Every Little Thingの持田香織さんの約2年ぶりとなるニューミニアルバム『せん』に収録されている新曲「Even a lion can’t cry」の歌詞を考察していきたいと思います。
6月23日にリリースされる『せん』には、2019年に放送されたドラマ『まだ結婚できない男』の主題歌「まだスイミー」や、メナードフェアルーセントCMソング「ジャスミン」など計5曲が収録されています。

Even a lion can’t cry 歌詞考察
今回の考察では、ギリシャ神話「ネメアの獅子」を用いて歌詞を紐解いていこうと思います。

獅子座になったネメアの森のライオンが主人公になっていると考えると、「青い星」というのは地球ですね。
遠い昔の「追憶の森」とはライオンが住んでいたネメアの森を指しています。
ライオンはまだ泣くことが出来ない=冒頭でご紹介した神話ですが、一説には人食いライオンではなく、人を襲ったことのない大きなライオンで、それを見た人の噂に尾ひれが付き「人食いライオン」に変わってしまって、ヘラクレスが退治しに来るという話があります。
なぜ静かに暮らしていただけの自分が退治されなければならないのかとヘラクレスに問うと、「人々はお前の大きな姿に恐怖するのだ、私はその恐怖を取り除くために来た」と答えます。
心優しいライオンは死ぬ間際、ヘラクレスにメッセージを託します。
『これからは、森の仲間と人とが協力をして、美しい豊かな森を守ってくれるように…』
星座になって遠くから見守るライオンは何を思っているのでしょうか?

これはライオンが天に召され、星になる様子を描いたものだと思われます。
ヘラクレスによって退治されたライオンは、神様に星にしてもらいますが、その時、触れ合うほどの距離で神のあたたかさ、優しさを感じたのではないでしょうか?
獅子座の中で最も明るい星・レグルスはローマ時代「獅子の心臓」と呼ばれていました。
ヘラクレスとの戦いによって止まってしまった心臓は神の力によって、ひときわ輝くきれいな星になったのですね。

森で静かに暮らしていた頃の記憶を振り返っています。
木々が生い茂り、森の生物たちと仲良く暮らしていたライオン。
動物の王としてのどかな生活を送っていた事がわかりますね。
「傷」というのは自らの爪でヘラクレスに剥ぎ取られたときの傷を指しているのだと思います。
「輝いて照らしてくれた」という歌詞から星になった後だということが分かりますね。

日本では、一面に咲き誇り、すぐに散っていく桜に美しさを感じるように、命の終わり、消えかけていく儚さを愛でる文化があります。
ライオンも、かつての美しい日々を消えゆく星に喩えて表現したのかもしれませんね。

この部分での歌詞でも星に生まれ変わる描写があります。
戦いの後に水平線から上ってくる朝日を見たライオンの魂。
満天の星空を「星の海」と表現することから、ライオンが漂った「海」は宇宙を表していると思われます。
星座に生まれ変わることに心が踊っているライオンの心情が伝わってきます。

今も遠く宇宙の彼方から、「青い星」=地球を見守っているライオン。
ヘラクレスに託した最後の願いは叶えられているでしょうか?
環境破壊や、大気汚染が進む現代社会、今一度地球においての人間のあり方について見直してみるべきなのかもしれません。
また、タイトル「Even a lion can’t cry」は直訳すると「ライオンでも泣けない」。
新型コロナウイルスの蔓延によって、先の見えない現代の人々に向けての応援歌のようにも聞こえました。

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さいごに
いかがでしたか?
持田さんが何を思って作詞したのかは本人にしか分かりませんが、自分の想像で意味を見つけるのも面白いかもしれません。
持田さん、Every Little Thingの今後の活動からも目が離せません!
ギリシャのネメアという地域の森に恐ろしい人食いライオンが住んでいました。
そのライオン討伐を命じられた英雄ヘラクレスは、弓や棍棒を持ってライオンに立ち向かいますが、鉄のように硬いネメアの獅子の毛皮には傷一つ付きません。
持ってきた武器が壊れ、為す術がなくなったヘラクレスは3日間ライオンの首を締め上げて倒します。
鉄のように硬いライオンの毛皮は、そのライオンの爪で剥ぎ取られヘラクレスの服になりました。
その後、死んだネメアの獅子はヘラクレスと戦った功績を認められ、動物の王として女神ヘラの手によって空に上げられ、星座の獅子座になったと言われています。