて、「花屋の主人」は「僕」を許したのでしょう。

さて、こうした物語を「創作」し、最終的にリスナーに問いたかったことは「強盗と花束に~」の部分だと考えられます。

おそらく「盗んだ花束と買った花束に違いはあるのか」という意味でしょう。

ただ「死にそうになっている人に花を上げたい」としても、「近くの花束と遠くの花束に違いはあるのか」という問題提起に転換すると、「強盗」する必要さえなくなりそうです。

あるいは「生と死に違いはあるのか」と考えたら、「貴方の死を悲しむ」とか「貴方に花を上げる」意味も失うかもしれません。

何にも満たされないなら
行こう、僕らで全部奪うのさ
塵みたいな理性なんてほら、飛ばしてしまえ
神様、本当にこの世の全部が人に優しいんだったら
少しくらいは僕らにくれたっていいじゃないですか
少しくらいは僕らを裁いたっていいじゃないですか

出典:強盗と花束 / 作詞・作曲:n-buna

「理性を飛ばす」ことが目的なら、「近くにあるか遠くにあるかの違いだけで、世の中のものすべては自分のもの」と想像すればいいような気もします。

それとも「神様に裁かれたい」から「奪う」のでしょうか。

あるいは「神様に貴方を奪われた」と言いたいのかもしれません。

結局「僕」なりに「理性を飛ばしている」状態なので、「痛みはわからないし、間違っている」と感じるしかなさそうです。

ある朝、僕は気付いたんですが
思ったよりも世界は広い
努力が足りないわけでもないのに
何にも実らず圏外
仕事を辞めて思ったんですが
安心なんて何処にも無い
終わった方が未だ増し
ソファが小さく見えた

出典:強盗と花束 / 作詞・作曲:n-buna

最後に「仕事を辞めた」ことが明かされます。

その直後に「ソファを強盗」したので、その時点ではまだ「お金があった」ものの、「花を強盗」したときにはもう「お金はなくなっていた」という流れでしょう。

ラストが冒頭につながり、延々とループするような構造です。

結局「強盗と花束の違い」については、リスナーそれぞれの「理性の飛ばし方」に委ねられたのではないでしょうか。

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さいごに

「理性的な現実」が生きやすくなるのであれば、「創作上で理性を飛ばす」方法を試みるといいでしょう。

ただ、理性的に考えても「強盗と花束の違いがわからない」場合は現実社会が生きにくいはずですし、哲学的な堂々巡りになるのであれば突き詰めるのもほどほどにしたほうがいいかもしれませんね。

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