星野源さん「Get a Feel」の歌詞の意味を考察します。

Get a Feel 歌詞考察
ブラックミュージックへのリスペクト
肩を揺らせ 悲しみに乗って
出典:Get a Feel / 作詞・作曲:星野源
手を叩け 憂鬱を
叩き潰した 毎日にも
I Get a Feeling 何か居て
星野源さんのボーカル、ハマ・オカモトさん(OKAMOTO’S)のエレキベース、長岡亮介さん(ペトロールズ)のエレキギターとエレクトリックシタールのほか、ハモンドオルガン、エレピのウーリッツァー、ホーン(フリューゲルホルン、トロンボーン)、ドラム、コーラス(長岡亮介さん、石橋英子さん、星野源さん)という編成の「Get a Feel」。
その曲名は「I Get a Feeling」(気がする、感じる)という歌詞につながっていますが、いずれもソウルの帝王ジェームス・ブラウンのファンクチューン「I Got the Feelin’」を意識しているでしょう。
「悲しいという感情(Feeling)をノリ(グルーヴ)に変えて踊り、憂鬱(ブルース)を叩き潰した毎日には何らかのフィーリング(感覚)がある」といったニュアンスです。
大まかに「ブルース→ジャズ→ゴスペル→R&B→ソウル→ファンク→ヒップホップ」という時系列で発展したブラックミュージックへのリスペクトが感じられます。
腰を揺らせ 喜びをもって
出典:Get a Feel / 作詞・作曲:星野源
目を合わせ 優しさを
交わし続けた 毎日にも
I Get a Feeling 何か居て
ブラックミュージックの発展には「音楽と共に、悲しみを乗り越える」という歴史的な背景があります。
さまざまな「悲しみ」を乗り越えた果てに「喜び」を感じるためにも、音楽を聴いて踊る日常が繰り返されてきたのではないでしょうか。
「どのような毎日にも居る何か」とは「喜怒哀楽の感情」かもしれませんし、「音楽」あるいは「音楽を聴いて踊ることによって感じるフィーリング(雰囲気、気分、愛情)」とも考えられるでしょう。
瞳には映らずに
出典:Get a Feel / 作詞・作曲:星野源
鼓膜には届かぬ
魂に似た子供の様な
ああ どんな肌の色でも
その「何か」は「魂(ソウル)に似ている」とのことなので、やはり「目に見えず、物理的には鼓膜に届かない音楽」、あるいは「音楽によって得られる、何ともいえないフィーリング」といったニュアンスでしょうか。
ブルースに続き、ソウルミュージックを彷彿とさせる言葉が混ざっているところにも「何か=何ともいえないフィーリング」が漂っています。
星野源さんは、J-POPのメロディーとブラックミュージックのリズムなどを融合させた「イエローミュージック」というジャンルを提唱。
また、日本語ロックを確立した4人組バンド「はっぴいえんど」やテクノトリオ「YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)」などの細野晴臣さんの影響も受けています。
ブラックミュージックを好み、そのルーツや歴史に敬意を払いつつ、アジア人としての誇りやフィーリングも大切にしているのでしょう。
そのうえで「どんな肌の色でも、音楽を感じることができる喜び」に満たされています。
心揺らせ 16に乗って
出典:Get a Feel / 作詞・作曲:星野源
手を叩け 裏側で
歌い鳴らした いつの日にも
I Get a Feeling 何か居て
「16」は「16ビート」、「裏側」は「裏打ち、バックビート」のことで、どちらもリズム用語です。
それでも「揺らす」のは「体」ではなく「心」で、「歌う」ことも大前提になっています。
西洋音楽の三大要素は「メロディー(旋律)、ハーモニー(和声、コード進行)、リズム(律動)」ですが、たとえば「メロディー(ボーカル)、ハーモニー(ギター、鍵盤)、リズム(ベース、ドラム)」など、パートでかっちり分かれているわけではありません。
ボーカルにもハーモニーやリズムはあり、ギターや鍵盤やベースがメロディーを奏でることもあるなど、総合的に楽しめるのが音楽の醍醐味でしょう。
「16ビート」はジャズとロックのドラム、「裏打ち」はR&Bのドラムがルーツと考えられていますが、踊り(リズム、ブラックミュージック)が苦手な人も、歌いながら手を叩くと「何か」を感じて楽しくなるのではないでしょうか。
歌い鳴らすと何かが居る
頭抱え 耳を塞げ
出典:Get a Feel / 作詞・作曲:星野源
頬濡らせ 痛みを
含み続けた 毎日にも
I Get a Feeling それは居て
「痛み」というと「ブラックミュージックの歴史」に思いを馳せているような印象を受けますが、それこそ「肌の色や時代にかかわらず、痛みを感じることもある」といえるかもしれません。
歴史には残らずに
出典:Get a Feel / 作詞・作曲:星野源
記憶にも残らぬ
花びらに似た笑顔の様な
ああ どんな国の元でも
「歴史や記憶に残る音楽もあれば、残らない音楽もある」という意味でしょうか。
あるいは「音楽は歴史や記憶に残るけれども、それぞれが音楽から受けた何か(フィーリング)は歴史や記憶に残らない」と解釈することもできるでしょう。
「悲しみ、憂鬱、痛み」を抱えているときでも「喜びや優しさ」と共に音楽を聴くと、「子供」みたいに純真な「笑顔」を浮かべることができるはず。
ただし、どれほど「音楽の歴史」を頭に詰め込んでも、そもそも音楽を感じることができなければ「何か」は生まれないでしょう。
裏を返すと、たとえ「音楽の歴史」や理論などの知識がなくても、音楽を感じることさえできれば「何か」は生まれるということ。
たとえばブラックミュージックのフィーリングをアジア圏で楽しむこともできるなど、「肌の色」や「住んでいる国」にしばられないのも音楽の醍醐味といえそうです。
心揺らせ 16に乗って
出典:Get a Feel / 作詞・作曲:星野源
手を叩け 裏側で
歌い鳴らした いつの日にも
I Get a Feeling 何か居て
いつも それが居て
「聴く、歌う、手を叩く、奏でる、踊る」など音楽との関わり方も人それぞれですが、いずれにしても「いつも音楽と共に生きていると、いつも何らかのフィーリングと一緒にいることができる」という結末でした。

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さいごに
メロディーにもリズムがあるように、生活にもリズムは存在します。
「Get a Feel」を聴き、歌いながら手を叩いて「何か」を感じる日々を過ごしたいものですね。