今回は2021年のバレンタインデーにリリースされた三作目「ギラギラ」の歌詞考察をしていきます!
若き天才ボーカリスト・Adoの紹介記事はこちら↓
「ギラギラ」は、ボーカロイドプロデューサー・てにをはさんが作詞作曲を手掛けました。
見た目にコンプレックスを抱える少女の複雑な心情を表現した歌詞は、若い世代から絶大な支持を受けています。
では早速歌詞の考察を始めていきましょう!

ギラギラ 歌詞考察
コンプレックスを持つ少女の心の声は?

You Tubeに公開されているMVには顔の左側に大きな痣のある少女が登場します。
自分の見にくい外見にコンプレックスを抱えている彼女は、世界の素晴らしさと自分の醜さを比較して嘆きます。
「素晴らしき世界」と歌っていますが、これは彼女の本心ではないでしょう。
「あーもう本当になんて」と過剰なまでに強調することで、本当はこの世界を素晴らしいなんて思っちゃいないという彼女の皮肉が伝わってきますね。
人に愛される見た目ではないけど、他の人を好きになる気持ちや人から好かれたいという気持ちは人並みに持っていて、その矛盾に悶えています。

「Ugly」は醜いという意味ですが、同意・承諾するという意味のAgreeにかけているのでしょうか?
『自分の醜さは分かっているから、もう触れないでくれ』と言っているように思います。
ぐちゃぐちゃで醜い自分の顔を「神様が左手で描いたみたい」と表現する歌詞からは、きれいな人に向けて作られたラブソングが、自分には全く縁がないものだと諦めている彼女の悲しみが伝わってきます。

恋に縁がない彼女にとってくちづけなど無意味です。
そんな彼女の人生をかわいそうだと思う世間の憐みは欲しくもないのに手に入ります。
そんな憐みの目から自分を守るように、ギラギラとしたスパンコールを身に纏います。
目立つスパンコールで飾る部分に、劣等感を乗り越えようという彼女の強い気持ちをみることができます。
彼女なりの輝き方

サビの歌詞にも彼女の強い気持ちが表現されています。
暗い夜に飲み込まれるのではなく、逆に私が夜を呑む。
luvはloveのスラング表現ですが「今に見てろ」と吐き捨てる歌詞から、綺麗な人たちで作られた素晴らしき世界を見返してやるという彼女の反骨精神が伝わってきます。
「1mgの花火」は他の考察記事で、大きく下記の2つの意見がありました。
・タバコ説 目に染みるから 「Drag on」にタバコを吸い込むという意味があるから
・スマホのライト説 同じく目に染みる 「Tap」や「Drag」などスマホ関連のワードがあるから
どちらもありそうですが、『醜い自分に対する誹謗中傷』なのではないかと考えました。
これまでの歌詞から、彼女は自身の抱く劣等感を乗り越えようとしていることが分かります。
醜いことを自覚している彼女にとっては、誹謗中傷など「目に染みる」程度のことであり「ファニー(滑稽・おかしな)」で「ビザール(奇怪・奇妙)」なものだから、そんな中傷には屈しないという彼女の強い心を表現しているのではないでしょうか?
強がっているようにも思えますが…
「今に見てろ」の歌詞にもマッチしていると思いました。
また、誹謗中傷は現実世界よりもSNSなどのインターネット上で多く行われていると感じます。
スマホのライト説と合わせると、彼女が見たのはツイッターなどに書かれた悪口だったのかもしれませんね。

2番では、神様の代わりにお釈迦様が登場します。
神や仏にもわからないほど狂っていったのは、この世界なのか?はたまたギラついて生きていこうと決めた自分なのか?
どちらにしろ2つが相容れることはなく、世間が醜い彼女の存在を受け入れることもなければ、彼女が世間に合わせて生きていくこともありません。
溶かされる瘡蓋

マガイモノ(擬物・偽物)として生まれてきた彼女は、「強い酸性雨」(前述の誹謗中傷)が自分を守っているスパンコールの瘡蓋を洗い流し、蛍光色のように目立つ痣をむき出しにされないように疾ります。

ここでも1番のサビと同じように、コンプレックスに打ち勝とうとする彼女の強い気持ちが表現されています。
スパンコールで飾るのと同じように、自分をメイクで武装して、誹謗中傷から身を守ろうとしています。
そこで見てろと吐き捨てる踊りが、ダンスではなく「乱舞」になっているのは、彼女自身「スパンコールの瘡蓋」や「武装(メイクアップ)」が無理して強がっていることを自覚しているからなのかもしれません。
「不意に不安に」なってしまう彼女の本音も表現されていますね。

彼女は世界を見返すため、孤独なコンプレックスを燃料にします。
醜いことがプラスとして評価される世界に生まれ落ちていたら、どんなに幸せだったでしょう。
自分以外のみんなは、綺麗だというコンプレックスを持って一生を過ごすのですから。
もういいかいの繰り返しからは、そんな世界を想像し、素晴らしき世界の綺麗な住人達に「もういいかい」と呼びかけている姿が浮かびます。
ギラギラに隠されたもう一つの意味

ラストのサビで、「ギラギラ」が「Give Love」と掛けられていたことが明かされます。
コンプレックスなんて気にせず「ギラギラ」生きていくと歌った彼女ですが、その裏には「Give Love (愛されたい)」という心があったんですね。
みんな何かしらのコンプレックスを抱えて生きていると悟った彼女は、そんな素晴らしき世界を称賛し、みんなにギラギラ輝いて生きていこうと訴えます。
強いメッセージ性がある曲ですね。

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さいごに
タイトル「ギラギラ」に隠された意味。
ラストのサビで明かされる秘密は多くのリスナーに衝撃を与えました。
Adoさんの強烈な歌声や尖った歌詞の裏に、コンプレックスは誰だって持っていて、それを隠すように生きているんだから気にしなくていい、自分の思ったままに生きていこう、という前向きで優しいメッセージが込められた曲だと感じました。
天才シンガーAdoさんの今後の曲にも注目です!