目次
今回は、緑黄色社会の名バラードとしても知られる「冬の朝」の歌詞を考察していきたいと思います。
通算2枚目のフルアルバム「SINGALONG」の13曲目に収録されています。
記事タイトルにもある通り、Vo.長屋晴子さんが大学時代に作曲したこの曲。
さっそく、歌詞の意味を考察していきましょう。

冬の朝 歌詞考察
誰もが感じる、冬の朝の寂しさ
先述の通り、Vo.の長屋晴子さんが大学生時代に作詞・作曲をしたというこの曲。
上京を想って書いたと言われていますので、それをベースに考察していきましょう。
冬の朝は少し大人になれた気がしていた
出典:冬の朝 / 作詞・作曲:長屋晴子
張り詰めた空気は私を勘違いさせる
寂しくないなんて小さな嘘をついてしまう
1人で大丈夫だと平気なフリがしたい
まずここの部分ですね。
冬の朝、日の出の時間も遅く、まだ少し薄暗い印象。
そんな中で目を覚ますと、まだ世界は目覚めていないかのよう。
今は世界で1人、寂しい、そう”勘違い”させてくれる一面があります。
一人きりだと色々な思考を巡らせますよね。
ましてや大学生となると「子供から大人になる途中」という人も多い気がします。
そのような日々で成長を感じたりする1人の朝、なのでは無いでしょうか。
”寂しくないなんて小さな嘘をついてしまう”
”1人で大丈夫だと平気なフリがしたい”
そう思いたくなるのは、大人になったと思い込みたいから。
と、私は考えます。
誰しも大人になる過程で、「自分は大人になった」と信じたくなります。
冬の朝は、そのような想いを強くさせる側面があることを皮切りにこの曲は始まっていきます。
新しい生活が孕んでいる、不安感と恐怖感
慣れたはずのこの部屋も
出典:冬の朝 / 作詞・作曲:長屋晴子
まだまだ私のものじゃない
遠く離れたあの部屋が
今日はなんだか恋しいよ
実家を出て、新しい生活、新しい暮らし、新しい部屋。
まだ慣れない事も多くて、まるで自分の部屋じゃない様に感じます。
遠くにある、自分の部屋、恐らく実家でしょうか。
新しい環境に慣れないのも、古い環境を懐かしんでしまうのも、
不安と、ほんの少しの「恐れ」があるから。
冬の寒さは、寂しさを連れて来ます。
寂しさは、不安を増幅させて、心を緩やかに蝕んでゆきます。
周囲の成長と、それに伴う努力と
みんな形を変えていくんだ
出典:冬の朝 / 作詞・作曲:長屋晴子
酸いも甘いも噛み分けてさ
見えないところではもがいてる
誰も彼もが同じように
弱虫な私も強くなれる
周りは様々なことを経験し、大人になっていく過程で”形を変えて”いきます。
”酸いも甘いも”経験し、各々が成長していきます。
受験期間に、周りが受験一色になってしまい、置いてけぼりに感じるように。
そしてその努力は人に見せるものではなく、皆が”見えないところでもがいている”のです。
それに引っ張られるように”弱虫な私も強くなれる”と感じるのは、誰しも経験があるかと思います。
「周りが頑張っているから、自分も頑張ろう」
そう思えるだけの強さを、徐々に手にしているように見えてきますね。
前のブロックからすると、少しずつ成長が感じられる一文ですね。
「平気なフリ」から「強がり」への僅かな成長
静かに日が射した 重たいカーテンを開けよう
出典:冬の朝 / 作詞・作曲:長屋晴子
かじかむ指先を余った袖に忍ばせて
浮かべた顔、景色 比べてはため息をついた
それでも大丈夫だと強がってみたりした
世界と自分を隔てるカーテンは重く見えるけど、確かに隙間から日が射しています。
その日差しは「不安を消しとばす光明」なのかなと読み取れますね。
”余った袖”とありますが、勿論「萌え袖」の描写ではなく、少し背伸びした心象を描いた描写なのかなと。
”浮かべた顔、景色”は地元の見知った面々や、その風景でしょうかね。
安心できるその風景と、カーテンの隙間から見える景色を比べて、また少しだけ落ち込みます。
ただ、”大丈夫だと強がってみたり”出来る程までの心の成長が僅かに垣間見えます。
こぼせる様になった愚痴
白んだ空がもの言いたげに
出典:冬の朝 / 作詞・作曲:長屋晴子
ぬくもりを奪い去っていく
そろそろいいかな
浮かんでた名前に愚痴をこぼしても
冬の情景描写と共に奪われゆく温もりは、それでも心細い様子を描いているのでしょう。
”そろそろいいかな”
”浮かんでた名前に愚痴をこぼしても”
ここの二行で、頼れる存在にしっかりと気がつき、愚痴をこぼしたいと綴っているように見えてきます。
浮かんでいた名前は、地元の仲間、友達などでしょうか。
それとも、家族でしょうか。
だとすれば、一人で抱え込まずに頼って良いんだと思い直した様子が浮かんできます。
1人のようで1人じゃない、不安は抱え込まないという意思
1人のようで1人じゃないな
出典:冬の朝 / 作詞・作曲:長屋晴子
吐けば吐くほど泣けてくるけど
溜め込んだ不安がほぐれてく
これまでのことが嘘のように
寂しさも私を強くさせる
”1人のようで1人じゃないな”
この一文が、東京(都会)の全てを表現しているかと思います。
心理的には遠くとも、物理的距離は近かったり、逆もまた然りで
「物理的距離が遠くとも、心理的には近い存在」がキーになっていきます。
どちらにせよ確かな「繋がり」は消えないものです。
そして確かな繋がりは、いつでも話を聞いてくれて、不安を解きほぐしてくれます。
それによって、「寂しさ」が「何があっても、いつでも頼れる人がいる」といった安心感へとつながっていきます。
安心感は心の支えになり、強さへと結びついていきます。
甘いココアが運ぶ温もり
冬の朝は少し大人になれた気がしていた
出典:冬の朝 / 作詞・作曲:長屋晴子
たまには素直になって甘いココアでも飲もう
寂しい朝の空気を抜け、色々吹っ切れた様子。
”たまには素直になって甘いココアでも飲もう”
この一文はそのままの意味である「温かい飲み物で安心感を得る」
といった意味合いもありますが、考えられる暗喩としては
「素直になって甘えよう」という意味なんじゃないかなと。
前ブロックで、辛い心情を吐露した結果、スッキリしたんでしょうかね。
原文ママの意味でも通るあたりが素敵ですね。

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さいごに
最終的に、色々と吐き出せる存在、1人じゃないのに1人であるかの様な錯覚、などの描写が多く素敵でした。
皆さんも1人で抱えずに、頼れる人には頼る強さを得られますように。